外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2023年7月19日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼18日(火)の為替相場
(1):RBA議事要旨 利上げ再開の手がかり示さず
(2):蘭中銀総裁 ハト派転
(3):米コア小売売上高が上振れ
(4):YCC修正期待が後退

▼18日(火)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:138円台での推移が多くなりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

18日(火)の為替相場

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期間:18日(火)午前6時10分~19日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):RBA議事要旨 利上げ再開の手がかり示さず

豪中銀(RBA)は7月理事会の議事録を公表。政策金利を4.10%に据え置いた決定について「政策が明らかに制約的で、家計の逼迫が急激な景気減速と失業率の上昇につながるリスクがあることから政策金利据え置きを決定した」と説明。ただ、一方で「家賃上昇や生産性低下、電気料金の上昇などによるインフレへの影響がまだ十分に把握できていない」として「インフレ抑制に依然として政策引き締めが幾分必要になる可能性がある」との認識を示した。8月の利上げ再開に向けた明確な手掛かりが示されなかったことで豪ドルは売りがやや優勢となったが、下落は一時的だった。

(2):蘭中銀総裁 ハト派転

欧州中銀(ECB)の政策メンバーであるクノット・オランダ中銀総裁は「7月は利上げが必要だろう。その後はせいぜい可能性で、決して確実ではない」と発言。従来のタカ派姿勢を覆すハト派的な発言と受け止められたことでユーロが反落した。また、クノット総裁は「コアインフレは頭打ちになったように見える。しかし、これについては勢いよく下がっていくのか、今後数カ月のうちにもう少し決定的な証拠を確認したい」と述べた。

(3):米コア小売売上高が上振れ

米6月小売売上高は前月比+0.2%にとどまり、市場予想(+0.5%)を下回ったが5月分は+0.5%に上方修正された(速報値+0.3%)。変動の大きい自動車を除いた売上高は前月比+0.2%だった(予想+0.3%)。自動車・ガソリン・建材・食品サービスを除いたコア小売売上高は前月比+0.6%と予想(+0.3%)を上回った。ドルは売りが先行したが、国内総生産(GDP)個人消費の推計に用いられるコア小売売上高の上振れが意識されて下げ渋った。

(4):YCC修正期待が後退

日銀の植田総裁はG20財務相・中銀総裁会議を終えて会見を行い、持続的・安定的な物価2%達成には「まだ距離がある」とした上で「その認識のもとでは、粘り強く金融緩和を続けてきた」などと発言。翌週の金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正を行うとの思惑が後退すると円売りが優勢となった。なお、これより前に発表された米6月鉱工業生産は前月比-0.5%と予想(±0.0%)を下回り、同設備稼働率も78.9%と予想(79.5%)を下回ったがドルの反応は限定的だった。

18日(火)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

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ドル/円の見通し:138円台での推移が多くなりそう

昨日のドル/円はNY市場で乱高下しつつも終値ベースでは約0.1%の小幅高だった。米6月小売売上高が予想を下回ると137.69円前後まで下落したが、国内総生産(GDP)の推計に用いられるコア小売売上高(除自動車・ガソリン・建材・食品サービス)が予想を上回ったことがわかると138円台を回復。その後、植田日銀総裁が、持続的・安定的な物価2%達成には「まだ距離がある」とした上で「その認識のもとでは、粘り強く金融緩和を続けてきた」などと述べたことが伝わると139.13円前後まで上値を伸ばした。ただ、前日同様に139円台では戻り売りが優勢で138円台後半に押し戻されて取引を終えた。
植田総裁の発言を受けて日銀の緩和修正観測が弱まっており、円は弱含みの推移が見込まれる一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ打ち止めが意識される中ではドルも弱含みやすい地合いが続きそうだ。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合を控える中、ドル/円は本日も138円台で推移する時間帯が多くなりそうだ。

注目の経済指標:英消費者物価指数

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注目のイベント:特になし

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神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

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