総括
FX「景気減速も対円では今年は19円台で安定推移」人民元見通し
(通貨9位、株価12位)
予想レンジ 人民元/円19.4-19.9
(ポイント)
*景気刺激策を示唆したが内容わからず
*物価は低下、経済指標は弱い
*対円では今年は19円台で安定
*ドル売り介入実施
*経済指標の焦点は来週のPMI
*IMFの成長見通しは変わらず
*習主席、キッシンジャー氏と会談
*中国人民解放軍建軍記念日(8月1日)
*不動産業ではデフォルト案件も
*海外からの資金流入も細る
*米中半導体戦争続く
*急に積極経済外交を行っている(中国回避を避けるため)
(19円台の動き)
景気は減速しているが、元も円も弱く、今年はほぼ19円台で推移している。株価は7月25日の景気刺激策示唆で上昇したが、昨日は下落、年間でも世界の株価指数の中で、上海、香港ともに弱い。
(今後の指標)
今週は、本日の1-6月工業利益があり、予想は前年比減少、1-5月は18.8%減少であった。来週からは、7月の政府版や財新の製造業、サービス業PMIが発表されるが、いずれも前月より弱い予想となっている。
(景気支援強化と内需拡大の方針)
中国共産党の中央政治局会議で景気支援強化と内需拡大の方針が示されたことを受けて7月25日の株価は大幅高となったが、翌26日は刺激策の規模を巡り懐疑的な見方が広がり反落した。
政治局会議はマクロ経済政策の調整を強化し、内需の拡大、信頼感の向上、リスクの防止に注力しに注力する方針を示した。 詳細は明らかにされなかったが、ハイテク大手や不動産開発会社が主導して株価は軒並み上昇した。
中央政治局は不動産市場の需給関係の「大幅な変動」に対応して不動産政策を適切な時期に調整・最適化するとも表明した。 中国当局が金融・財政・不動産・消費を組み合わせた刺激策を数カ月以内に打ち出すと予想される。
(IMFの成長見通しは変わらず)
IMFは今年と来年の中国経済成長率見通しを、2023年に5.2%、2024年に4.5%とした。変更はないが、成長の構成は変化している。
(ドル売り介入)
7月20日のアジア時間序盤のオフショアスポット市場で、中国の主要国有銀行がドル売り・人民元買いを行ったもよう。 元の下落ペースを緩めることを意図している。
(習主席、キッシンジャー氏と会談)
近平国家主席は、北京でキッシンジャー元米国務長官と会談し、キッシンジャー氏のような「旧友」は決して忘れ去られることはないと語った。
キッシンジャー氏は現在100歳。ニクソン政権とフォード政権で国務長官や国家安全保障顧問などを務め、1970年代の米中関係正常化に重要な外交的役割を果たした。中国でも広く尊敬を集めている。 習主席は「中国人民は決して旧友を忘れることはない。中米関係は常にヘンリー・キッシンジャー氏の名前に結びつくだろう」と述べた。
キッシンジャー氏は「両国関係は、世界平和と人類社会の進歩に関わる問題だ」と述べた。