主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年7月27日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼26日(水)の為替相場
(1):豪四半期CPIが鈍化
(2):日銀の政策修正懸念で円買い
(3):FOMCは予想通り利上げ
(4):パウエルFRB議長発言 ハト派的と受け止められる
▼26日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:落ち着きどころを探る展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日(水)の為替相場
期間:26日(水)午前6時10分~27日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪四半期CPIが鈍化
豪4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+6.0%と市場予想(+6.2%)を下回り、1-3月期の+7.0%から鈍化。コアCPIに当たるCPIトリム平均も前年比+5.9%に伸びが鈍化した(予想+6.0%、前回+6.6%)。これを受けて豪中銀(RBA)が翌週の理事会で利上げを見送るとの観測が強まると豪ドルは下落した。
(2):日銀の政策修正懸念で円買い
為替オプション市場でドル/円のボラティリティ(予想変動率)が上昇するなど、日銀が27-28日の金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)修正に動くとの警戒感が一部にくすぶる中、円買いが優勢となった。
(3):FOMCは予想通り利上げ
米連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通りに政策金利を25bp(0.25%ポイント)引き上げ5.25-5.50%とした。これによって米政策金利は22年ぶりの高水準となった。FOMCは声明で前回同様「インフレ率を時間とともに2%に戻すために適切となり得る追加的な金融政策の引き締めの程度を決めるに当たり、委員会は金融政策の度重なる引き締め、金融政策が経済活動とインフレ率に及ぼす影響の遅効性、経済や金融の情勢を考慮する」と表明した。
(4):パウエルFRB議長発言 ハト派的と受け止められる
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の会見で「将来の利上げについてはデータを重視したアプローチをとる」として「1会合おきに利上げするとの決定はない」と述べた。その上で「データが正当化すれば次回9月会合で再び利上げする可能性は当然あると言えよう。そして同会合で据え置きを選択する可能性もあると言っておく」などとして今後の政策金利の道筋について明言を避けた。市場はこれを、パウエル議長が追加利上げを明確に示唆しなかったと受け止めた模様で、長期金利が低下するとともにドルが下落した。ドル/円は一時140円台を割り込んで下落したが、ユーロ/円などのクロス円はユーロ/ドルなどのストレートドルの上昇が支えとなり下げ渋った。