空室対策に有効なアイデアとは?人気な設備と費用の目安を紹介!

目次

  1. 空室対策に有効な人気設備
    1. インターネット無料:概要と設置費用の目安
    2. 高速インターネット(1Gbps以上):概要と設置費用の目安
    3. 宅配ボックス:概要と設置費用の目安
  2. すぐできる空室対策アイデア
    1. 初期にかかるコストを減額する
    2. フリーレントを導入する
  3. やってはいけない空室対策
    1. 家賃を値下げしすぎる
    2. 入居条件のハードルを下げすぎる
    3. 行きすぎたリノベーションやリフォーム
  4. 空室対策が重要な理由とは?

本コラムでは、アパート経営の空室対策に有効なアイデアを人気設備とすぐできる空室対策に分けて紹介していく。あわせて、やってはいけない空室対策についても解説する。

本コラムのポイント
・人気設備は「インターネット無料」「高速インターネット(1Gbps以上)」「宅配ボックス」
・すぐできる空室対策は「初期コストの減額」「フリーレントの導入」
・やってはいけない空室対策は「家賃を下げすぎ」「入居条件を下げすぎ」「過剰なリノベやリフォーム」

空室対策に有効な人気設備

空室対策に有効な人気設備は、以下の3つだ。

・インターネット無料
・高速インターネット(1Gbps以上)
・宅配ボックス

全国賃貸住宅新聞が調査した「人気設備ランキング2022」によると、単身者向け・ファミリー向けともに「インターネット無料」が1位だった。「高速インターネット」が単身者向けで3位、ファミリー向けで4位となっている。「宅配ボックス」は単身者向けで4位、ファミリー向けで6位だ。

それぞれの概要と設置費用の目安を紹介していく。

インターネット無料:概要と設置費用の目安

概要 入居者が無料でインターネットを使用できる設備
設置費用の目安 ・共用部設置型Wi-Fi
 設置費用:10万~20万円程度
 ランニングコスト:月額1万~3万円程度
・埋め込み型Wi-Fi
 設置費用:30万~40万円程度
 ランニングコスト:月額1万~3万円程度
・置き型Wi-Fi
 設置費用:5万~10万円程度
 ランニングコスト:なし

空室対策に有効な人気設備ランキング1位は、インターネット無料だ。インターネット無料設備とは、入居者が無料でインターネットを使用できる設備のことである。例えば、社会人なら在宅ワークやリモート会議、学生はリモート授業など生活にネット環境は不可欠だ。つまり賃貸物件を探している方から選ばれるには、ネット環境を整えるためWi-Fiを設置したほうが良いといえる。

以下では、アパートに無料Wi-Fiを設置する方法3つと、あわせて設置費用の目安を紹介していく。

  • Wi-Fiを設置する方法①共用部設置型Wi-Fi
    共用部設置型Wi-Fiは、共用部分に設置されたルーターから各部屋にWi-Fi電波を飛ばす仕組みだ。電波を通しやすい木造または鉄骨造の低層物件、かつ1部屋あたり約40平方メートル以下を目安とした小規模アパートに適している。設置費用は、10万~20万円程度。設置後のランニングコストは、月額1万~3万円程度である。

共用部設置型であれば各部屋へのWi-Fiルーター設置工事は不要であり、埋め込み型に比べると設置費用が安くなりやすい。

  • Wi-Fiを設置する方法②埋め込み型Wi-Fi
    埋め込み型Wi-Fiは、各部屋の壁やコンセントに埋め込まれたルーターで、アパートに引いたインターネット回線を飛ばす仕組みだ。インターネット回線が有線のアパートであれば設置できる。設置費用は、30万~40万円程度。ランニングコストは、月額1万~3万円程度である。各部屋の工事が必要な分、工事費用が少し高くなる点に注意が必要だ。

ただし各部屋にWi-Fiルーターを設置するため電波が良く、インターネット接続が安定する。

  • Wi-Fiを設置する方法③置き型Wi-Fi
    置き型Wi-Fiは、各部屋の置き型Wi-Fiルーターで、アパートに引いたインターネット回線を飛ばす仕組みだ。Wi-Fiが共用部ではなく室内にあるため、インターネット接続が安定する。設置費用は、5万~10万円程度。ランニングコストはかからない。共用部分や各部屋の工事が不要であり、保守点検も必要ないため経済的だ。

ただし置き型となるため、退去時に誤って持ち去られないように持ち去り禁止やペナルティを決めておいたほうが良いだろう。

高速インターネット(1Gbps以上):概要と設置費用の目安

概要 入居者が動画やオンラインゲームなどの大容量通信にも対応できるインターネット
設置費用の目安 設置費用:30万~40万円程度
ランニングコスト:月額1万~3万円程度

単身者向けで3位、ファミリー向けで4位に選ばれたのは、高速インターネット(1Gbps以上)だ。上述したインターネット無料に続き、ネット設備である。高速インターネットは、動画やオンラインゲームなどの大容量通信にも対応できる点が魅力だ。1Gbps以上の高速インターネットを導入するには、アパートのインターネット回線を各部屋に光配線方式で引き込むことになる。

光配線方式は、光ファイバーで各部屋まで直接光回線が引き込まれているため、高速な通信が可能だ。設置費用は、30万~40万円程度。ランニングコストは月額1万~3万円程度である。

宅配ボックス:概要と設置費用の目安

概要 不在時に届いた荷物を受け取るボックスの設置
設置費用の目安 ・ダイヤル式宅配ボックス
 本体価格:10ボックス程度で40万~60万円
 設置費用:約10万円
 ランニングコスト:故障した場合にのみ発生
・電子式宅配ボックス
 本体価格:10ボックス程度80万~100万円
 設置費用:10万円以上(電気配線工事費用も発生)
 ランニングコスト:月額5,000~1万5,000円程度

単身者向けで4位、ファミリー向けで6位に選ばれた人気設備は、宅配ボックスだ。不在時でも届いた荷物を受け取ることができる。宅配ボックスは、ダイヤル式と電子式の2種類に分けられ、本体価格と設置費用に加えてそれぞれにランニングコストがかかる。

  • ダイヤル式宅配ボックス
    ダイヤル式宅配ボックスは、ダイヤル錠やボタン錠で施錠や解錠が可能だ。電気配線工事が不要なため、本体は比較的安価に導入できる。本体価格は10ボックス程度で40万~60万円、設置費用は約10万円だ。ランニングコストは、故障した場合にのみかかる。ちなみにダイヤル式の簡易タイプであれば、オーナー自身での設置も可能だ。

  • 電子式宅配ボックス
    電子式宅配ボックスは、電気を使用してコンピューターで制御する仕組みであり、利便性や防犯性に優れているのが特徴だ。ただし、電気配線が必要になる分、ダイヤル式よりも工事費用は高い。また、ランニングコストもかかる。

本体価格は10ボックス程度80万~100万円、設置費用は10万円以上だ。電気配線工事費用も発生するため、専門業者に取り付けを依頼することになる。ランニングコストは月額5,000~1万5,000円程度だ。

すぐできる空室対策アイデア

人気設備を導入するには、当然手間と費用がかかる。ここでは、すぐにできる空室対策アイデアを紹介する。

・初期にかかるコストを減額する
・フリーレントを導入する

初期にかかるコストを減額する

1つ目は、初期にかかるコストを減額する方法だ。具体的には、敷金・礼金を0円にしたり初期費用や家賃のカード払いを許可したりする方法などがある。敷金・礼金を0円にすれば、借主の初期費用が抑えられるため、競合物件との差別化も図れる。カード払いも借主にとってポイントが貯まったり、振り込み忘れを防止できたりする点でメリットが大きい。 ただし礼金が0円になれば、当然オーナーの収入が減る。カード払いも入居者がカードを利用して支払いを行う場合、オーナーや管理会社側が決済手数料の負担者となることが多いため、その点にも注意したい。

フリーレントを導入する

2つ目は、フリーレントの導入だ。フリーレントとは、一定期間の家賃を無料にする契約形態のこと。入居してから1ヵ月分の家賃を無料にする方法が一般的である。毎月の家賃を下げることなく、一定期間の家賃収入のみ得られなくなるため収益への影響が考慮しやすい。ただし1ヵ月という短い期間でも家賃収入を得られないことに変わりはないため、注意が必要だ。

やってはいけない空室対策

ここでは、やってはいけない空室対策を紹介する。

事前にやってはいけない空室対策を知ることで、適切な対策が行えるだろう。

家賃を値下げしすぎる

1つ目は、家賃を値下げしすぎることだ。家賃の値下げをしすぎると、収益に悪影響を及ぼす可能性がある。仮に家賃を市場価格よりも大幅に下げてしまうとオーナーの収入が減少し、将来的な投資やメンテナンス費用を支払う際に支障をきたす可能性がある。

また一度家賃の値下げをしてしまった場合、再度家賃を上げるのは難しくなってしまう。そのため市場動向や競合物件の家賃を把握しながら適正な家賃価格の設定が重要だ。

入居条件のハードルを下げすぎる

2つ目は、入居条件のハードルを下げすぎることだ。例えば、保証人不要にした場合、入居者が見つかったとしても家賃滞納を頻繁に起こすなど質が落ちてしまう恐れがある。入居条件のハードルを下げることによって入居者の質が下がればゴミ出しのルールを守らなかったり隣人とトラブルを起こしたりするリスクも高まる。そうなれば、最終的に自分の責任につながってしまう。

そのため入居条件を適切に設定することで望ましい入居者を選び、トラブルを事前に回避することが必要だ。入居条件は、入居者の信用性や安定した家賃収入の確保のために適切な設定が求められる。

行きすぎたリノベーションやリフォーム

3つ目は、行きすぎたリノベーションやリフォームだ。行きすぎたリノベーションやリフォームは、工事費用の回収に時間がかかったり予算がオーバーランしたりするなどのリスクがある。小規模修繕は、入居者の満足度アップにつながるため、家賃の引き上げにも貢献が期待できるだろう。

しかし、室内の間取りを変えたり、水回り設備をすべて交換したりして新築同様にした場合でも、それが適切な範囲を超えたもので入居者のニーズに合わなければ空室率が高まる可能性もある。リノベーションやリフォームを行う場合は、適切な範囲と費用の見極めが重要だ。

空室対策が重要な理由とは?

空室対策が重要な理由は、物件の空室状態が続けばオーナーの収入が減ってしまうからだ。オーナーの収入源は、入居者からの家賃収入であるため、空室対策は必須であるといえる。具体的には、リフォームやリノベーションを実施して、人気の設備を導入しながら物件の付加価値を高めていく方法がある。

お金や手間はかかるが、人気設備の導入を行うことで空室対策への効果が期待できる。すぐにできる空室対策アイデアを参考にしたうえで、自分の状況にあった空室対策を選んでもらいたい。ただし、簡単に導入できるからといって家賃の大幅値下げや入居条件の変更、行きすぎたリノベーションやリフォームなどは注意が必要だ。

(提供:manabu不動産投資

- コラムに関する注意事項 -

本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。
当社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づきますが、その正確性や確実性を保証するものではありません。
外部執筆者の方に本コラムを執筆いただいていますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。
本コラムの記載内容は、予告なしに変更されることがあります。