フィンテックは、金融業界を大きく変革し、新たなビジネスチャンスを生み出している。その全貌を理解することで、自社のビジネスにどのように活かすべきかが見えてくるだろう。フィンテックとは何か、その現状と未来、成功事例から見えてくる可能性について解説する。
フィンテックとは
フィンテックとは、金融業界と最新のIT技術が融合した新たなビジネス領域を指す。まずは、フィンテックの基本概念や歴史、主な領域と技術について見ていこう。
フィンテックの定義
フィンテックとは、金融(Financial)と技術(Technology)を組み合わせた造語で新しいビジネスモデルを指す。つまり、お金に関わる業務を最新のIT技術を使ってより便利で効率的に行うための方法やサービスのことだ。
フィンテックには、スマホで簡単に決済できるサービスや、AI(人工知能)を使って最適な投資をアドバイスするサービス、暗号資産(仮想通貨)という新しいお金の形など、さまざまな技術やサービスが含まれる。
フィンテックの歴史と現状
フィンテックという言葉が使われ始めたのは2000年代前半と言われている。初期のフィンテックは、オンラインで銀行の口座を見たり、クレジットカードでネットショッピングをしたりするなど、現代では当たり前のサービスが主流だった。しかし、スマートフォンが普及し、AIやブロックチェーンといった新しい技術が進化するにつれて、フィンテックも大きく発展してきた。
2023年時点では、スマホ一つで銀行の窓口と変わらないサービスの利用ができたり、AIが自動で最適な投資を選んでくれたりするサービスが珍しくなくなっている。
フィンテックの主な領域と技術
フィンテックの領域は非常に広く、お金に関わるあらゆる業務が対象となる。フィンテックサービスを把握するために、株式会社レタドールが2019年に発表したカオスマップを確認しよう。
スマホで簡単に決済できる「モバイル決済」は、決済ペイ・送金分野に分類される。AIが投資のアドバイスをしてくれる「ロボアドバイザー」、新しい形のお金である「暗号資産(仮想通貨)」を扱えるGMOコインなどもフィンテックサービスの一つだ。
これらのサービスを支える技術としては、AI(人工知能)やブロックチェーン、ビッグデータ分析、クラウドコンピューティングなどが活用されている。さまざまな技術を活用することで、従来の金融サービスがより便利で効率的に、そしてより安全になっている。