フィンテックは、金融業界を大きく変革し、新たなビジネスチャンスを生み出している。その全貌を理解することで、自社のビジネスにどのように活かすべきかが見えてくるだろう。フィンテックとは何か、その現状と未来、成功事例から見えてくる可能性について解説する。

目次

  1. フィンテックとは
    1. フィンテックの定義
    2. フィンテックの歴史と現状
    3. フィンテックの主な領域と技術
  2. 国内外の代表的なフィンテック企業とその特徴
    1. 世界のフィンテック企業ランキング
    2. 日本の代表的なフィンテック企業
    3. ランキング上位企業の特徴と成功要因
  3. フィンテックがもたらす金融業界の変革
    1. 金融機関とフィンテック企業:競争と協調
    2. フィンテックによる新しい金融サービスの例
    3. フィンテックの利点と挑戦
  4. フィンテックの今後の展望と予測
    1. フィンテックの市場拡大と成長予測
    2. フィンテックが引き続き注目される理由
    3. フィンテックの未来:次世代の金融システム
  5. フィンテックの成功事例
    1. 国内外のフィンテック成功事例
    2. 成功事例から見るフィンテックの有効性
    3. 成功事例を通じて見るフィンテックの可能性
  6. フィンテックの導入と活用に向けて
    1. フィンテックを活用するためのステップ
    2. フィンテック導入時の課題と解決策
    3. フィンテックの取り組みを始めるためのアドバイス
フィンテックとは? 定義や歴史、導入と活用について簡単に解説
(画像=Tierney/stock.adobe.com)

フィンテックとは

フィンテックとは、金融業界と最新のIT技術が融合した新たなビジネス領域を指す。まずは、フィンテックの基本概念や歴史、主な領域と技術について見ていこう。

フィンテックの定義

フィンテックとは、金融(Financial)と技術(Technology)を組み合わせた造語で新しいビジネスモデルを指す。つまり、お金に関わる業務を最新のIT技術を使ってより便利で効率的に行うための方法やサービスのことだ。

フィンテックには、スマホで簡単に決済できるサービスや、AI(人工知能)を使って最適な投資をアドバイスするサービス、暗号資産(仮想通貨)という新しいお金の形など、さまざまな技術やサービスが含まれる。

フィンテックの歴史と現状

フィンテックという言葉が使われ始めたのは2000年代前半と言われている。初期のフィンテックは、オンラインで銀行の口座を見たり、クレジットカードでネットショッピングをしたりするなど、現代では当たり前のサービスが主流だった。しかし、スマートフォンが普及し、AIやブロックチェーンといった新しい技術が進化するにつれて、フィンテックも大きく発展してきた。

2023年時点では、スマホ一つで銀行の窓口と変わらないサービスの利用ができたり、AIが自動で最適な投資を選んでくれたりするサービスが珍しくなくなっている。

フィンテックの主な領域と技術

フィンテックの領域は非常に広く、お金に関わるあらゆる業務が対象となる。フィンテックサービスを把握するために、株式会社レタドールが2019年に発表したカオスマップを確認しよう。

「FinTech(フィンテック)企業カオスマップ2019」株式会社レタドール
(画像=「FinTech(フィンテック)企業カオスマップ2019」株式会社レタドール)

スマホで簡単に決済できる「モバイル決済」は、決済ペイ・送金分野に分類される。AIが投資のアドバイスをしてくれる「ロボアドバイザー」、新しい形のお金である「暗号資産(仮想通貨)」を扱えるGMOコインなどもフィンテックサービスの一つだ。

これらのサービスを支える技術としては、AI(人工知能)やブロックチェーン、ビッグデータ分析、クラウドコンピューティングなどが活用されている。さまざまな技術を活用することで、従来の金融サービスがより便利で効率的に、そしてより安全になっている。