この記事は2023年8月30日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=RaduRazvan/stock.adobe.com)

2023年8月30日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

先週のジャクソンホール会議では、パウエルFRB議長が追加利上げに言及した一方、植田日銀総裁は金融緩和継続をアピールした。目新しい内容はないものの、改めて日米金利差を背景にしたドル高・円安の構図が正当化されるだろう。

一方、先週発表の欧州圏PMIは仏独欧英全てで、製造・サービス共に景気の分岐点50を下回るネガティブな結果となった。欧州は景況感の悪化から、利上げ停止議論が活発化、また英国は利上げ確度こそ高いものの、経済がそれに耐えうるのか市場は疑心暗鬼になっている。

このほか、中国の不動産リスクによるオセアニア通貨への逆風などを踏まえると、相対的にドルが選好されるシナリオが第一感だ。米ドル/円は150円も射程に捉える中で今週は米指標ラッシュ、週末には雇用統計が控え燃料は十分かもしれない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ジャクソンホール会議を通過したことでここから先は積極的にポジションをとる動きに期待している。次回9月FOMCに向け"データ次第"の内容を見極めたい思惑もあり、米指標への感度はとりわけ高いだろう。

米ドル/円は上目線がメインシナリオながら、イベントによる局所的な下押し、月末フローも含めた調整から大きく動きそうなため、深追いは避けたい。

また、9月1日(金)米雇用統計の事前予想は、NFPの増加ペースは引き続き減速、失業率は横ばい、平均時給は前年比でやや鈍化が見込まれる。結果次第ではあるが、大きく下がったところは拾い、上にトレンドが出るようであれば乗り遅れずについていきたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。