ビジョナリーHDとアマナが指定された「特設注意市場銘柄」とは?
(画像=「セブツー」より引用)

「メガネスーパー」の親会社であるビジョナリーホールディングス(東証スタンダード上場)が8月31日付けで「特設注意市場銘柄」(以下、特注銘柄)に指定された。これは、同社グループでは、疑義対象会社との取引については、同社元社長(星﨑尚彦氏)が手続きの責任者となっていたため、取引の妥当性、適正性について実質的に検証できる体制となっておらず、また、契約締結時の稟議その他の決裁プロセスに係る書面や業務ごとの見積書等が適切に保管されていないものが存在しており、事後的に取引の妥当性、適正性が適切に検証できない状況が生じていたことなどが特注銘柄指定の理由だ(以上、東京証券取引所上場部開示業務室による)。

特注銘柄に指定された上場会社は、1年経過後速やかに、内部管理体制の状況等について記載した「内部管理体制確認書」を提出することが義務づけられる。東証はこの確認書に基づき審査を行い、問題がない場合には指定解除を行う。しかし、この「確認書」が不十分な場合にはその後6カ月以内に「確認書」の再提出を義務づけ、これも不十分と東証が判定した場合には上場が廃止される。

現在、この「特注銘柄」に指定されているファッション&ライフスタイル関連企業には再三の不正会計のために有価証券報告書の提出が遅れたアマナ(東証グロース市場上場の広告ビジュアル制作企業)がリストアップ(7月4日)されている。

このビジョナリーHDとアマナはいずれも有価証券報告書の提出遅延から再三監理銘柄にも指定されている。言ってみれば、東証の「問題児」でもあるわけだが、内部管理体制の改善を急ぎ、マトモな企業になって欲しい。ビジョナリーHDでは、星﨑前社長の行為に関しては裁判で決着をつける方針だ。スーパーマン的なリーダーが外部から現れてそのリーダーに全権を与えてスピーディーに企業体質を良化させようとするとこうしたトラブルが起こりがちのようである。特に裁判を含め、ビジョナリーHDの動向が大いに注目される。