日本の三人組バンド「Lamp」を知っているだろうか。2000年に永井祐介、榊原香保里、染谷大陽の3人で結成された「Lamp」がいま、海外で人気爆発中である。
2020年には、松原みきの「真夜中のドア〜Stay With Me」(1979年発売)が海外のSNS上で人気となり、Spotifyのグローバルバイラルチャートで1位をとるなど、1970年代〜80年代のシティポップがリバイバルしているようだ。音楽サブスクリプションの普及によって、音楽に国境がなくなった今、海外の人気から日本の音楽を逆輸入のような形で知ることも少なくない。
今回紹介する「Lamp」もまた、海外からの逆輸入の一つと言えるだろう。2004年の「恋人へ」から2020年の「秋の惑星、ハートはナイトブルー」まで7枚のアルバムをリリースしているものの、日本国内では知る人ぞ知るバンドという位置付けであった「Lamp」であるが、2023年現在、Spotifyの月間リスナー数が200万人を越えたことでSNS上で話題となっている。
ボサノヴァやソウルをベースに様々なサウンドが織り交ぜられた、センチメンタルな曲風に、永井と榊原のツインボーカルが奏でる美しく切ないハーモニーが特徴的な「Lamp」は、以前から海外人気が高く、2018年にアジアツアーを行うなど着実に人気を伸ばしていたようだ。2008年にリリースされた「ゆめうつつ」はYoutube上で1,065万再生されており、コメントの大半が海外からのものである。また、通常のバンドではあまり見ることができない、ギターコード集や季刊誌を自主レーベルの「ボタニカルハウス」から発行しており、国内のコアなファンコミュニティが存在していることも魅力の一つだ。
メンバーの染谷は、「自分たちの音楽がモノとして消費されているような感覚もあるんだけど、多分自分たちの音楽はそれにも耐えられると思う。このまま更に時代を超えていきたい。そして今後もそういうものを作っていきたい」とSNS上で語っており、「Lamp」の特定の時代感をテーマにした楽曲は、現代のサブスクリプションの時代にぴったり合うように感じられる。
現在、2020年の「秋の惑星、ハートはナイトブルー」から3年ぶりとなる最新アルバムを製作中であるという「Lamp」の今後に注目だ。