本記事は、堀大輔氏の著書『うまくいく人の睡眠の法則』(総合法令出版)から一部を抜粋・編集しています。
「疲れで頭がぼんやりする」のウソ
運動不足になりがちな現代社会において、疲労で眠くなることは、理論上ほとんどありません。
「疲労ではないのなら、夜にグッタリするほどの眠気が襲ってくるのはなぜだろう?」と思われるかもしれません。
これは、感覚神経や刺激に対する感度が低下していることにより発生する眠気が原因です。
人は1日にたくさんの刺激を受けているため、夜になる頃には刺激に対する感覚が麻痺してしまいます。朝や昼と同じような感覚ではなくなってしまうのです。
あなたはいつも朝食に何を食べますか?
ご飯とお味噌汁を食べる人がいるかもしれませんし、トーストとスープの人もいるかもしれません。何も食べないという人もいるでしょう。ハムエッグなどにも〝モーニング〟のイメージを持つ人が多いかと思います。
しかし、夜に朝食で食べるような食事を摂ると、非常に物足りない気持ちになるのではないでしょうか?
朝は軽く食べて、夜は肉や魚、またアルコールといった〝しっかりとした食事〟を摂ることが多いように感じます。
これは、多くの刺激を受けて感覚が麻痺してしまったため、刺激的なもの、食感が強いものを求めてしまうのだと考えられています。
健康にいいかどうかで考えると、決していいとは言えません。
「朝と夜で感覚が全く違う」と実感できない人もいるかもしれません。
私のセミナーの受講生さんにも多いのですが、これは、既存の価値観や先入観で思考が強く固定されてしまっている人に多い状態です。
今この瞬間の自分の状態が、いつまでも続くように思ってしまいがちですが、身体の状態は、刻一刻と変化しています。
色のグラデーションの端と端は全く違う色になっているように、あなた自身も朝から夜にかけて徐々に変化していますから、夜になった頃には全くの別人と言えるほどに変化しているときもあるのです。
刺激を記憶しリフレッシュするための睡眠
仕事や学業を終えて帰宅したときや、何か活動した後に眠くなるのは、決して疲労のためではありません。
今日1日の出来事やたくさん受けた刺激を、脳が記憶しようとするためです。
起きて活動している間に受けた刺激を記憶するため、眠気を発生させて睡眠に誘導しているのです。ちなみに、記憶の強化に長時間の睡眠は必要ありません。
疲労による眠気ではなく、刺激を記憶し、リフレッシュするための眠気なのです。
さらにこの眠気の特徴は、少しだけ仮眠をとろうとしても、うまくいかないことが多くなります。入眠後すぐに筋肉が緩んでしまうため、数分後に起きようとしても起きられず、気づけば2~3時間ほど経過してしまいます。これは、「泥のように眠る」と表現されるような状況となってしまうため、疲労が蓄積して眠くなるのだと認識されてしまうことに繋がります。
眠った後の感覚も、筋肉が弛緩した睡眠は、睡眠物質の除去効率が高いことから、非常にスッキリし、「睡眠=疲労回復」のイメージを持ってしまうのです。
GAHAKU株式会社代表取締役、社団法人日本ショートスリーパー育成協会代表理事。1日平均45分以下睡眠のショートスリーパー。
社会人1年目からさまざまな仕事や趣味に没頭し、1日8時間睡眠では活動時間が足りないことからショートスリーパーになることを決意。7年もの歳月をかけて独学で睡眠の研究をし、25歳のときに独自の短眠理論「Nature sleep」を構築し、カリキュラムを開発。このカリキュラムによってショートスリーパーになった受講生は1,000人以上、成功率は99%を超える。
現在では、短眠カリキュラムを伝えるスクールの代表のほか、トリリンガル幼稚園のカリキュラム顧問など、教育の現場でも幅広く活動している。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。