本記事は、堀大輔氏の著書『うまくいく人の睡眠の法則』(総合法令出版)から一部を抜粋・編集しています。

眠気
(画像=crizzystudio / stock.adobe.com)

会議や打合せの最中に眠くなったとき

基本的に眠気が出た場合、対処法では手が限られてしまいます。

会議での眠気を抑えるためには、まずは会議に能動的な要素を入れることが重要です。会議室のセッティングや率先したお茶くみ、議事録を取るなど、退屈にならない工夫をすることが大切です。

会議で発生する眠気は退屈と受動的な眠気の要素が強く、会議に価値を感じていない、自分が会議に参加する意味がわからないときなどに発生します。これは、先生や親から掃除を頼まれたときなども一緒で、何かをやらされるとき、人はネガティブな感情と、刺激自体を感じられなくなります。

脳研究者で東京大学薬学部の池谷裕二教授の行った有名な実験で、ネズミのひげに物を当てたときの脳波と、ネズミが自分からものに髭を当てたときの脳波では、後者のほうが10倍も強く出るという実験があります。

自分も重要な発表をしなければいけない会議であれば、眠気は発生しません。これは、適度な刺激があるためです。新人の方など、発言権がない方は、自分以外の人に視野を広げて、相手がどのような意図で発言しているのかを考えることも眠気に対して有効です。さらに議事録を自主的にとって、他の方に見せるなど、精神論ではなく実際に行動を伴うと、脳への刺激量が増加するので、非常にオススメとなります。なお、私はタイピングが得意なんですが、会議のときのすべての発言をメモするという目標の元、タイピングを行っていました。もちろん眠気が出たことはほとんどありません。

会議中の3秒スイッチストレッチ


①ゆっくりと限界まで息を吐きます(身体中の空気を全て出す)
②1秒息を止めます
③背筋を伸ばしながら、1、2、3と深く息を吸い込みます(頭のてっぺんから足の先まで身体を風船のように膨らますイメージで吸う)

あなたは、人間が1日で行う呼吸の回数をご存知でしょうか? 安静に過ごしている人でも、22,000回以上の呼吸を行っていると言われています。1回1回の呼吸の精度を向上させることで、健康や集中力、快活な活動に対して非常にポジティブな効果を得られます。

3秒で深く息を吸い込むために、少し早めに息を吸うことが重要です。眠くなるときには、呼吸だけではなく、全ての動作がゆっくりになりがちなので、意識してスピード感のある行動をすることが、眠気解消に大きな効果を発揮します。

眠気の発生前には、呼吸が浅くなることが多いため、会議に入ったときに深呼吸をすることが眠気の抑制につながります。このとき、吸い込むことに一生懸命になりがちですが、実際に大切なのは〝吐くこと〟です。

ダイビングなども同じですが、息を吐くことがうまくなることで、吸うこともうまくできるようになります。肋骨を締めるような感覚で、背中や腰からも空気を吐き出すように息を吐くと、さらに深い呼吸ができるようになります。

大きな動きのない状態で、かつ自身の取り組みも少ない状況の会議では、呼吸や姿勢だけで大きく結果が変わります。

より会議に集中するためにも、眠気が発生する前に自分の体にごく簡単な「変化」をつくることが大切です。

『うまくいく人の睡眠の法則』より引用
(画像=『うまくいく人の睡眠の法則』より引用)
=うまくいく人の睡眠の法則
堀 大輔
1983年生まれ、兵庫県尼崎市出身。
GAHAKU株式会社代表取締役、社団法人日本ショートスリーパー育成協会代表理事。1日平均45分以下睡眠のショートスリーパー。
社会人1年目からさまざまな仕事や趣味に没頭し、1日8時間睡眠では活動時間が足りないことからショートスリーパーになることを決意。7年もの歳月をかけて独学で睡眠の研究をし、25歳のときに独自の短眠理論「Nature sleep」を構築し、カリキュラムを開発。このカリキュラムによってショートスリーパーになった受講生は1,000人以上、成功率は99%を超える。
現在では、短眠カリキュラムを伝えるスクールの代表のほか、トリリンガル幼稚園のカリキュラム顧問など、教育の現場でも幅広く活動している。

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