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2024年は新NISA元年ということもあって、資産運用に関心を持つ人が増えているようです。
これまで貯蓄しかしてこなかった人が資産運用にシフトするとなると気になるのはリスクでしょう。
大切なお金をリスクにさらすのですから「お金は増やしたいが失敗はしたくない」というのが多くの人に共通する本音だと思います。
当記事では、資産運用に対してこのような考えをお持ちの方々に向けて5つのおすすめを厳選し、ランキング形式で紹介します。
おすすめの資産運用ランキングBEST5
最初におすすめの資産運用BEST5を簡単に紹介し、次章からそれぞれの運用方法について詳しく解説します。
第1位 インデックス型投資信託・ETF
おすすめランキングの第1位は、インデックス型投資信託やETFへの投資です。
金融市場で利用されているさまざまな指数と連動する投資信託やETF(上場投資信託)への投資は分散性が高く、長期的な経済成長を資産形成につなげられる点が魅力です。
2024年1月から始まった新NISAでは、インデックス型投資信託も対象商品となっています。
運用益が非課税になる分だけリターンが大きくなるため、新NISAで資産運用を始めた人にもインデックス型投資信託は人気があります。
第2位 不動産小口化商品
不動産投資は不動産物件の裏づけがあるため安定性があり、比較的低リスクであることが魅力です。
しかしながら、アパートやマンションを購入するとなると初期投資額が大きいため、実際に始めるとなると高いハードルが立ちはだかります。
この問題を解決できるのが、不動産小口化商品です。高額になりがちな不動産を小口化して投資家に販売するもので、商品によっては数万円から始められるものもあります。
小口化商品には、投資家が不動産の権利を所有する形態によってさまざまな種類があります。
REITや不動産クラウドファンディング、区分オフィス投資などがありますが、これらについては後述します。
第3位 高配当株、高配当ETF
数ある株式銘柄の中で配当利回りが高い銘柄のことを、高配当株といいます。高配当株を保有していると配当収入を得られるため、定期的な不労所得になります。
配当利回りが高い銘柄を中心に「詰め合わせパック」にしたものが高配当ETFです。
個別銘柄を保有するよりもリスクの分散効果があるため、長期保有で安定収入を狙う際はETFもおすすめです。
第4位 J-REIT
REITとは不動産投資信託のことで、小口化された商品の一種です。投資家から集めた資金で不動産を運用し、その運用益を分配します。
REITの中で東京証券取引所に上場している銘柄群をJ-REITといいます。
2023年12月時点で58銘柄が上場しており、「住居特化型」「オフィスビル特化型」「ホテル特化型」など特定分野の不動産に特化した銘柄がある一方で、複合型や総合型といった複数分野の不動産を組み込んで運用している銘柄もあります。
数万円で買える銘柄もあるので、「少額から不動産投資のメリットを得たい」という人に向いています。
第5位 個人向け国債
第5位は個人向け国債です。日本政府が発行している債券で、元本保証であることが最大の特徴です。
元本保証であるがゆえに利回りは低いため、あくまでも資産運用ポートフォリオ(組み合わせ)の一部として組み込むのがよいでしょう。
インデックス型投資信託・ETFについて詳しく解説
資産運用おすすめランキングの第1位であるインデックス型投資信託とETFについて、詳しく解説します。
1. インデックス投資とは
「インデックス」は「指数」という意味です。金融市場には、それぞれの市場の動向を示す指数があります。
東京株式市場であれば日経平均株価やTOPIX、米国の株式市場であればニューヨークダウ平均株価やS &P500、ナスダック100指数などがあります。
これらの指数と連動するように運用されている投資信託、もしくはETF(上場投資信託)への投資をインデックス投資といいます。
2.インデックス投資をおすすめする理由
インデックス投資をおすすめする主な理由は、2つあります。1つ目は、資産運用では基本中の基本といえるリスクの分散を手軽に実践できることです。
日本でおなじみの株価指数である日経平均株価は、日本を代表する225銘柄で構成されています。
同指数と連動する投資信託を買うと、この225銘柄に分散投資をしているのと同様の効果を得られます。
個人投資家が自分で225銘柄を買い揃えるのは難しいですが、インデックス投資だとそれを手軽に実践できます。
2つ目は長期的な経済成長との連動性です。世界は長期的に緩やかな経済成長を続けており、それは株式市場にも反映されています。
株式市場全体の成長は、それぞれの市場の株価指数にも反映されます。特に米国のS&P500は、長期にわたって米国の経済成長を反映するように右肩上がりで推移しています。
一時的な下落があっても回復し、2024年2月にはついに5,000ポイントの大台を突破しました。
仮にS&P500が2,000ポイント未満の頃に買っていた人がそのまま保有していたとすると、資産が2.5倍になっていたことになります。
2024年1月から始まった新NISAでもインデックス投資を志向する人が多く、通称「オルカン」とも呼ばれる全世界型のインデックス投資信託に1ヵ月で3,400億円もの資金が流入したとの報道もありました。
3.インデックス投資の代表的商品
インデックス型投資信託には、実に多くの商品があります。ここでは、その中でも人気や知名度が高いものを紹介します。
銘柄名 | 連動している株価指数 |
---|---|
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 日経平均株価 |
ニッセイTOPIXインデックスファンド | TOPIX |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | S&P500 |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | ナスダック100指数 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
これらはいずれも非上場の投資信託で、新NISAでも購入できます。
同じ性質の商品がETFとして東京証券取引所にも上場しているので、ETFを利用してインデックス投資を行うこともできます。
4.インデックス投資の始め方
インデックス投資は、前項で紹介したようなインデックス型投資信託や、同じ性質の商品であるETFを証券会社の口座を通じて購入するだけで始められます。
非上場の投資信託については証券会社以外でも購入できますが、手数料や選択肢の広さという意味でネット証券を利用することをおすすめします。
不動産小口化商品について詳しく解説
おすすめランキングの第2位である不動産小口化商品は、少額から不動産投資のメリットを得られることが魅力です。
投資商品としての基礎知識や主な商品、始め方について解説します。
1.不動産小口化商品とは
初期投資額が大きくなりがちな不動産を小口化した商品を、不動産小口化商品といいます。
すでに解説したように、REITや不動産クラウドファンディング、区分オフィス投資など、さまざまな商品があります。
2.不動産小口化商品をおすすめする理由
アパートやマンションといった収益物件を所有する現物不動産投資は、家賃収入という不労所得を安定的に得られるため、老後の自分年金づくりとして参入する人も少なくありません。
「サラリーマン大家」という言葉もあるように、標準的な収入クラスの人であっても不動産投資に参入する人が多いのは、比較的低リスクでありながら安定的に高利回りを期待できることなど、多くのメリットがあるからです。
しかし、ネックになるのが初期投資額の大きさです。東京の優良物件となると億単位の買い物になることもあるため、個人投資家にとっては高いハードルとなります。
不動産小口化商品は厳選した優良物件を小口化しているため、少額から不動産投資のメリットを得られるとあって、個人投資家にも人気があります。
3.不動産小口化商品の代表的な商品
東京証券取引所に上場しているJ-REITを始め、REITは多くの銘柄があります。
また、不動産クラウドファンディングといって投資家から集めた資金で不動産を運用し、運用終了時に利益を分配する商品もあります。
そして近年注目を浴びているのが、オフィスビルを小口化した商品です。ACN不動産の「Aシェア」や、ボルテックスの「Vシェア」が有名です。
例えば「Aシェア」は1口100万円で5口から投資可能なので、500万円から東京の優良オフィスビルに投資できます。
4.不動産小口化商品の始め方
先ほど紹介した区分オフィス投資投資は特におすすめなので、「Aシェア」を例に始め方を解説します。
「Aシェア」の公式サイトにある始め方のフローは、以下のとおりです。
公式サイトに募集中のオフィスビルの情報が掲載されているので、投資したい案件について問い合わせ、必要書類を作成した上で出資をすると運用が始まります。
分配金は年に2回支払われるので、運用が始まったら後は分配金の入金をチェックするだけです。
高配当株、高配当ETFについて詳しく解説
配当利回りが高い銘柄を保有し、配当金(分配金)収入を狙うのが高配当株と高配当ETF投資です。
長期保有を前提にしているため値上がり益(キャピタルゲイン)ではなく、配当金や分配金といったインカムゲインが収入源となります。
1.高配当株、高配当ETFをおすすめする理由
株式やETFの配当は不労収入なので、資産形成だけでなく老後の収入源確保という意味でもおすすめです。
高配当株や高配当ETFの利回りは3~5%程度なので、仮に1,000万円の運用資金があれば年間30万~50万円程度の収入になります。
米国は配当性向の強い企業が多く、連続増配を続けている高配当銘柄は「配当貴族」と呼ばれ、こうした銘柄を活用して資産を運用している人も多くいます。
ちなみに、日本で最も長く連続増配を続けているのは花王で、2022年度時点で33期連続増配を実現しています。
高配当ETFはこうした高配当銘柄の「詰め合わせパック」なので、高配当でありながら分散性に優れており、リスクを抑えながら長期で保有するのに適しています。
2.高配当株、高配当ETFの代表的な銘柄
配当狙いの投資に適している代表的な個別銘柄とETFを紹介します。
銘柄名 | 国籍 | 概要 |
---|---|---|
花王 | 日本 | 30年以上連続増配中 |
JT | 日本 | 7%台の配当利回りで人気 |
NEXT FUNDS日本株高配当70ETF | 日本 | 日本の主要銘柄のうち高配当70銘柄を組み込む |
プロクター・アンド・ギャンブル | 米国 | 「P&G」でおなじみの日用品メーカーで60年以上連続増配中 |
スリーエム | 米国 | 世界的な化学メーカーで60年以上連続増配中 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | 米国 | ヘルスケアメーカー大手で60年以上連続増配中 |
バンガード・ハイディビデンド・イールドETF | 米国 | 米国を代表する高配当ETF。主要な450銘柄で構成されており分散性も高い |
SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF | 米国 | S&P500構成銘柄のうち配当利回りの上位80銘柄で構成 |
3.高配当株、高配当ETFへの投資の始め方
高配当株や高配当ETFへの投資は、証券会社の口座を通じて購入し持っておくだけなのでとても簡単です。
しかも値上がり益を狙うものではないため、購入後に価格変動をあまり気にする必要がありません。
J-REITについて詳しく解説
REITの中でも上場していることから手軽に売買ができ、知名度も高J-REITについて概要や投資方法を解説します。
1.J-REITをおすすめする理由
J-REITは不動産投資信託なので、間接的に不動産へ投資できる商品です。
J-REITは上場しているため、株式と同様に手軽に売買ができます。銘柄によって価格は異なりますが、安いものだと4万~5万円程度で買えます。
手軽に買えるだけでなく手軽に売れるため、現金化したい時に時間がかからないのもメリットです。
J-REIT全体の分配金利回りは3~4%台で推移しており安定しています。上場していることから運用の透明性が高く、安心して購入できます。
2.おすすめのJ-REIT投資法
J-REITには、運用する物件の種類によってさまざまな種類があると述べました。
その種類によっては社会情勢や景気動向の影響を強く受けるため、こうした特性を理解していないとJ-REITの個別銘柄への投資は難しいかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、J-REIT全体の動向を示す指数である「東証REIT指数」への投資です。
東京証券取引所には東証REIT指数と連動するETFが上場しているので、これらのETFを購入するだけでJ-REIT市場全体(つまり日本のさまざまな種類の不動産全体)への投資効果を得られます。
その中でも「iシェアーズ・コア JリートETF」など、1口単位で買えるものは少額投資向きなのでJ-REIT投資におすすめです。
3.J-REIT投資の始め方
J-REITは上場しているので、株式と同じように売買ができます。証券会社の口座を通じて、J-REITの個別銘柄や東証REIT指数に連動するETFを購入できます。
J-REITもどちらかというと分配金収入狙いの商品なので、購入したら保有するだけで定期的に分配金収入を得られます。
個人向け国債について詳しく解説
おすすめランキングの第5位である個人向け国債は、ここで紹介した資産運用法の中で唯一元本保証です。
そのため失敗するリスクは低いですが、他の資産運用法と比べると利回りは低いので、運用資金の中でも「守り」に徹する性質の資金の運用に適しています。
1.個人向け国債をおすすめする理由
元本保証という圧倒的な安心感がある一方で、銀行預金の金利と比べると高いことが個人向け国債をおすすめする理由です。
例えば、みずほ銀行「スーパー定期」の金利は0.002%です(2024年2月時点)。一方、同時期に募集している第167回の個人向け国債「変動10」の金利は、0.49%です。
どちらも元本保証であることを考えると、個人向け国債のほうが有利に運用できることがわかります。
2.個人向け国債の買い方
個人向け国債は、銀行や郵便局などの金融機関、証券会社などで購入できます。
財務省の公式サイトに個人向け国債を買える金融機関を調べられるページがあるので、そちらで簡単に探すことができます。
個人向け国債は債券なので、買ったら償還まで持っておくだけです。
【リンク】財務省 取扱金融機関一覧
まとめ
それぞれの資産運用方法における運用対象は性質が異なるため、1つの運用方法に集中投資をせず、複数の運用方法を組み合わせて運用することをおすすめします。
資産運用には、運用で得られた利益を再投資することで加速度的に資産が増えていく複利効果があります。
複利効果は運用期間が長くなるほど大きくなる(つまりお金が増えやすい)ため、まずは少額からでもできることから始めてみてはいかがでしょうか。
(提供:ACNコラム)