資産運用の相談先5選と失敗しないための事前準備と比較検討の方法
(画像=vectorizer88/stock.adobe.com)

目次

  1. 資産運用の相談ができる窓口5つ
  2. 資産運用を相談する際の事前準備
  3. 相談時のチェックポイント5つ
  4. 資産運用を相談するおすすめの窓口4つ
  5. まとめ

資産運用を始めたばかりの初心者、もしくはこれまで経験がまったくない人にとって、「誰に相談するか」は極めて重要な問題です。

相談する相手によって選択肢は大きく変わるでしょうし、実際の運用方針にも影響を与えるからです。
相談先によって、成否が分かれる可能性もあります。

では、資産運用のことは誰に相談するのがよいのでしょうか。相談を受け付けている主な窓口を紹介し、事前準備や相談時のチェックポイントなどについて解説します。

これから資産運用を始めようとお考えの方も多いと思いますので、初心者が相談をするという前提で解説を進めていきます。

資産運用の相談ができる窓口5つ

「資産運用の相談窓口」というと、銀行などの金融機関を想像する方が多いでしょう。

しかし、実際にはそれ以外にもさまざまな窓口があります。まずは、初心者の相談を受け付けている窓口を紹介します。

1.銀行・信用金庫:多くの金融機関は無料で相談を受け付け

多くの人が資産運用の相談窓口として思い浮かべるのは、銀行や信用金庫などの金融機関でしょう。

店舗に行くと資産運用の相談ができる窓口が目に入りますし、多くの金融機関は無料で相談を受け付けています。

個人の資産運用であれば、メガバンクよりも地方銀行や信用金庫など地域の金融機関のほうが、親身に相談に乗ってくれるでしょう。

2.保険会社:人生のリスク管理を踏まえた相談内容が主体

生命保険に加入している人であれば、営業マンや外交員に相談できます。また、ショッピングセンターやオフィス街などにある保険の相談窓口では、保険の比較を中心にお金の相談ができます。

ただし、保険は金融商品の一種ですが、資産運用をとする商品ではありません。よって、あくまでも人生のリスク管理を踏まえた相談内容が主体になります。

3.証券会社:相談だけでなく実際の資産運用でも深い関わりを持つ

証券会社も資産運用の窓口です。投資信託やETFなどの金融商品を購入する際は証券会社を利用することになるため、相談だけでなく実際の資産運用でも深い関わりを持つでしょう。

店舗に窓口を設けている証券会社がある一方で、ネット証券といって主にインターネット上でサービスを提供している証券会社の多くはオンラインの相談窓口を設けており、中には無料のオンラインセミナーを開催しているところもあります。

4.IFA: 独立した立場で資産運用やお金の相談を受け付けている専門家

IFAは「Independent Financial Advisor」の略で、独立系ファイナンシャルアドバイザーのことです。

特定の金融機関などに所属せず、独立した立場で資産運用やお金の相談を受け付けている専門家です。

開業しているIFAは独立した立場で資産運用の相談を受け付けているので、偏らない意見を聞けるというメリットがあります。

開業しているIFAは人事異動がないため、信頼できるIFAと出会うことができれば長い付き合いになるでしょう。ただしIFAも人間なので、相性や当たり外れは少なからずあります。

5.オンライン相談: 地方在住で近くに店舗型の相談窓口がない人で利用可能

インターネットの普及により、オンライン相談を受け付けるサービスが増えました。

先ほどネット証券のオンライン相談窓口を紹介しましたが、それ以外にもオンラインでの資産運用相談窓口を専門的に運営しているサービスがあります。

自宅に居ながら相談ができるため、地方に住んでいて近くに店舗型の相談窓口がない人でも、不利になることなくサービスを受けられます。

資産運用を相談する際の事前準備

資産運用の相談では、自分の資産状況も含めて個人情報を明かす必要があります。

それに抵抗がある方はいるでしょうし、相手がプロであるだけに「うまく言いくるめられて投資させられるのでは」との疑念を持つ方もいるでしょう。

そこで、資産運用の相談をする前にやっておくべき事前準備について解説します。

準備をしておくことで資産運用の相談に対する不安を払拭できますし、相談の時間がより有意義なものになります。

1.相談したいこと、目的を明確にしておく

せっかくの機会を有効に活用するためにも、相談したいことや資産運用の目的などを明確にしておくことをおすすめします。

そのほうが相談の論点を絞り込みやすく、より良い回答を得られるでしょう。事前に聞きたいことやわからないことをメモに書いて、持って行くとよいでしょう。

2.自分なりに勉強しておく

「何も知らないので専門家に教えてもらう」というスタンスでも構いませんが、まったく何も知らない状態で相談に行ったとしても、有意義な時間にはならないでしょう。

自分なりに勉強してみて、その上でわからないことを相談することをおすすめします。

また、何も知らない状態で相談に行くと「うまく言いくるめられるのでは」という疑念を払拭しにくくなります。

「投資とは?」といったレベルの知識は事前に勉強した上で相談に臨むと、相談の時間が実り多いものになるでしょう。

もちろん、人によっては「何がわからないのかもわからない」ということもあるでしょう。その場合は率直にそのことを伝えて、話に耳を傾ければ問題ありません。

3.可能な限り自分の状況を洗い出しておく

資産運用の相談なので、相談時にはお金周りの情報が必要です。

自分の年収や今後の収入の見通し、家族の状況、今後考えられるライフイベントや資金ニーズなど、情報が多ければ多いほど相談の内容がより具体的になります。

4.複数の相談先を見つけておく

資産運用の相談窓口は、たくさんあります。1つに絞り込む必要はなく、複数の相談窓口を利用しても問題ありません。

多様な意見から総合的に判断をするためにも、むしろ複数の相談先を見つけておくことをおすすめします。
医療機関にセカンドオピニオンがあるように、資産運用の相談にもセカンドオピニオンがあってもよいと思います。

特に資産運用の相談は得意分野が相手によって異なるため、可能であれば得意分野が異なる相談相手を探して、横断的に話を聞くとよいでしょう。

相談時のチェックポイント5つ

実際に資産運用の相談をして専門家から提案を受けたとしても、初心者はそれが正しいのか、相談内容が適切だったのかを判断できないかもしれません。

そこで、相談時のチェックポイントを5つ紹介します。相談時にこの5項目を意識すると、資産運用の方向性や投資商品などを検討しやすくなるはずです。

1.特定の金融商品と紐づいていないか

金融機関や投資会社などが行っている資産運用相談や無料セミナーなどは、その会社が売りたい商品に紐づいているケースがほとんどです。

例えば、不動産投資会社に相談したらマンション投資をすすめられる、銀行に相談したらその銀行が積極的に販売している投資信託をすすめられる、といった具合です。

そのような相談窓口を利用する場合は、特定の金融商品と紐づいていることを念頭に置いて相談に臨んでください。

2.自分のニーズに寄り添っているか

資産運用の目的は資産を増やすことですが、その目的や規模、方法は千差万別です。

同じ条件の人であっても好みの違いがあるので、資産運用の相談で得られた提案が自分のニーズに合致しているかどうかはわかりません。

こちらの相談内容に合わせて柔軟に提案をしてくれるのが理想ですが、一方的に提案さるようでは「相談」とは呼べず、満足度も低いでしょう。

3.自身にも投資経験があるか

相談を受け付けている担当者自身が投資を経験していること、もしくは現役の投資家であることは、とても重要です。

「そんなことは当然だ」と思うかもしれませんが、投資経験がない人が資産運用の相談窓口担当者になっていることもあります。

実際に資産運用を始めると、知識だけで知っていた世界とはまるで違うことがわかるでしょう。

このことを踏まえて、「資産運用相談の担当者自身も資産運用や投資を経験しているのか」を重要なチェック項目として挙げました。

このことは対面の相談だけでなく、ネット記事などで情報を収集する際も同様です。投資経験者の記事であるかどうかを確認した上で読むと、より実践的な知識を得られます。

4.選択肢の幅が広いか

資産運用の種類はとても多いため、相談者のニーズに合った選択肢を見つけやすいことはメリットといえます。

そこで重要になるのが、相談を受け付けている担当者の「引き出し」の数です。担当者が資産運用について幅広い知識を持っていれば、豊富な選択肢の中から最適な提案を受けられるでしょう。

逆に知識が乏しい担当者だと、どうしてもその担当者が知っている選択肢からの提案になってしまいます。

これは担当者の力量に直結する部分なので、広い視野に立って幅広い選択肢を提示してくれるかどうかを精査しましょう。

5.長期的なサポートが期待できるか

資産運用は長期目線で取り組むものです。

最初に相談をした時と、5年経過時と、10年経過時とでは相談者を取り巻く状況が変わっているでしょうし、それに合わせて資産運用の環境も変わっている可能性が高いでしょう。

このように時間が経過すると状況は変わるという前提のもと、資産運用の相談は継続的にできるのが理想です。

実際に運用を始めてからもサポートを受けたいと思うのであれば、なおさら長く付き合えるかどうかをチェックすることをおすすめします。

資産運用を相談するおすすめの窓口4つ

ここまでの解説をお読みになった方は、「結局どこに相談するのがベスト?」と思うかもしれません。そこで、数ある資産運用の相談窓口の中からおすすめの4つを厳選し紹介します。

幅広い提案が得られるかどうかを基準に、できるだけ中立的な立場で相談に乗ってくれる窓口を厳選しました。

1.金融機関・証券会社などの無料セミナー

2024年は新NISAがスタートしたこともあって、投資への関心が高まっています。それを受けて、金融機関や証券会社などは資産運用の無料セミナーなどを活発に開催しています。

特にネット証券を始めとする証券会社が配信しているオンラインセミナーは充実しており、対面の相談に行く前に知識を得ておく意味でも利用価値は高いといえるでしょう。

「いきなり対面の相談に行くのは抵抗がある」という人もいるでしょう。

オンラインセミナーの中にはそのような事情に配慮し、こちらに発言を求めず、カメラをオフにして受講できるものもあります。

このような配慮もあるので、オンラインでの無料セミナーであれば敷居が比較的低いのではないでしょうか。

もちろん、こちらから発言できるセミナーもあります。ほとんどのサービスは無料で利用できるので、大いに活用したいところです。

2.各社が提供しているオンライン無料相談

「資産運用の相談をしたい」というニーズは年々高まっており、ネット上ではこのニーズに応えるサービスが続々と登場しています。

その中にはオンライン無料相談に特化したサービスで、中立的かつ横断的な提案を期待できるものもあります。

これらのサービスも無料で利用できます。「ちょっと話を聞いてみよう」という感覚で利用しても問題ありません。

3.IFA

IFAは独立系ファイナンシャルアドバイザーとして活動している専門家です。

開業しているIFAはそれぞれの地域に密着して活動していることが多いため気軽に相談できますし、地域特性も考慮した提案も期待できます。

開業しているIFAは地場を拠点にしているケースが多いため、信頼関係を構築すれば長く付き合えるパートナーとなるでしょう。

IFAを探すにはネットが便利です。検索エンジンでIFAと地域名で検索するか、「IFAナビ」のようにIFA探しに特化したサービスを利用して探しましょう。

4.現役の投資家

番外編の相談先として「現役の投資家」も挙げたいと思います。

株式投資やFX、不動産など、それぞれの分野で活躍している現役投資家の中には、自身でブログや動画チャンネルを運営していたり、X(旧ツイッター)などのSNSで情報を発信していたりする人もいます。

ネットで個人的に情報を発信している投資家の中には、自身の成功体験を多くの人に広めようとしている人もいます。

そういった人に直接質問したり、交流したりできることがネットの良いところなので、気になる投資家を見つけたらアプローチをしてみましょう。本人からの生の回答をもらえるかもしれません。

この傾向は、株式投資やFX、不動産の分野に多く見られます。これらの投資に関心がある方は、ネット上で交流できるプロを探してみてはいかがでしょうか。

まとめ

「これから資産運用を始めてみたい」という方に向けて、資産運用の主な相談先や相談時に知っておくべきことを紹介し、解説しました。

大切なお金に関する相談だけに、必要以上に身構えたり、疑心暗鬼になったりする人もいるでしょう。それだけに、適切な相談窓口を選んで相談の時間を有意義なものにすることは重要です。

まずは、おすすめした相談窓口にアクセスしてみてはいかがでしょうか。

ただし、1つの窓口に絞り込むと偏った提案をうけるおそれがあるので、複数の相談窓口から多様な意見を聞き、それをもとに最終的な判断は自分でするようにしましょう。

(提供:ACNコラム