定年後の資産運用ランキングベスト5!老後生活に余裕を生むための3大原則
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目次

  1. 定年後の資産運用方法人気ランキングベスト5!
  2. 定年後の資産運用で老後生活に余裕を生むための3大原則
  3. 定年後の資産運用で「やってはいけない」3つのこと
  4. 定年後の資産運用で注意しておくべき4つのポイント
  5. まとめ

年金だけでは老後に2,000万円が不足すると指摘した金融審議会の報告書(2019年)が「老後2,000万問題」として、話題になったことは記憶に新しいかもしれません。

特に定年が視野に入った年代にとっては、「大変だ、何とかしなければ!」と思いつつ、何をすれば正解なのかがわからずにいた方も多いのではないでしょうか。

定年を意識しはじめた年代からの資産作りは、大きな失敗が許されない分、若いころとは商品選択も違います。

本記事では、定年後に余裕のある暮らしをするための、今からできる資産形成について解説します。あわせて多くの中高年が選んでいる人気のある投資方法のランキングも紹介します。

定年後の資産運用方法人気ランキングベスト5!

本章では、定年後のことを想定している年代向けに人気のある資産運用方法を5つにまとめました。

どれも値動きが小さく、運用コストは低めのため、いざというときに現金化しやすい商品です。具体的な商品は、口座開設している金融機関にあるものを選ぶことになります。

1.投資信託

投資信託とは、たくさんの投資家から集めたお金を一つにまとめ、それを運用の専門家が株式や債券などに投資・運用をする金融商品のことです。運用成果は、投資家の投資額に応じて還元・分配されます。

投資信託の一番の魅力は、入り口のハードルの低さです。例えば1口100円からの投資信託もあるため、投資がはじめての方、若い頃に投資で苦い経験をした方などでも、様子を見ながら少しずつスタートできます。

100円、500円などの少額でも、その商品の運用は専門家が行ってもらえるため、安心です。

資産運用を自分で行う場合は、ある程度の専門知識や情報分析をしたり、売買のタイミングを判断したりする必要があります。しかし投資信託であれば、プロにお任せできるため、高度な投資知識は不要です。

投資信託の商品は、投資信託会社が作り、それを金融機関が販売します。投資家から集められたお金は、信託銀行に預けられ、信託銀行は自社の資産とは別に管理保管をすることがルールです。

投資信託は「投資」のため、元本割れするリスクがあります。一般的に利率の高さとリスクの高さは、比例傾向です。しかし預けたお金に関しては、投資信託を販売した金融機関がデフォルトになっても信託銀行によって守られているため、運用以外の理由では元本が消失しないという特徴があります。

参考:一般社団法人 投資信託協会 そもそも投資信託とは?
参考:金融庁「貯める・増やす」~資産形成

2.積立タイプの投資信託

積立タイプの投資信託とは、毎月一定額の投資信託を長期間にわたって購入し続ける投資方法のことです。

はじめに自分で選んだ投資信託商品を買い続けるだけのため、投資初心者でもすぐにはじめることができます。

「積み立て」と聞くと、貯金や定額預金のようなイメージがあるかもしれません。しかし同じようにお金をどこかに置いておくのであれば、預金口座よりも積立投資のほうが将来のための備えになります。

例えば月3万円の積立投資を20年続けた場合、年率3.2%以上あれば20年後に約1,000万円が貯まることになります。

定年後の資産形成を考えると、例えば定年間際の55歳くらいで積み立てを開始しても、後期高齢者になる75歳で新たな老後資産1,000万円の確保が期待できます。

毎月一定額の積み立てにしているからこそ、年収の増減や収入源の変化とは関係なく、引き続き同じペースで将来のための備えが可能です。

できる範囲の積立額だからこそ、定年後の再雇用や年金生活になっても続けられます。またNISAのような投資利益に対する非課税枠がある制度も活用すれば、税金の心配をせずに安心して資産を増やすことが期待できるでしょう。

参考:金融庁 NISA

3.個人国債

国債とは、国が発行する有価証券のことです。日本国が発行しているものは日本国債、米国が発行したものが米国債です。

国債を発行した国は、集めたお金を使ってその国の公共事業などを行い、償還日にそのお金と配当分を返します。

運用期間は、短期から長期まで、かなりの幅があるのが特徴です。例えば個人向け国債の3年や5年タイプの短期国債は、固定金利が多いので、期間が短くても安心感のある投資先といえます。

国債では、預金のような元本保証をしているわけではありません。しかし国がデフォルトをしない限り投資額は戻ってくるため、「ほぼ元本保証」といっても良い商品です。利率が低くても、格付けの高い国であれば安心して運用できるでしょう。

2024年3月時点では、日本国債よりも外国債のほうが利率は高めです。しかし外国債の場合は、為替変動リスクがあるため、償還や解約のタイミングによっては額面通りの金額が戻ってこない可能性もあります。

日本国債に関しては、国債の利率・途中で解約した場合の想定したシミュレーションが可能です。財務省サイトの個人向け国債シミュレーションを使えば、自分の預けたお金が将来どのように増えていくかがわかります。

参考:日本銀行 国債にはどのような種類がありますか?

4.配当メインの株式投資

株式投資の運用方法には、売買をして差益を得る方法と配当金を得る方法があります。

株式の売買で利益を出すためには、安いときに買って値上がりしたら売る必要があるため、買ってそのまま放置というわけにはいきません。

しかし、配当金を受け取るタイプの株式投資は、その会社の経営が順調でさえあれば、大きな市況変化に気をつけておくだけで、あとは放置しておいてもあまり心配がありません。

安定した配当を受け取るためには、企業の経営が安定していて、この先も順調に延びていく会社を選び出す必要があります。

そのような企業は、多くの場合、大企業などの有名企業のことが多く、株価も高額なことが多いのですが、その分、多くの投資家に支えられています。

このような企業を探すときには、確かな情報発信元となる会社四季報のホームページを利用しましょう。(書籍の会社四季報でも同じですが、メモは自分でする必要があります)

スマホやパソコンから、「会社四季報オンライン スクリーニング」というページをあけると、営業利益率の高い銘柄・純利益率の高い銘柄などが、ランキング形式でまとめられています。

自分が気になった企業のうち、購入できる金額や株式数の会社名と株式コードをチェックしておきましょう。

あとは、口座のある金融機関で購入すれば資産運用の始まりです。このような企業は、安定成長をする会社のため、株価の大暴落などは起きにくいのですが、その可能性はゼロにはなりません。

はじめての資産運用で勝手がわからないうちは、少額から購入できる会社を選び、十分にテスト運用をしてから、徐々に範囲を広げていきましょう。

会社四季報オンラインは、株価の基本情報が無料で閲覧可能です。また有料プランに登録すると「経済評論家のすすめる銘柄」「10万円以下で買える今期優良銘柄」「買いシグナル銘柄」など、より細かく分かりやすい情報も入手できます。

参考:会社四季報オンライン お宝銘柄の発掘に役立つスクリーニング

5.不動産投資

不動産投資とは、人に貸す目的で不動産物件を購入し、入居者からの賃料を得る投資方法です。

物件は、マンションやアパート以外にも戸建て・ビル・駐車場・倉庫・賃貸併用住宅・店舗併用住宅など、さまざまなものがあります。

基本的に人に貸すための物件を買う必要があるため、大きな初期投資額が必要です。しかしこの資金は、他の投資と異なり金融機関で借り入れができます。ローンの返済原資は、入居者の家賃となるため、返済は入居者がしてくれます。

なお運営開始後の入居者の管理、建物の管理は、不動産管理会社に一任することが一般的です。そのため賃貸経営が始めるとオーナーは基本的に何もすることがありません。

建物は、木造で20年以上、鉄筋コンクリート造であれば50年以上の耐用年数があるため、自分の子どもや孫世代にまで、不動産と賃貸収入という財産を引き継いでもらうことができます。

投資資金の借り入れは、会社員として勤続実績があるほど有利に働く傾向です。そのため定年が視野に入っている年齢の方は、早めに準備を始める必要があります。

老後資金を作るために大きな借り入れをすることに抵抗がある方は、不動産小口化商品も検討してみましょう。

不動産小口化商品とは、都心部の条件の良いビルなどを複数の投資家が共同所有し、所有分の賃貸収入を得るという不動産投資方法です。

現物不動産の購入とは異なり、1口100万円前後から購入できるため、大きなローンを組む必要もありません。

似たような投資方法に金融機関で取り扱いのあるREITがありますが、こちらは不動産が証券化された金融商品であるため、購入しても不動産への所有権がありません。

不動産小口化商品は、物件を共同所有するため、普通の不動産と同じように所有権が発生します。実物不動産を購入するのと同じ税制メリットがあり、さらに、現金化しやすいという不動産にはない利点もあります。

定年後の資産運用で老後生活に余裕を生むための3大原則

人生100年時代といわれる現代、定年後の人生は今までの社会人生と同じ時間だけあります。

それだけの長い時間を、年金と手持ちの資産だけで生き延びることはできるかもしれません。しかし「できれば年代にあった余裕のあるライフスタイルを送りたい」と考える人もいるのではないでしょうか。

本章では、老後生活に余裕を生むための資産運用における3大原則について解説します。

老後生活に余裕を生むための3大原則

1.長期運用をする

遠い将来に向かって資産運用をする若い世代の場合、どうしても拙速な資産拡大やFIREのためにガツガツと利益をとりに行く必要があります。しかし定年後のセカンドライフを送る大人の資産運用は、余裕がテーマです。

余裕のある運用をするには、定年時に持っている資産を減らさず、なるべく長持ちさせることを前提に、長期的な視点での商品選びが必要になります。

例えば安定成長型の商品保有と同時に、配当金や株主優待といった付加価値のあるタイプの商品をバランスよく投資するといった具合です。

運用益と配当利益に加え、年数回のさまざまな優待サービスを楽しみながら、ゆったりとした気持ちで株価の上昇を待ちます。

さらに余裕があれば、短~中期程度の投資信託や国債を購入し、資産運用全体の価格変動を補えるようにしておきます。

こうすることで、利益を確実に確保しながら資産を守り、さらにセカンドライフそのものを楽しむことができます。このように資産運用そのものを長く楽しむ大人ならではの運用スタイルを心がけてみてはいかがでしょうか。

2.分散投資をする

分散投資とは、特定商品だけに投資をするのではなく、複数商品に投資を行いリスク分散させたほうがよいという投資の基本的な考え方です。

例えば商品Aに全財産を投入するよりも、商品B商品Cなど複数に分けて投資すれば、リスク分散になります。

定年後の資産運用では、この銘柄分散以外に金融機関の分散も検討しましょう。金融機関を一つに絞っていると、だんだんと人間関係ができていき、ある時から営業担当者が自社商品のおすすめをしてくることが増えます。

経験を積んでいれば適切な判断が付きますが、資産運用初心者のころは不安が大きいため「これだけすすめてくれるのだから」「いつも親身になってくれているし」などの理由で、その人を頼りに投資をしてしまうことも少なくありません。

複数の金融機関に口座があれば、どれだけおすすめされても、いったん資料だけを持ち帰り、別の金融機関と比較することができます。

「〇〇証券さんの商品とはどう違いますか?」など、同じような商品に対し、セカンドオピニオンを聞けるチャンスが増えるため、投資商品の判断材料を増やせるようになります。分散は、お金と金融機関の両方をしてください。

3.積立タイプにする

積立タイプの投資とは、毎月一定額をコツコツと買い続けるタイプの投資方法です。投資市場は、ブームや世界情勢の影響を強く受けるため、どんなに気をつけていても突然価格が大きく上下することがあります。

定年後は、ビジネスとは違う生活スケジュールで暮らすことが増えるため、会社員時代のようにすぐにさまざまな情報が入ってこない環境にいる可能性があります。

そのため、自分で積極的に情報を取れるネット環境などを整えておかないと、思わぬ損失を被る可能性が増えてしまうでしょう。

例えば2020年のコロナウィルスショックや、2021年のロシアによるウクライナへの侵攻のように世界に影響のある出来事が起こる可能性があります。このような出来事が起こるとマーケットは敏感に反応し、投資している商品の価値が暴落する可能性もあるのです。

こういった最中でも、積立投資であれば毎月同じ額で自動的に買い続けてもらえるため、状況に関係なく着々と積み立てを続けていけます。

さらに積立投資の場合、投資対象の価格が下がっているときにはたくさんの口数を買い付けできるため、マーケットが回復時には元本回復も期待できます。

積立投資にしておけば、ネットがつながらないところで暮らしていても旅行中でも入院中でも、趣味に忙しくて投資情報を全然見ていなくても自動で積み立てと運用を続けてくれます。気になる商品の選択肢に「積み立て」があった場合は、迷わず積立タイプを選びましょう。

定年後の資産運用で「やってはいけない」3つのこと

本章では、定年後の資産運用でやってはいけない3つのことを紹介します。

1.退職金をつぎ込んで投資デビューする

定年をして退職金が預金口座へ振り込まれると、金融機関から電話きて、それをきっかけに資産運用を始める方も少なくありません。

はじめての資産運用の場合、自分一人でスタートするには不安が大きいため、金融機関の担当者がさまざまな商品提案を心強く感じてしまいます。

退職金は、普段はあまり扱うことがない大金となるため、どうしても気が大きくなりがちです。

担当者の提案のままに、1つの商品に大金を投入してしまうと時間・銘柄・金融機関の分散ができず、自ら投資リスクを抱え込むことになりかねません。

投資商品の多くは解約ができます。しかし商品によっては解約手数料などが発生するものもあるため、運用成果が得られないうちに退職金を目減りさせることになる可能性もあるのです。

資産運用は、自分のタイミングと判断で行うもののため、以下のような理由で行うべきではありません。

  • 人にすすめられたから
  • 断るのが申し訳ないから
  • 申し込み締め切りが迫っているから
  • 口数が残りわずかだから など

もし、どうしても気になる商品がある場合でも少額からスタートするようにしましょう。また少額からの申し込みができない商品の場合は、いったん断る勇気を持つことが大切です。

2.相場の暴落で積立タイプを解約する

資産運用のなかでも特に積立タイプの投資をしている場合は、「相場が下がったら資産運用のチャンス」ということを覚えておきましょう。

長い資産運用の間には、相場が暴落することは少なからずあります。

資産運用デビューしたばかりの方や、性格的にとても怖がりの方は、相場が下がると「ああ資産運用なんてするんじゃなかった!」「お金が減った!もう怖いからやめよう」など、あわてて積立投資を解約してしまう方も少なくありません。

株価の暴落で恐怖を感じることは、ごく普通のことです。しかしそこで積み立てをやめてしまうと、今までしてきたことの効果も薄くなってしまいます。

積立投資をするメリットは、長期間かけてコツコツと購入を続けることで値段が下がったときにいつもよりたくさん買つけができることです。

そうすることで、値段が戻ったときに利益が出やすくなります。積立期間中に相場が下がった場合、それはむしろ資産運用にとっては大チャンスとなりうることを思い出し、むやみに解約をしないようにしましょう。

また、このようなお金と投資の背景を理解できても、それでも暴落に対する恐怖感がある方は、投資資金が大きく値下がりしても影響のない程度の投資額にしておきます。

こうしておくことで、なにかあっても一喜一憂せずに、ゆとりをもって資産を増やしていくことが期待できるでしょう。

3.金融機関担当者の言う通りにする

資産運用を始めたあとは「個人投資家の立場」で担当者の話を聞きましょう。また、どの金融機関でも基本的に担当者と自分とは「お互いに利益の反する立場」という理解が必要です。

お互いに利益が反するということは、こちらが利益を得ようとすれば金融機関の担当者には利益が損なわれる可能性があります。

例えば、顧客が効率よくお金を増やしたいと思っていれば、金融機関に支払う手数料コストはゼロ、または少ないほうが良いことになります。

しかし金融機関の担当者にとっては、手数料を何度も支払ってくれるほうが良いお客様となるでしょう。つまり金融機関の担当者の言う通りに運用をすると、どうしても運用コストがかさむことになりかねないため、思った通りの運用成果が出しにくくなります。

このことがわかっていると、担当者が推してくる商品が、本当におすすめなのかどうかもわかるようになっていきます。

担当者の言うことは、どの金融機関でも参考程度にとどめておき最終的な判断は必ず自分で行うようにしましょう。

定年後の資産運用で注意しておくべき4つのポイント

定年後の資産運用をするにあたり、注意しておくべき主なポイントは、以下の4つです。

1.大きなリターンを期待しない

資産運用において、リスクとリターンはセットの関係です。リスクが高ければ、大きなリターンが期待できます。しかし定年後の資産運用にハイリスクハイリターンのドキドキ・ハラハラ感は、不要です。

定年後のセカンドライフを豊かに過ごすためには、これまでの貯金や退職金、相続財産などのお金を堅実に運用し、必要時には自由に使えるようにしておく必要があります。

そのためには、低リスクでも堅調に成長してくれるタイプの商品を選び出し、今あるお金を保全しながら賢く運用していくことが賢明です。そのような投資先は、本記事1章で解説しています。

2.自分に合った運用スタイルをする

資産運用には、さまざまな商品と投資スタイルがあります。

定年後の投資方法に正解はありませんが、基本的に長期間にわたって運用することだけは決まっています。そのため投資をしている本人に、ストレスがたまらないことが大切です。

本記事では、投資方法として5つの堅実なタイプの投資先を紹介してきました。しかしこれは、あくまで定年が視野に入った年齢から投資をスタートする方向けの失敗を極力回避するための投資先です。

今日まである程度の投資経験があり、運用成果を出して自信がある場合は別の投資方法も検討しましょう。ローリスクローリターン商品に投資してイライラするよりも、例えば少しリスクのあるデイトレードの株式投資やFX投資、利率の高い投資信託にチャレンジするほうが良いと言えます。

また「少し投資をやってはみたものの金融商品(株式や投資信託)は何となく苦手」と感じている場合は実物資産の不動産投資や、不動産小口化商品を資産運用のメインにしてみることも検討してみましょう。

大切なのは、自分にとってストレスのない方法や商品で資産運用を続け、長期的な視点で利益を得ることです。

3.ゆとりのない状態でやらない

定年後のセカンドライフを豊かにするために、資産運用をすることは非常に大切です。しかし今の自分を大切にすることは、資産運用をすることよりも優先します。

例えば以下のような理由で生活や精神的なゆとりがない場合は、無理して資産運用しなくても問題ありません。

  • 家族の介護をしている
  • 自身が病気をしている
  • 再雇用のあてがなく不安 など

また資金や生活にゆとりがあっても、投資資金が大きく値下がりすることへの不安感が精神的に大きな負担になる性格タイプも無理に資産運用をする必要はありません。

それでも、資産運用をしないことも不安の原因になる場合は少額から投資額をコントロールし、自分が負担にならないような金額帯を探していく必要があります。

資産運用は、経済的にも精神的にもゆとりのある状態で行うものです。そのため「何をおいてもしなければならない」というわけではありません。

4.相続のことも考えておく

資産運用で現金を増やすことばかりを続けていると、突然の相続が起きたときに現金資産のほとんどを相続税に持っていかれ、家族が大きな損失を被る可能性があります。

資産運用によるセカンドライフの充実も大切ですが、相続が起きたときに遺族が困らないように考えておくことも大切です。

相続が始まると、被相続人(亡くなった方)が所有していた預貯金・金融商品・不動産などは、すべて相続財産となります。

相続税は、遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた分からが課税対象です。

相続財産のなかでも、現金は額面がそのまま課税対象となります。例えば1億円あれば額面の1億円が課税対象になるといった具合です。

投資信託や株式などの金融商品は、「解約や買取請求をしたらいくらになるか」という考え方で計算しますが、基本的に相続発生時点の価格がそのまま課税対象額となります。

せっかくがんばって資産を増やしても相続税でたくさん持っていかれてしまっては本末転倒です。

しかし資産運用で増やしたお金を不動産にした場合、相続税評価額は路線価を基準に算出されるため、市場価格よりも2~3割抑えた価格になります。

例えば時価1億円の不動産であれば、相続税評価額7,000万円程度で算出され、3,000万円分も課税遺産総額を下げることが可能です。

将来の相続のことも視野に入れる場合は、資産運用である程度の金額になったら一部を不動産という実物資産にしておくと節税対策となります。

またリスクをとって大きな不動産を購入しなくても、不動産小口化商品のような小口で買える不動産を所有すれば所有している間は賃貸収入が入り相続が発生したときには節税も可能です。

まとめ

本記事では、定年後の資産運用に適した商品を5つ紹介しました。具体的な商品名ではなく投資の種類を紹介しているため、気になる投資方法のなかから、そのときに販売している商品を購入することになります。

定年後の運用は、若いころの資産拡大を狙ったリスクをとるタイプの運用ではなく、今ある資産を保全しながら堅実に増やしていくことが最適と理解できたのではないでしょうか。

金額や気持ちのうえで無理のない範囲で、長い目で見た運用をテーマに適切な商品を選んでみましょう。

(提供:ACNコラム