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「手元にある500万円の普通預金を効率良く増やせないかな?」「資産運用に興味はあるけど、どうしたらよいかわからない」とお考えの方に、資産運用の方法をご紹介します。
それぞれの方法のメリット・デメリットを確認しながら、資産運用を始めるときに注意すべき点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
定期預金で資産運用を行うメリット・デメリット
資産運用の中で最も手堅いと言えるのが定期預金でしょう。
定期預金は、期間を決めて資金を預けます。1ヵ月以上10年以内が一般的です。それでは、定期預金で資産運用を行う場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
定期預金のメリット | 定期預金のデメリット |
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それではメリット・デメリットを詳しく解説いたします。
定期預金のメリット
定期預金のメリットは以下の通りです。
1.ネット銀行などは高金利の場合が多い
メガバンクの場合、1年ものは0.002%と低金利ですが、ネット銀行など高金利の銀行に預けると0.4%など、多く利息を受け取ることができます。
2.複利だと効率良く増やすことができる
また定期預金には単利のものと複利のものがあります。複利でも1年複利よりも半年複利のほうが、効率良く増やすことができます。
3.金融機関が破綻しても元本と破綻日までの利息は保証される
預けた資金は、万が一金融機関が破綻したとしても1,000万円までの元本と破綻日までの利息は保証されます。
定期預金のデメリットと注意点
資産運用をうまく行うためにはデメリットを理解し、注意深く運用することが大切です。それでは定期預金のデメリットを確認していきましょう。
1.満期日まで資金を引き出すことができない
定期預金は、原則として満期日まで資金を引き出すことはできません。
2.中途解約すると普通預金利率より低くなる場合もある
預入期間中に資金を引き出す場合は、中途解約になります。中途解約はいつでもできますが中途解約利率が適用され、普通預金利率より低くなる場合もあります。
外貨で定期預金を行なった場合のメリット・デメリット
外貨で定期預金を行なった場合のケースも見てみましょう。
外貨預金の金利は円預金よりも高めです。また、満期時の為替レートが預入時よりも円安になった場合は、為替差益により利益を得られます。
デメリットは、外貨に交換する際に為替手数料が発生することです。また、為替相場の変動の影響で元本割れを起こす可能性もあります。
株式投資で資産運用を行うメリット・デメリット
株式とは、株式会社が発行する有価証券のことです。その企業が事業を行うために必要な資金を集める方法の一つとして株式が発行されます。
株式を購入した人(株主)は、保有する株式の数に応じて配当金や株主優待、経営参加などの権利を得られます。
株式投資の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
株式投資のメリット | 株式投資のデメリット |
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株式投資のメリット
株式投資のメリットを詳しく解説していきます。
1.売却時に利益を得られる
株価の値上がりにより売却時に利益を得られます。
企業の業績向上が見込まれる場合は株式を購入する人が多くなり、株価が上昇することがあります。
2.配当金を受けられる
配当金を受けられる場合があります。
配当金とは、企業が利益の一部を持株数に応じて分配するお金のことです。企業の利益の状況によって、有無や増減が決定されます。
3.株主優待を受けられる
株主優待を受けられる場合があります。
株主優待は、企業が株主に対して自社の商品やサービスなどを贈る仕組みです。
すべての企業が実施しているわけではありませんが、配当金と同様に持株数に応じて受けることができます。
4.株主総会での議決権を得られる
投資した企業の経営に対して株主総会での議決権を得られます。
企業の重要な事案に票を入れることができますが、単元未満の株には議決権がありません。
株式投資のデメリットと注意点
続いては株式投資のデメリットを見ていきましょう。
1.元本が保証されていない
株式投資は預貯金と異なり、元本が保証されていません。
2.株価が下がる場合がある
株は日々変動するので、株価が下がることもあります。
このような価格変動リスクの他にも、株式投資には以下のようなリスクが存在します。
・外国株式を購入する場合には為替変動リスク・カントリーリスク
・引がすぐに成立しない流動性リスク
債券投資で資産運用を行う場合のメリット・デメリット
債券は国や地方公共団体、民間企業、外国の政府、企業などが資金を借り入れるときに発行されます。
投資家に対して発行される借用証書のようなものです。さまざまな種類があり、国内債券と外国債券に大きく分けられます。
債権の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
債権投資のメリット | 債権投資のデメリット |
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債券投資のメリット
債権投資のメリットは以下の通りです。
1.資金計画が立てやすい
あらかじめ金利が決められていることから、償還期限まで保有していれば、原則として額面金額が支払われるので収益額が前もってわかります。それを見越した資金計画を立てることができます。
2.多くの利息を受け取れることが期待できる
金利が決められているという点は預貯金と同じですが、金利は債券のほうが高いので、受け取れる利息も多くなることが期待できます。
債券投資のデメリットと注意点
1.景気が回復すると債権価格は下落する
債券価格は景気が後退して利回りが低下しているときに上昇し、景気が回復して利回りが上昇しているときに下落する傾向があります。
2.発行者の財務状況による信用リスクがある
発行者の財務状況が悪化することによって換金できなくなる「信用リスク」があります。
3. 外国為替には為替変動リスクがある
外国債券には「為替変動リスク」があり、為替相場の変動により円高になると損失が生じる可能性があります。
不動産投資で資産運用を行うメリット・デメリット
不動産投資とは、購入した土地や建物を貸し出して、入居者やテナントから家賃収入を得たり、購入した土地や建物を売却して利益を得たりする投資のことです。
不動産投資の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
不動産投資のメリット | 不動産投資のデメリット |
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不動産投資のメリット
不動産投資のメリットを詳しく見ていきましょう。
1.自己資金が少額でも始められる
不動産を購入するための資金を金融機関から借りることができるので、自己資金が少額でも不動産を購入することができます。
少額(1万円~100万円程度)からできる不動産投資には、不動産クラウドフファンディングやREIT(不動産投資信託)、不動産小口化商品、低予算で購入できる収益物件などがあります。
2.時間や手間をかけずに行うことができる
不動産の管理や運営は管理会社に委託することができるので、時間や手間をかけずに行うことができます。
3.相続税を節税することが可能
融資を受けて賃貸不動産を購入し、相続税を節税することが可能な場合もあります。
不動産投資のデメリットと注意点
続いては不動産投資のデメリットを詳しく解説いたします。
1.空室の発生・家賃の下落・家賃の滞納など多くのリスクがある
不動産投資は家賃収入を得ることで収益が生まれますが、空室の発生・家賃の下落・家賃の滞納などによって収益が減少するリスクがあります。
この他にも建物の老朽化による支出増加リスク、物件価格下落リスク・過剰な借入額に対する金利上昇リスク・災害リスクなどもあります。
2.売却に時間がかかる
売却に時間がかかるといったデメリットを理解しておく必要があります。
投資信託で資産運用を行うメリット・デメリット
投資信託とは、大勢の投資家から集めた資金をまとめ、専門家である運用会社のファンドマネージャーが国内や海外の株式や債券などに投資・運用し、運用の成果として生じた利益を投資家に分配する金融商品です。
投資信託の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
投資信託のメリット | 投資信託のデメリット |
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投資信託のメリット
投資信託のメリットを詳しく解説していきます。
1.少ない金額からでも購入できる
投資信託は比較的少ない金額でも購入できるので、株式や債券などと比べると簡単に始めることができます。
2.分散投資によって下落のリスクが軽減されている
また、一つの投資信託の中に数多くの資産を組み入れてあるため、分散投資によって下落のリスクを軽減することができます。
3.金融商品として透明性が高い
投資信託の基準価額は毎日公表されますし、財務諸表の作成も義務付けられているので、透明性の高い金融商品といえます。
投資信託のデメリットと注意点
投資信託の主なデメリットは以下の通りです。
1.元本は保証されていない
投資信託は預貯金と違い、投資した元本は保証されていません。
元本割れは、申込手数料のかかる投資信託を購入して手数料を差し引かれた場合や、購入後の基準価額が下がった場合などに起こります。
2.手数料がかかるものがある
投資信託には、手数料がかかるものがあります。
手数料の種類は、購入時の販売手数料、保有期間にかかる運用管理費用(信託報酬)、解約時にかかる信託財産留保額です。
3.売却益には税金がかかる
また、売却時に生じた利益には所得税15%、復興特別所得税0.315%(所得税額×2.1%)、住民税5%がかかります。
ただし、iDeCoやNISAを利用した場合は、投資資金や運用益が非課税になるといった税制上のメリットを享受することができます。
投資信託は約6,000本もあるため、自分に合う銘柄を選ぶための情報が欠かせません。
金投資で資産運用を行うメリット・デメリット
金投資とは「金」に投資することです。金の価格は、イギリスやアメリカの市場などで決められます。
金は政治・経済が混乱したときや災害時、インフレ時などに値上がりする傾向があります。そのため、資産を守るために金投資をする人もいます。
金投資のメリット・デメリットは以下の通りです。
金投資のメリット | 金投資のデメリット |
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金投資のメリット
金投資のメリットは以下になります。
1.信用度が高く世界のどの地域でも換金できる
金は通貨や株式、債券などと異なり、不動産などと同様にそのものに価値があるので信用度が高く、世界のどの地域でも換金できます。
2.さまざまな投資方法がある
金投資には「金貨や金地金の現物購入」「金に投資する投資信託」「金ETF」「純金積立」「金の先物取引」など、さまざまな投資方法があります。
金投資のデメリット
金投資のデメリットは以下になります。
1.配当金が発生しない
資産を預けている間、銀行預金なら「利息」、株式や債券は「配当金」や「利息」を期待できますが、投資信託やETF以外の方法の場合は利息や配当金は発生しません。
2.現物で購入した場合は管理手数料がかかる
「金」を現物で購入した場合は銀行などの貸金庫や貴金属販売店の預かりサービスを利用できますが、管理手数料がかかる場合があります。
3.その他の金投資の方法も手数料がかかるものがある
その他の金投資の方法についても、手数料がかかるものがあるので投資する際には忘れずに確認しておきましょう。
暗号資産投資で資産運用を行うメリット・デメリット
暗号資産の最大の特徴は、国や中央銀行の管理を受けず個人がインターネット上でやり取りができる点です。
暗号資産は「資金決済に関する法律」では法定通貨ではないですが法定通貨と相互に交換できるものとして定義されています代表的な暗号資産に、ビットコインやイーサリアムがあります。
暗号資産の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
暗号資産のメリット | 暗号資産のデメリット |
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暗号資産のメリット
暗号資産のメリットを詳しく解説します。
1.銀行を介さず送金ができるので両替の必要がない
国際送金を行う場合は、異なる国同士の銀行を介してやり取りを行います。そのため国内送金より手数料が高く、着金するまで時間がかかります。
ところが暗号資産を使うと銀行を介することなく送金できます。また、暗号資産は世界共通なので両替の必要がありません。
2.政治や経済の影響を受けにくい
自国の法定通貨の代わりに、政治や経済の影響を受けにくい金融資産として所有している人もいます。
暗号資産のデメリットと注意点
暗号資産のデメリットを詳しく解説します。
1.乱高下が激しい
暗号資産は法定通貨ではなく、また裏付けとなる資産もありません。利用者の需給関係などの要因で、急成長するものもあれば大暴落するものもあり乱高下が激しいといえます。
2.詐欺などの事例が報告されている
詐欺などの事例が報告されているので注意が必要です。
先物取引で資産運用を行うメリット・デメリット
先物取引とは、特定の商品を将来のあらかじめ決められた日に、現時点で決められた価格で売買することを約束する取引です。
先物はいつまでも保有することはできず、取引の期間(限月)があります。
先物取引では、取引する金額に比べて少ない金額の証拠金を差し入れます。証拠金は担保となるため、取引額のすべてを支払う必要はありません。そのため、元手が少額でも高額の取引が可能です。
一般的な取引では商品を買い、その後売りますが、先物取引では将来価格が下がると思ったら先に売って、その後反対売買(買戻し)を行うことで利益を得ることもできます。
先物取引の決済は、最終的に生じた差金の受け渡しによって行われます。
先物取引のメリット | 先物取引のデメリット |
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先物取引のメリット
それでは先物取引のメリットを見ていきましょう。
1.価格変動による損失を軽減することができる
先物取引ではあらかじめ将来の価格が決められているので、価格変動による損失を軽減することができます。
2.少ない資金で大きな金額の取引ができる
また、少ない資金で大きな金額の取引ができ、自分が予想したとおりに価格が変動すれば短期間でも利益を得ることができます。
先物取引のデメリットと注意点
先物取引のデメリットは以下になります。
1.証拠金を差し入れなければならないこともある
価格変動が予想に反した場合は、大きな損失を被るリスクもあります。損失が発生したことにより、追加で証拠金を差し入れなければならないこともあります。
オプション取引で資産運用を行うメリット・デメリット
オプション取引は、特定の商品を将来のあらかじめ決められた日(満期日)に、現時点であらかじめ決められた価格(権利行使価格)で買う権利、または売る権利を売買する取引です。
オプション取引の主なメリット・デメリットは以下になります。
オプション取引のメリット | オプション取引のデメリット |
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オプション取引のメリット
オプション取引のメリットは以下になります。
1.少額のプレミアムを支払って購入することで取引が可能
例えば、資金の全額を用意するのに6ヵ月かかるとき、現時点で決められた価格で買う権利や売る権利を少額のプレミアム(権利の購入代金)を支払って購入することで、取引を行うことができます。
2.損失はプレミアムの金額に限定される
買う権利を購入して価格が下がったり、売る権利を購入して価格が上がったりした場合、オプション取引の買い手は権利を放棄することができるので、損失はプレミアムの金額に限定されます。
オプション取引のデメリットと注意点
オプション取引のデメリットは以下になります。
1.証拠金が必要
オプション取引の売り手は証拠金が必要です。売り手は買い手が権利を行使すると必ず応じなければならないため、損失が拡大する場合もあります。
2.追加証拠金が必要な場合もある
必要な証拠金が不足した場合は、追加証拠金(追証)を差し入れる必要があります。
外国為替証拠金取引(FX)で資産運用
外国為替証拠金取引(FX)とは、世界各国の異なる2つの通貨を売買し、為替相場の変動によって生じる差額によって利益を得る取引です。
証拠金を差し入れると、証拠金を超える金額の取引ができます。
外国為替証拠金取引(FX)の主なメリット・デメリットは以下になります。
FXのメリット | FXのデメリット |
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外国為替証拠金取引(FX)のメリット
外国為替証拠金取引(FX)のメリットを見ていきましょう。
1.少額の資金で大きな金額を取引できる仕組みがある
少額の資金で大きな金額を取引できる「レバレッジ」という仕組みがあります。国内での取引では、最大25倍です。
2.平日はほぼ24時間取引することが可能
取引の時間帯が長いことも特徴で、外国為替証拠金取引(FX)は世界各国で売買が行われていますので、平日はほぼ24時間取引することができます。
一方で株式などであれば、基本的には取引所が開いている時間帯(平日9~15時)しか取引ができません。
3.買いと売りどちらでも取引が始められる
「買い」と「売り」のどちらからでも取引を始められるので、相場が上がっている場面でも下がっている場面でも利益を狙えます。
4.手数料が無料の会社が多い
また、FX取引を提供している会社の多くは手数料が無料です。
外国為替証拠金取引(FX)のデメリット
外国為替証拠金取引(FX)のデメリットは以下の通りです。
1.相場が急変動する可能性がある
リーマンショックやトルコショックのような相場変動、フラッシュクラックなどが起こると相場が急変動するため、大きな損失が生じる可能性があります。
一時的でも大きな変動があると、損失が差し入れた証拠金を超え、追加の証拠金が必要になる場合があります。
2.価格変動要因が複雑
外国為替証拠金取引(FX)は価格変動要因がとても複雑で、値動きを読むのが難しいという特徴があります。
アートで資産運用を行うメリット・デメリット
アートとは美術作品のことです。日本のアートマーケットは規模が比較的小さく、アート作品を購入する方は多くありません。
しかし、近年では信託銀行が「美術品信託」を開発するなど、美術品を資産とする考え方が広がっています。
アートで資産運用を行う主なメリット・デメリットは以下の通りです。
アート投資のメリット | アート投資のデメリット |
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アート投資のメリット
アート投資のメリットは以下になります。
1.現物資産としての価値がある
アート作品は不動産や貴金属と同様に、実物資産としての価値があります。
希少性の高さから株価変動の影響を受けにくいため、価値が下がりにくいといえます。数年で、価値が数倍にも上がることもあります。
2.減価償却資産として扱うことができる
アート作品は自宅に飾って楽しむこともできますが、法人や個人事業主の方は条件を満たせば減価償却資産として扱うことができるため、節税につながります。
3.古くなることで価値が上がるものもある
減価償却では経年によって資産価値が減少した分を経費として計上しますが、アート作品は古くなることで価値が上がるものも少なくありません。
アート投資のデメリットと注意点
アート投資のデメリットと注意点を見ていきましょう。
1.劣化を防ぐための保管サービスを利用すると費用がかかる
アート作品を飾る場合は場所が必要で、飾るときも保管するときも劣化に注意しなければなりません。保管サービスを利用すると定期的に費用がかかります。
2.贋作がある
贋作(偽物)も流通していますので知識をつけたり、専門家のアドバイスを聞いたりすることが大切です。
3.売却のタイミングを見極める必要がある
売却のタイミングを見極める必要があるため、アート投資は長期的に取り組む人に向いているといえます。
500万円を資産運用するときに知っておくべきこと
理想の暮らし方を実現するには、お金が必要です。そのお金が「何のために必要か」「いつまで必要か」を整理すると、自分に合った資産運用方法を見つけられるでしょう。
投資にはリスクが伴います。投資のリスクは「危険なこと」という意味ではなく、「収益(リターン)が不確実である」という意味です。
大きなリターンを得られるかもしれませんが大きな損失を被るかもしれません。リスクとリターンは比例し、高いリターンを狙うとリスクも高くなります。
金融庁のウェブサイトでは、リスクを減らす方法の一つとして分散投資が紹介されていますので、ぜひ参考にしてください。この記事の内容を踏まえて、資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。