本記事は、藏本 猛Jr氏の著書『資産を速く・大きく増やせる ラーメン店投資の極意』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています。
魅力的なフランチャイザーになるためには
フランチャイザーになるためには資格は要りませんとお話ししましたが、加盟店が増えやすい魅力的なフランチャイザーになる努力は必要です。ポイントとしては、次の通りです。
◆ 黒字化+人気
基本的に各店舗が黒字化していることが必須です。加盟店に利益が出ていないフランチャイズに新たに加盟したいと思う加盟者はいません。
しかし、利益が出ているだけでは魅力は足りません。フランチャイズの加盟店になりたいと思ってもらうためには、既存店が見た目にも賑わっている必要があります。お客様が絶えない、あるいは行列ができているといった繁盛ぶりが見られれば、このブランドに参加したいと思う加盟者も多くなります。
つまり、フランチャイザーの魅力は帳簿だけではないのです。
◆ 研修制度、業務のマニュアル化
安心して加盟してもらうためには、研修制度やマニュアルが整備されている必要があります。調理や清掃、出退勤などの諸ルールがマニュアル化されており、店長やスタッフの教育制度も整備されていなければ、加盟してもちゃんとノウハウを伝授されるのだろうか、という不安が残ります。
フランチャイザーに向いているオーナーさんが運営しているお店では、私がアドバイスしなくても、自然発生的にマニュアル化が行われたり、教育の仕組みができ上がったりしています。このようなお店が育っているオーナーさんには、私からフランチャイズ化を提案することもあります。すると、本当にスムーズにフランチャイズ化できます。
このようなオーナーさんがフランチャイザーになったときには、模範的な店舗が研修用店舗として活用できるため、加盟店の店長やスタッフを一時的に預かって教育して戻す体制をすぐに構築できます。そのことが、加盟を検討している方にとっても大きな安心材料となります。
◆ 加盟店への指導体制
加盟店がきちんとフランチャイズの店舗として運営されているかどうかをチェックして、問題があれば指導する体制を整えることが必要です。
この指導者はオーナーさん自身でも構いませんが、スーパーバイザーもしくは相当する責任者を定期的に加盟店に派遣できるようにします。
◆ ホームページの充実
検索しても食べログにしかお店の情報が出てこないようなフランチャイザーは加盟者に信用されません。やはりオフィシャルのホームページが公開されていて、しっかりと情報発信されていないと、信用されません。
ホームページでは、加盟店の紹介や新規オープン店舗のニュースが掲載されている必要があります。もちろん、メニューやキャンペーン情報も掲載することで、活動的である印象を与える必要があります。
フランチャイズを成長させるためのポイント
フランチャイズを順調に成長させるには、次のポイントがあります。
◆ 信頼関係の構築
基本は、フランチャイザーと加盟者の信頼関係が築かれていることにあります。したがって、ここは人間くさい面ではありますが、ビジネスとはいっても相性の問題が出てきます。
理念に両者が共感できなかったり、人としての相性が単純に悪かったりすると、いくら諸制度が整備されていても、ビジネスライクに割り切れない部分が出てきます。
ですから、加盟希望の応募があった場合には、お互いの財務的な情報や店舗規模、立地条件などのビジネス情報だけでなく、人柄や考え方なども面談でじっくりと確認し合う必要があります。
◆ 加盟店への情報提供
フランチャイザーは本部として、加盟店に対して常に情報提供をするようにします。新作メニューやキャンペーンの情報、効率化に成功した店舗の情報やマニュアルの改訂情報などの共有は徹底します。また、グループの売り上げや利益などの財務情報も共有します。
ロイヤリティーの割合については契約以前に公開しておきます。契約するまで分からない状態では安心して加盟できませんし、トラブルの原因にもなりかねません。
◆ 加盟店とワンチームになる
フランチャイズを運営するうえで最も大切なのは、加盟者の意見を聞きながら、一緒に盛り上げていくムード作りです。
ムード作りには仲間意識による一体感も大切ですので、必ずユニフォームを作って加盟店に提供してください。お店のロゴが入った同じユニフォームを着ることは、思っている以上に仲間意識を芽生えさせます。
◆ 企業理念の作成、浸透
これもありきたりですが、フランチャイザーとしての企業理念を掲げます。大それた内容である必要はなく、フランチャイザーとして大事にしている考え方や行動指針を1つでも2つでもかまいません。
また、その理念を加盟者から店長、スタッフまでが共感できている状態を作ってください。たとえば、加盟者へ加盟時に説明するだけでなく、研修に盛り込んで店長からスタッフまで理解してもらう機会を設けたり、ホームページに記載したり、各店舗を回った際にオーナーや店長に伝えるなど、折に触れて理解してもらえるように努めます。
この理念だけは、フランチャイザーが頑張って打ち出す必要がありますが、この理念を掲げることで、自分自身も加盟者に対する愛着が湧いてきます。
一般社団法人国際ラーメン協会 代表
1969年神奈川県生まれ。
1996年、27歳で父親が経営するゴルフ場の社長に就任。200億円の負債を抱えるも、多くの人に助けられ帳消しにし、10年間の社長生活を終える。
その後、ゴルフ場で人気だった「ラーメン」に着目。ラーメン店の開業を目指し、スープや麺の研究を始め、メーカーからの製品化を果たす。
2010年に東京で開業。その後、直営店を15店舗まで拡大した後、全店舗を無償で譲渡。
2014年にラーメンプロデューサーとして活動を開始。現在、月100件以上の依頼が殺到し、プロデュース実績は450店以上。
2019年に一般社団法人国際ラーメン協会を設立。日本のラーメン文化を海外に発信、海外出店のサポート活動を行う。
2020~2022年のコロナ禍においても50店舗以上の出店をサポートし、フランチャイズ化に成功したお店も多数輩出。出店場所の設定からオープンまでをワンストップでサポートするほか、海外出店のサポートも行う。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。