毎年、新たに発売されるビジネス書は約6,000冊といわれています。いったいどの本を読めばいいのか、迷ってしまう方も多いでしょう。

このコーナーでは、読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で注目されているおすすめの書籍をランキング形式でご紹介。さらにその中からアクセスの多かったトップ3の書籍について本文で詳しく見ていきます。

まずは2024年3月にビジネスパーソンから最も読まれた10冊の書籍の発表です!

1位:『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』(元山文菜/クロスメディア・パブリッシング)
2位:『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』(古屋星斗/日本経済新聞出版)
3位:『アドラー流 気にしないヒント』(岩井俊憲/三笠書房)
4位:『「伝える前」が9割』(浅田すぐる/KADOKAWA)
5位:『何でも言える職場はどっち?』(池本克之/自由国民社)
6位:『自分を変える話し方』(寺田有希/クロスメディア・パブリッシング(インプレス))
7位:『すごい心理学』(内藤誼人/総合法令出版)
8位:『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に負けない話し方を教えてください!』(ひろゆき/サンマーク出版)
9位:『続ける思考』(井上新八/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
10位:『思いつきって、どうしたら「自分の考え」になるの?』(深沢真太郎/日本実業出版社)

※本の要約サービス「flier(フライヤー)」の有料会員を対象にした、2024年2月25日〜2024年3月24日の閲覧数ランキング

「きまぐれ上司のご機嫌取り」は業務のムダ

タイパ時代に追いつく!会社のムダ作業を無くすコツ 2024年3月に読まれたビジネス書トップ3
(画像=adrian_ilie825/stock.adobe.com)

2024年3月の月間ランキング第1位は、『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』です。

ビジネスパーソンは誰しも、毎日の業務の中で「これってムダじゃない…?」とため息をついたことが何度もあるはず。本書はそうした「ムダ」100個を、業務のムダ・管理のムダ・共有のムダ・処理のムダ・コミュニケーションのムダ・会議のムダ・組織のムダの7つに分類し、一つひとつの解決策を教えてくれます。

その中で面白かったムダの1つが、「きまぐれ上司のご機嫌取り」。経緯を理解しないままとんちんかんな質問をしてきたり、いくら説明しても理解してくれない。さらには思いつきで指示を出してくる上司への対応に振り回されるーー。

そうしたムダを無くすための対応策としては、次の5つのポイントを押さえた「戦略的説明」をするとよいのだとか。

①前提をすり合わせる、②説明することの範囲を示す、③たとえ話をする、④相手の理解に合わせたスピードを意識する、⑤情報量を意識する

相手を変えるのは難しい。だからこそ戦略的に上司を納得させる手法を身に着けてムダをなくしていきませんか。一つ一つ試してみることで、仕事も気持ちもラクになるはずです。

無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた
無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた
元山文菜
出版社:クロスメディア・パブリッシング
発売日:2023年09月01日
ジャンル:生産性・時間管理

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ゆるい職場をやめる若者が考えていること

第2位は、部下をもつビジネスパーソンならきっと気になるタイトル『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』です。

本書の帯にある「きつくても、ゆるくても辞める。ほめても不十分…ではどうする?」という文言は、人材育成や若手とのコミュニケーションに悩むリーダー層が多く抱えている問いなのではないでしょうか。

昨今の労働環境の改善に伴い、「休みがとりやすく残業もほとんどない」、いわゆるゆるい職場が広がりつつある一方で、若手の離職率は上昇しつつあります。そこには「会社に不満はないけど不安がある」=「このままこの会社で仕事していても成長できないのではないか」という若者の思いと決断が見えてきます。

短期で成長実感が得られる業務にアサインし、自分のアクションが成長に繋がっていることを実感させる。また本人のやりたいことを尊重しつつ、若手の合理性を超えた機会や経験を与える。こうした若手育成の打ち手を一つ一つ実行していくことが、「優秀な人材ほど辞める」を食い止める方法といえるのです。

著者がZ世代から直接聞いた「本音」が多く散りばめられている本書は、心に刺さるものがあるものの、この春に新入社員を受け入れるにあたり必ず読んでおきたい一冊といえるでしょう。

なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか
なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか
古屋星斗
出版社:日本経済新聞出版
発売日:2023年11月24日
ジャンル:リーダーシップ・マネジメント・人事

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自分を「勇気づける」、アドラーの教え

第3位は、『アドラー流 気にしないヒント』。2013年に『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎/古賀史健)が大ベストセラーに!日常の生活で感じる悩みの解決の糸口となるアドラー心理学に興味を持った人も多いでしょう。

アドラー心理学の基本にある「勇気づけ(困難を克服する活力を与えること)」という考え方。自分が理想とする姿から逆算して行動していく方法は、きっと多くの人に役立つはずです。

その手順は3ステップ。まずは、社会に対して果たすべき目的・責任・役割を考え、自身の「ミッションを掲げる」。次に理想とする「ビジョンを持つ」。最後に「断言(すでに…である、と自分に宣言する)・断想(自分の輝かしい場面をイメージする)・断行(断言した内容を行動に移す)」を行なうことで、気持ちが変わり、現実も少しずつ変化していくのだとか。春から自分や現状を変えたいと思っている人は、ぜひ一歩踏み出すきっかけに試してみては? 他にも「相手との行き違いをなくすコツ」「何ごとも『受け止めやすくする』工夫」など、自分が生きやすくなるための具体的な方法を学ぶことができます。ぜひ手にとって一読してみてはいかがでしょう。

アドラー流 気にしないヒント
アドラー流 気にしないヒント
岩井俊憲
出版社:三笠書房
発売日:2023年05月20日
ジャンル:自己啓発・マインド

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いかがでしたか?

ランキングの上位を見てみると、新年度に仕事や人間関係の悩みを一つずつ無くそうとする読者の傾向がみえる結果となりました。どの書籍も、決して難しい内容ではなく、明日から毎日を変えられるヒントがたくさんあるので、ぜひ試してみてください。

少しでもあなたに合いそうな1冊があればお手にとっていただければ幸いです。

来月はどういった書籍が読まれるのでしょうか。ぜひ皆様も予想してみてください。

flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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