外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2024年4月1日8時10分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼29日(金)の為替相場
(1):鈴木財務相、神田財務官 円安をけん制
(2):フランスのインフレが予想以上に低下
(3):米PCEデフレーターは予想通り
(4):パウエルFRB議長「利下げを急ぐ必要はない」

▼29日(金)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:閑散取引が続く/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

29日(金)の為替相場

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(1):鈴木財務相、神田財務官 円安をけん制

鈴木財務相は円安を巡り1ドル152円が円買い介入に踏み切る水準かと問われ「水準が問題ではなく動き、変化に注目している。具体的な防衛ラインはない」と述べた。また、「投機的な動きも見られる。ファンダメンタルズに沿っていない部分もあるのではないか」と指摘した。「高い緊張感をもって注視し、行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せずに適切な対応をとる」と語った。その後、神田財務官も「米国のインフレは沈静化し、日本はようやくマイナス金利を脱却できるくらいデフレのノルム(社会規範)が変わってきている」「日米のインフレ率の動向や見通し、金融政策、金利の方向性といったファンダメンタルズに照らすと(円安に)強い違和感を覚えざるを得ない」と発言。その上で、「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視し、行き過ぎた行動に対してあらゆる手段を排除せず適切な対応を取る」とあらためて強調した。

(2):フランスのインフレが予想以上に低下

仏3月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.2%、前年比+2.3%と市場予想(+0.5%、+2.6%)を下回り、前年比の伸び率は2021年9月以来の低さとなった。

(3):米PCEデフレーターは予想通り

米2月個人消費支出(PCE)は前月比+0.8%と市場予想(+0.5%)を上回った。米連邦準備制度理事会(FRB)が注目する米2月PCE物価指数(デフレーター)は前年比+2.5%と予想通りに前月(+2.4%)から小幅に伸びが加速した。伸び率が加速したのは2023年9月以来5カ月ぶりで、米国のインフレの下方粘着性が浮き彫りになった。なお、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターも前年比+2.8%と予想通りだった。

(4):パウエルFRB議長「利下げを急ぐ必要はない」

パウエルFRB議長は、2月PCEデフレーターについて「ほぼ我々の予想どおりだった。予想どおりの結果を見るのは良いものだ」と述べた。その上で「利下げを急ぐ必要はなく、我々はインフレ率が持続的に2%まで下がることを、より確信できるまで待つことができる」と語った。