本記事は、高橋慶行氏の著書『投資1年目の教科書』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

ビジネス,投資
(画像=everythingpossible / stock.adobe.com)

ビジネスとして投資に取り組もう

この項目の3つのポイント
  1. 投資はショッピングではなく、ビジネスである。
  2. まずは安定的に利益が期待できるルールを作る。
  3. ルールができたら淡々とそのルールを守る。

投資を未来予想ゲームだとか、必勝法があって、そのとおりにやれば簡単に勝てるようなギャンブルのように考えている方が多いのですが、それは誤解です。最近ではスマートフォンのアプリなどで簡単に資産運用ができるサービスが増えています。スマートフォンで買い物をすることも当たり前になった今の時代には、ワンクリックで資産運用が始められるということも当たり前になってきましたが、そういう「簡単にできる環境の変化」も「投資は簡単に儲かるものだ」という誤解を生む1つの原因なのかもしれません。

投資が簡単にできる時代になったテクノロジーの変化は素晴らしいものです。しかし、だからこそ、よく考えてほしいと思うのです。お金を使ってお金を増やすということの本質を理解せずに、お金をショッピングするかのように投じると大抵の場合は損をする結果になります。日本人は学校でお金の勉強や投資の勉強をすることはないので、投資で堅実にお金を増やすための正しい教養を持っている人はほとんどいません。教養は1日で身につくものではありませんし、教養が身についたとしても利益は市場の動きに左右されるので、すぐに莫大な利益が手に入るわけではありません。

ですが、投資1年目の投資家にとって大切にしたい心得というものはあります。その心得とは、ビジネスとして投資に取り組むということです。

ほとんどの日本人投資家は「何かいい情報を手に入れれば儲かる」と誤解をしていますが、そんな夢のような情報はありません。継続して安定的な利益を得ることを目指すのであれば、他人の意見を鵜呑みにしてはいけません。しっかりと投資を学び、模範的な行動を繰り返していく投資家のみが安定的な利益を得られるのです。つまり、投資も1つのビジネスなのです。

ビジネスにおいては、たとえば会社員であれば必ず会社のルールに従わなければなりません。ルールの中には、絶対に外してはならない重要なルールもありますし、重要なルールと思われながらも実は会社の利益に直接つながらないようなルールもあるでしょう。しかしルールが会社にとって必要なものだと考えられているので、基本的には社員はそのルールを守ります。

ルールは社員に不自由を感じさせてしまうことがありますが、ルールがあるからこそ予期せぬトラブルを未然に防ぐという効力もあります。投資家も同じく、利益を生み出すためのルールというものをきっちり作って、そのルールを守りながら利益を上げていくようにしていかないと、安定利益はなかなか実現できません。

まだ株をやったことがない方は、読み飛ばしていただいても結構ですが、たとえば株で銘柄を選ぶ際にも、自分なりの銘柄選定の理由を決めておくことが大切です。JPX日経400というカテゴリの銘柄があります。これは資本の効率的活用や株主を意識した経営など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たす「投資者にとって投資魅力の高い会社」400社から構成されるものです。

JPX日経400の選定方針に納得しているのであれば、この400社の中から銘柄を選ぶというルールにしてもいいでしょう。この中から自分の投資資金で選べる銘柄を絞り込み、さらに直近の株価の推移を見て、上昇トレンドに転じたところだろうという銘柄があれば、それを買うなどといったルールをさらに付け加えるのもいいでしょう。

大切なことは、ビジネスとして、決めたルールを守ること。そして、淡々とそのルールを継続することで利益を積み上げていくことです。もちろんそのルールにある程度の根拠があることが大前提ですが、時にはルールを守り、時にはルールを守らないという投資を続けていると、結局は感情に任せたギャンブル的な投資になりがちで、将来的に安定した利益を得ることはできません。

投資は勤めることで得られる収入とは違い、時間や場所などの自由度が圧倒的に高いという特徴があります。ネットで投資が簡単にできる時代になり、簡単に資産運用が始められるようにはなりましたが、「楽に稼げる」ようになるには、ビジネスと同じように「稼げる仕組み」の下準備を行う必要があるのです。投資も1つのビジネスだから、ビジネスとしてゼロから勉強し、最終的には収入源を構築していくのだという決意が、投資1年目の投資家には必要です。

投資の勉強には終わりがないことを知っておこう

この項目の3つのポイント
  1. 投資は公平に与えられた最高の収入源候補である。
  2. 身につけた投資技術と頭脳は一生ものである。
  3. 投資でも常に自己研鑽けんさんし続ける意欲がとても大切。

投資は、トータル勝負で勝ち負けが決まっていくものです。たとえて言うと、野球のようなものです。野球というのは1回でたくさんの点数が取れれば勝ちというゲームではなく、攻撃や守備を繰り返し、相手の出方によって戦術を柔軟に変えながら、9回まで戦って最終的に点数が高いチームが勝ちというゲームです。相手は無数にいますから、相手によって対処の仕方を変えなくてはなりません。必勝法はなく、自分のチームの選手が怪我をしてしまって、いつもならできることができなくなるということさえあります。

投資もこれに似ていて、相場を動かすのは基本的には人であり、感情を持っています。

相場を短期的に動かすことができるぐらいの大きな資金量を持った機関投資家でも、最終的に売買の判断をするのは人間です。

相場の世界は、そのときの状況に応じてやり方を変えていく必要があります。プロであっても百戦百勝ということはなくて連敗が続くことさえあるわけですが、プロはそういうときには新しい方法を試すものです。1年目の投資家にとっては難しい話かもしれませんが、相場には必ず相手がいるものです。そして状況によって相手の出方は変わっていきます。したがって私たち投資家の学びに終わりはありません。次々と新手法が登場してくるからです。相手も新手法を使いますし、私たちも新手法を使いこなす必要があります。

投資の勉強を長く続けていくと、投資家としてレベルアップして勝つ確率は高くなりますが、それでも1回の大損で再起不能になる可能性がいつでもあるのが投資の世界です。したがって投資家として長く安定して利益を上げていくためには、調子に乗ることは禁物です。自分は投資家としてはどこまでいっても不完全であり、いつでも損失をする可能性があるという心構えを持って、常に学び続けることが肝心です。それは謙虚な姿勢ですが、しかしその謙虚さこそが投資家としての自信を作ってくれるのです。

ですが安心してください。投資の勉強は実は楽しいものです。投資の勉強を続けていくと、世の中の動きや時代の移り変わり、お金の流れや政治の話が、すべて1つにつながってきます。以前は関心がなかった海外の政治の情報や、さまざまなニュースなどが理解できるようになります。教養がどんどん深まっていく実感も捨てがたいでしょう。何よりその情報が、自分の儲けにダイレクトにつながるということを感じ、そしてそのとおりになったとき、投資の勉強の醍醐味にあなたは気が付くことでしょう。投資の勉強を正しく続けている限り、その日は必ずやってきます。

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『投資1年目の教科書』より引用
高橋 慶行
1982年、宮城県仙台市生まれ。成蹊大学経済学部卒業。投資の学校グループ代表。
世界基準の本物の投資教育と最高の学びの環境を提供することをビジョンとし、投資教育に関するプロジェクトを複数主催する株式会社ファイナンシャルインテリジェンス代表取締役。
教師一家に生まれ、日本人にとって必要な教育事業を作ることを目標にして、学生時代を過ごしながら、学生起業を経験。
社会人となり、リクルート社で新卒採用に関する営業を経験し、トップセールスマンとして表彰をされ、その後独立。
人生を豊かにするために必要でありながら、学校ではわからない総合的な教養を提供するうえで、自らも起業経験が必要と感じ、2008年、起業。
2013年10月、投資教育の必要性を強く感じ、株式会社ファイナンシャルインテリジェンスを設立し、2014年「投資の学校」を開校。
2019年現在、正しく投資教育の学習環境を用意し、累計12万人以上の一般投資家に対して、株式、FX、信用取引、オプション取引日経225先物、米国株などの授業を提供している。

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