本記事は、高橋慶行氏の著書『投資1年目の教科書』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

トレード
(画像=ParinApril / stock.adobe.com)

インベストメントではなくトレードをしよう

この項目の3つのポイント
  1. 投資にはインベストメントとトレードがある。
  2. 投資の中でも、これからはトレードをやろう。
  3. トレードは対処の仕方を覚えれば利益が安定する。

日本では「投資」というとインベストメントとトレードの両方を含んだ広い意味で使われることが多いようです。インベストメントもトレードも「同じようなもの」と考えている投資家がいますが、この2つは異なるものです。トレードも、株やFXなどにお金を投じて利益を上げようとする行為であるという点では同じですが、「勝ち方」がまったく異なります。

インベストメントとは、価値に対して資金を投じることです。株式投資の場合では、企業価値などに注目して資金を投じることをインベストメント(あるいは単に「投資」)と呼びます。したがってインベストメントでは、企業の成長性、将来性を分析し、企業価値が上がることを期待してお金を投じることになります。インベストメントをするには、その企業の属する業界の成長性、経営計画など、つまりファンダメンタルズを勉強しないとなりません。また企業価値が上がるまでにはある程度時間がかかりますので、中長期的な視点で物事を考えることも必要になります。

インベストメントでは、本来よりも割安な株価の銘柄を見つけてきて高く売る「バリュー投資」、現在は安いけれども将来的に成長が期待できる銘柄を見つけてきて、仕込んでおく「グロース投資」などの方法があります。要するに、他の人には見えていない、その企業の「価値」に焦点を当て、本来の価値あるいは将来の価値に比べて現在は「安い」と判断して資金を投じるのが、インベストメントです。

このように価値に重点を置くインベストメントに取り組むには、長期的視野と深い学びが必要です。そこで私が考えるのは、日本人が投資1年目でまず学ぶべきことは、トレードだということです。ちなみにトレードは「投機」と呼ばれることもあります。投機を「ギャンブル」のように思い込んで、危険なものだと勘違いをしている日本人は多いのですが、結論から言えば、トレードこそ再現性が高い上にリスク管理がしやすい売買ルールを作り上げることができ、最も堅実に利益を狙える投資の方法です。トレードを正しく学べば、大損を未然に防ぐこともできるし、コツコツと利益を積み上げることもできます。

トレードにおいて大切なことは、価値ではありません。株式トレードとは、個別銘柄の株でトレードすることですが、株式トレードで利益を上げるために企業の価値は関係ありません。

トレードにおいて大切なことは、現在の価格とこれまでの過去の値動きです。現在の価格が過去と比べてどうかで、今買うべきなのか、売るべきなのかを判断していきます。投資の世界では、価格の動きをまとめた図をチャートと言い、トレードではチャートを使って分析を行い、売買の判断をします。

インベストメントの場合は、企業の決算書や経営計画の資料などだけを見て、チャートを見ずに銘柄を決める投資家もいます。しかしトレードで、チャートを見ずに注文することはあり得ません。チャートを見ずに売買するのは、それこそ丁半博打のようなものです。

チャートとは「過去」の価格の動きをまとめたものであり、トレードはその過去の情報に基づいて行われます。その意味では、インベストメントが未来予測であるのに対して、トレードは未来予測ではありません。トレードは現在起こっていることへの対処なのです。つまり、利益を上げていきたいと思うのであれば、「対処の仕方」を学ぶことになります。

トレード、すなわち「対処」ができるようになると、時間や場所、組織などに左右されない収入源候補を手に入れることができます。こういうケースではこうする、ああいうケースはああするといったことが対処であり、経験による積み重ねでスキルが高まるものなのです。

さらに、トレードは「ルールが作れる」という強みがあります。トレードルールと言います。トレードルールとは、いつ買うか、どのようになったら買うか、いつ売るか、どのようになったら売るか、などの売買のルールを作ることですが、一流のプロのルールというものは、利益を生み出すビジネスモデルのようになります。

もちろん、注意も必要です。いくら優れたルールであっても100%勝てるルールはありませんから、鵜呑みにしてはいけません。必ず勝ち負けを繰り返します。しかし、勝ち負けを繰り返しながら、堅実に勝てるルールというものは、必ず作り上げることができます。それが、トレードを行い、技術を磨き続けることの大きなメリットです。

インベストメントは、将来実れば勝ちですが、結果が出るまでに時間がかかることが大半です。時間がかかる分、突発的な事件や経済情勢の変化など不確定要素も増えます。

一方トレードは、過去のチャートから「注文する理由」「決済する理由」を見つけ出し、その理由が正しければ儲けることができます。極めて技術的な話であり、技術ですから経験を積めば積むほど磨かれます。天才的なひらめきが必要なわけではなく、老若男女を問わず努力と経験を積めば誰でもできる、極めて「民主的な」収入源候補だと言えます。

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『投資1年目の教科書』より引用
高橋 慶行
1982年、宮城県仙台市生まれ。成蹊大学経済学部卒業。投資の学校グループ代表。
世界基準の本物の投資教育と最高の学びの環境を提供することをビジョンとし、投資教育に関するプロジェクトを複数主催する株式会社ファイナンシャルインテリジェンス代表取締役。
教師一家に生まれ、日本人にとって必要な教育事業を作ることを目標にして、学生時代を過ごしながら、学生起業を経験。
社会人となり、リクルート社で新卒採用に関する営業を経験し、トップセールスマンとして表彰をされ、その後独立。
人生を豊かにするために必要でありながら、学校ではわからない総合的な教養を提供するうえで、自らも起業経験が必要と感じ、2008年、起業。
2013年10月、投資教育の必要性を強く感じ、株式会社ファイナンシャルインテリジェンスを設立し、2014年「投資の学校」を開校。
2019年現在、正しく投資教育の学習環境を用意し、累計12万人以上の一般投資家に対して、株式、FX、信用取引、オプション取引日経225先物、米国株などの授業を提供している。

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