本記事は、高橋慶行氏の著書『投資1年目の教科書』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

資金管理
(画像=suldev / stock.adobe.com)

資金管理を徹底しよう

この項目の3つのポイント
  1. 投資は資金管理とリスク管理が大切。
  2. 投資対象の値動きに合わせた適切な資金管理を。
  3. 何事も起こる時代の適切なリスク管理を。

投資において、「負けない」ことは最重要課題です。そして負けないために最も大切なことは資金管理です。ほとんどの投資家は、投資手法や銘柄選定などに強い関心がありますが、資金管理などにはほとんど関心がありません。しかし資金管理がうまくできないと、投資で安定して利益を上げることはできません。

資金管理とは、自身の投資資金全体の中から、今回の投資にバランス良く資金を当てることです。ポジション管理とも言います。たとえば全部で100万円の投資資金があり、その中から30万円で株を買ったときには、「30%のポジションを持っている」と表現します。

投資1年目の投資家が利益を上げようと思ったら、予想などをせず、価格の流れ(波動)に素直について行ったほうが良いと思います。ただし1つ注意が必要です。それはしっかりと資金管理をするということです。

投資で儲けたい人は、いつ買えばいいのか、いつ売ればいいのか、何を買えばいいのか、今後は上昇するのか下降するのか、など価格の方向性について関心があります。しかし資金管理を無視して投資を続けると、「価格の方向性は当たっているのに負けた」ということが起こります。上昇トレンドも下降トレンドも、上げ波動、下げ波動を繰り返しながら上昇または下降します。そして、その途中過程では一時的な含み損を抱えることが起こります。ところが、資金管理を間違えると、その「一時的な損失」が命取りになることがあるのです。

たとえば銀行から証券会社に100万円の資金を移し、その100万円を目一杯使ってFXでドル/円を買った(ドルを円で買った)とします。ドルの上昇トレンドが発生すれば利益は出るのですが、一時的に下がって、それから価格が上昇をするような場合には、値幅によっては強制ロスカットになることがあります。そうなると、その後やってくる上昇トレンドでポジションを持つことができなくなってしまうこともあるわけです。

一方、投資用資金に対してあまりにも少額な投資をした場合には、一時的な下げがあろうとも強制ロスカットされることなどはまずあり得ませんが、結局数百円しか利益が取れないことになります。100万円の投資資金を移したのに数百円しか儲からなければ、「損はしていないけれども、利益が取れるチャンスをしっかり取れていない」という意味で失敗です。

勝率7割の売買手法を持っているプロトレーダーであっても、相場次第では2連敗、3連敗することはよくあります。場合によっては4連敗、5連敗をすることもあるでしょう。そのぐらいの連敗があっても、100回、200回とトレード数を重ねていけば、トータルでは7割勝てるはずなのですが、資金管理を疎かにしていると、取り返す前に資金が尽きてしまうこともあるのです。

有名な資金管理のルールとして、投資用資金の最大2%を損切りラインに設定するという考え方があります。資金100円でトレードをした場合、100万円の2%である2万円を損切り幅の最大額に設定するわけです。1回目のトレードで5万円の利益が出たとしたら、その次のトレードでは105万円に対する2%である、2万1,000円を損切りの最大値として設定することになります。逆に1回目のトレードで2万円負けたら、そこで損切りし、次の損切りラインは98万円の2%である19,600円になります。

優位性のあるエッジのある売買をしつつ、資金管理を徹底して行えば、大損や塩漬けなどを堅実に防ぐことができます。

株でもFXでも日経225先物でも、値動きがある投資対象であればすべて同じ考え方ができるのですが、「その投資対象(銘柄)が平均的にどれほどの値動きがあるのか」ということから大まかなリスクを想定し、投資資金を決定していく方法もあります。

株式投資の場合、日本では投資できる銘柄が3,000以上もあります。これだけあると値動きが激しい銘柄と値動きが穏やかな銘柄ではかなり値幅に差があります。また1つの銘柄でも1年を通して観察すると、値動きが激しい時期と、値動きが穏やかな時期というものがあります。

たとえば50万円である銘柄を買おうとするにも、値動きが激しい時期に投じる50万円と値動きが穏やかなときに投じる50万円ではリスクはまったく異なります。このときに参考になるのがATRというテクニカル指標です。

ATRとは、指定した期間の値動きの平均を示す指標です。ATRが高いということは、それだけボラティリティ(値幅)があるということなので、損失リスクも大きくなるということになります。

『投資1年目の教科書』より引用
(画像=『投資1年目の教科書』より引用)

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『投資1年目の教科書』より引用
高橋 慶行
1982年、宮城県仙台市生まれ。成蹊大学経済学部卒業。投資の学校グループ代表。
世界基準の本物の投資教育と最高の学びの環境を提供することをビジョンとし、投資教育に関するプロジェクトを複数主催する株式会社ファイナンシャルインテリジェンス代表取締役。
教師一家に生まれ、日本人にとって必要な教育事業を作ることを目標にして、学生時代を過ごしながら、学生起業を経験。
社会人となり、リクルート社で新卒採用に関する営業を経験し、トップセールスマンとして表彰をされ、その後独立。
人生を豊かにするために必要でありながら、学校ではわからない総合的な教養を提供するうえで、自らも起業経験が必要と感じ、2008年、起業。
2013年10月、投資教育の必要性を強く感じ、株式会社ファイナンシャルインテリジェンスを設立し、2014年「投資の学校」を開校。
2019年現在、正しく投資教育の学習環境を用意し、累計12万人以上の一般投資家に対して、株式、FX、信用取引、オプション取引日経225先物、米国株などの授業を提供している。

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