トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「インフレ低下、中銀総裁は依然慎重。リラは安定継続」トルコリラ見通し

(通貨11位、株価首位)
予想レンジ トルコリラ/円4.4-5.4

*リラは今年3月からは対ドルで安定、対円では小幅高
*トルコの株価指数は世界で断トツの1位
*6月CPI低下を受けて大統領、財務大臣、中銀総裁が発言
*今週は指標発表が多い、投資家との懇談会もあり
*トルコは上海協力機構(SCO)の正式メンバーになることを望んでいる
*エルドアン大統領は今週、ワシントンでのNATO首脳会議に参加する
*トルコ、グレーリストから除外。資金流入に期待
*フィッチは2024年のトルコの成長率を上方修正
*5月に月間予算黒字が過去最大に
*貿易・経常赤字は続く
*トルコには為替レートの目標はなく、インフレ抑制が主要目標
*海外投資家は、最も速いペースでトルコ国債を購入

(リラは今年3月からは対ドルで安定、対円では小幅高)
リラは年間11位。対円で3.15%高、対ドルで10.54%安、株価(イスタンブール100)は45.43%高で世界でトップのパフォーマンス。10年国債利回りは27.35%(年初は25.13%)。今年の3月からリラは32ドル台で安定推移している。

(6月CPI低下を受けて中銀総裁は)
トルコ中銀カラハン総裁は、中銀は物価高騰と闘う決意で、引き締め政策を根気よく維持していくと述べた。一連の積極的な利上げにより高水準のインフレが抑制され始めている。
「引き締め政策を維持し、データと予想がわれわれのディスインフレ軌道に一致するのを待つ。この点でまだ先があると考えている」と語った。
また、「月次インフレの基調的傾向が大幅かつ持続的に低下するよう期待する。インフレ抑制に向け強い決意を持っている」と述べた。
6月の消費者物価上昇率は、前年比71.6%と予想以上に減速。前月比も予想より減速し、ディスインフレが始まったとみられている。
中銀は3月に政策金利を5%引き上げて50%として以来、政策を維持しているが、インフレ見通しが悪化した場合は行動を取ると明言している。

(エルドアン大統領がインフレを語る)
エルドアン大統領は「金融政策がインフレ抑制に効果をもたらすには、しばらく時間がかかるだろう。ただ9月のインフレ率は50%を下回る見込みだ」と述べた。

(シムシェキ財務大臣)
シムシェキ財務大臣は「金融の安定、持続可能な経常収支赤字、準備金の蓄積、グレーリストからの脱却など多くの分野で我々が達成した成功は、我々のプログラムの主要目標であるデインフレにおいても明らかになるだろう」と大臣は述べた。

政府の2024年のインフレ目標は33%となっている。

(今週は指標発表が多い、投資家との懇談会もあり)
今週は5月失業率、鉱工業生産、小売売上、経常収支や外貨準備高の発表がある。
財務大臣および中央銀行総裁は7月11日に投資家と懇談する予定。