トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

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総括

FX「もみ合う=FRB金利低下観測で買われ、トランプ氏の利上げ観測と円買い介入で売られる」トルコリラ見通し

(通貨11位、株価首位)

予想レンジ トルコリラ/円4.2-5.2

*FRB金利低下観測で買われ、トランプ氏の利上げ観測と円買い介入で売られる
*円と最下位争い白熱
*経済指標は、力強さがない
*来週は政策金利決定
*カラハン中銀総裁とシムシェキ財務相がロードショー
*中国BYDがトルコ進出
*リラは今年3月からは対ドルで安定、対円では小幅高
*トルコの株価指数は世界で断トツの1位
*6月はCPI低下
*トルコは上海協力機構(SCO)の正式メンバーになることを望んでいる
*フィッチは2024年のトルコの成長率を上方修正
*5月月間予算黒字が過去最大に
*貿易・経常赤字は続く
*トルコには為替レートの目標はなく、インフレ抑制が主要目標
*海外投資家は、最も速いペースでトルコ国債を購入

(パウエル議長か、トランプ前大統領か)
 米国の景気減速や物価の低下でFRBの9月利下げも視野に入ってきた。それでリラだけではなく、ランドやペソ等の高金利通貨が買われていたが、トランプ氏の暗殺未遂事件でトランプ氏の支持率が上昇、逆に利上げ観測が出てきたところから。
円買い介入も相俟ってリラなどは下落した。

(円買い介入で下落、円と最下位争い)
 円買い介入があり、リラ安が進み年間ではほぼ円と並び最下位争い。先週は最弱、7月はここまで最下位。 
 株価(イスタンブール100)は48.12%高で世界でトップのパフォーマンス。10年国債利回りは27.73%(年初は25.13%)。

(経済指標は、力強さがない)
5月失業率は8.4%で4月の8.5%から改善。5月鉱工業生産は前年比で0.1%減、4月の0.7%減から改善した。5月小売売上は前年比5.8%増で4月の10.2%増から伸び幅を縮小、

5月経常収支は12.4億ドルの赤字で4月の52.9億ドルの赤字から改善した。
6月自動車生産は前年比15.8%減で5月の3.7%減から悪化した。

(来週は政策金利決定)
 7月25日に政策金利決定がある。 6月の消費者物価上昇率は、前年比71.6%と予想以上に減速。前月比も予想より減速し、ディスインフレが始まったとみられている。ただ中銀総裁の発言はまだタカ派だ。対ドルで一時33台へ乗せただけに、為替も考慮されるだろう。

(カラハン中銀総裁とシムシェキ財務相がロードショー、投資家にアピール)
カラハン中銀総裁とシムシェキ財務相は先週日、経済は持続的なディスインフレの局面に入りつつあるとの認識を示した。外国人投資家やトルコの企業・銀行幹部向けのプレゼンテーションで述べた。
カラハン氏は投資家に対して、トルコが「持続的なディスインフレの局面に差し掛かる中」、中銀は引き締まった政策スタンスを維持すると表明。
シムシェキ氏は、よりバランスが取れて持続可能な成長に向けた「構造改革」の一環として、徴税の近代化と支出の見直しを進めると語った。
両者は、金融・財政の引き締め政策を通じて、高騰するインフレへの対処に取り込んできた。6月の消費者物価は前年比上昇率が72を割り込み、5月の75%超から鈍化した。
シムシェキ氏は、経済はディスインフレの道を歩み始めているとし、インフレ率は2024年末には40%を下回る見通しだと語った。