毎年、新たに発売されるビジネス書は約6,000冊といわれています。いったいどの本を読めばいいのか、迷ってしまう方も多いでしょう。
このコーナーでは、読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で注目されているおすすめの書籍をランキング形式でご紹介。さらにその中からアクセスの多かったトップ3の書籍について本文で詳しく見ていきます。
まずは2024年9月にビジネスパーソンから最も読まれた10冊の書籍の発表です!
1位:『「指示通り」ができない人たち』(榎本博明/日本経済新聞出版)
2位:『池上彰の未来予測 After 2040』(池上彰/主婦の友社)
3位:『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(松橋良紀/明日香出版社)
4位:『要領よく成果を出す人は、「これ」しかやらない』(塚本亮/PHP研究所)
5位:『一日の休息を最高の成果に変える睡眠戦略』(角谷リョウ/PHP研究所)
6位:『努力革命』(伊藤羊一,尾原和啓/幻冬舎)
7位:『精神科医Tomyのほどほど力』(精神科医Tomy/大和書房)
8位:『凡人が天才に勝つ方法』(つんく/東洋経済新報社)
9位:『最強の外国語習得法』(Kazu Languages/SBクリエイティブ)
10位:『脳を最適化すれば能力は2倍になる』(樺沢紫苑/文響社)
※本の要約サービス「flier(フライヤー)」の有料会員を対象にした、2024年8月25日〜2024年9月24日の閲覧数ランキング
指示したことができない部下に困ったら
2024年9月の月間ランキング第1位は、『「指示通り」ができない人たち』でした!
指示通りに動けない人、質問に対する回答が要領を得ない人、自分の課題に目を向けられない人ーー。そんな職場の困った人たちの思考・行動パターンを分析。そこには「認知能力」「メタ認知能力」「非認知能力」のいずれかの欠如があると、著者である心理学者の榎本博明さんは指摘します。そのうえで、一つひとつの行動の原因と対応策を教えてくれます。
たとえば、タイトルにもある指示されたことをその通りにできない人。本書の中では、「顧客データを入力しておいて、終わったらシュレッダーにかけて」と指示された部下が、いきなり顧客データをシュレッダーにかけようとしたケースが紹介されています。
ここでは認知能力不足による次の原因が考えられます。それは複数の指示を一度に理解することが苦手だということ。「顧客データを入力しておいて、終わったらシュレッダーにかけて」というのは、一見シンプルな指示のようですが、実は「顧客データの入力を頼む」と「入力が終わったらシュレッダーにかけて」という2つの指示で構成されています。だからこそ、指示に混乱してしまう人には、さらに細分化し「顧客データの入力→入力が終わったらシュレッダーにかける」と記した紙を渡すことで、最初のデータ入力に集中してもらい、指示通りの仕事の遂行へと導くのです。
部下や同僚が思ったように動いてくれないのには、何かしらの原因があるはず。職場でのコミュニケーションやマネジメントに悩む人はぜひ一読してみてください。
必読!池上彰の「未来への準備」の参考書
第2位は、「2040年の世界」を予測し、明るい未来をつくるための提言をまとめた『池上彰の未来予測 After 2040』です。
池上彰さんの番組を視聴するかのごとく「仕事」「教育」「自然災害」「暮らし」「健康」の5つのカテゴリーから、現在や過去に起こったことと、それらから考えられる未来予想図を読み進められます。
以前から様々な場所で語られている「AIは私たちの仕事を奪うのか?」という問いが気になる人も多いでしょう。実際にオープンAIとペンシルベニア大学の論文によると、生成AIの普及は、アメリカの労働者の約8割に影響を与える見込みだとか。単純作業のアルバイト、職種によっては弁護士など参入障壁が高い仕事やホワイトカラーの仕事など、様々な職種に影響があることが予測されます。
しかし過去を振り返ると仕事が消えたかわりに、新しい仕事もどんどん生まれていることも事実です。一部の仕事が消えても、失業率が高いままというわけではありません。AIの導入によって生産性が向上してワークライフバランスが進み、人手不足のため賃金も上昇する……というのが著者が予測する「明るい未来」。一方の「暗い未来」はどう想定されるのか。
私達にとってそう遠くない「未来」の全体像をぜひ掴んでみましょう。
発売日:2024年07月31日
ジャンル:グローバル・政治・経済・ファイナンス・テクノロジー・IT・サイエンス
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うまく雑談できる人は相手に合わせ、できない人は自分らしく対応する。
第3位は、『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』です。著者である松橋良紀さんは、これまで30年以上にわたって話し方や聴き方のスキルを研究し続け、『聞き方の一流、二流、三流』や『すごい雑談力』などのベストセラーでも知られています。
本書では「うまく雑談できる人」と「できない人」を比較しながら、雑談がうまい人の習慣や工夫を紹介。「雑談のはじめ方」「言葉選び」「リアクション」「話し方」「マインド」という5つの観点から、「うまく雑談できる人」になるためのコツを学ぶことができます。
うまく雑談できる人が信頼関係を築くために使っているのが、相手のペースに合わせる心理技術の「ページング」。相手の言葉をオウム返しする「言葉のページング」、相手と声の大きさ・高さ・テンポを合わせる「声のペーシング」。そしてもっとも大事なのが「ボディランゲージのペーシング」です。相手の呼吸に合わせて自分の呼吸をコントロール。姿勢や身体の揺れ方などを観察して、合わせていく。さらに、相手が話し終えて沈黙したら、こちらも沈黙して動きだけ合わせる。そうすることで、相手が自然としゃべりだすのだとか! これらのページング、あなたはできていましたか? ぜひ本書にある様々なコツを試してみてください。
いかがでしたか?
ランキングの上位を見てみると、職場の困りごと解消の指南書や未来予測など、これからをより良くするための答えを探す読者の姿が反映された結果となりました。どの書籍も決して難しい内容ではなく、明日から毎日を変えられるヒントがたくさんあるので、ぜひ試してみてください。
少しでもあなたに合いそうな1冊があればお手にとっていただければ幸いです。
来月はどういった書籍が読まれるのでしょうか。ぜひ皆様も予想してみてください。
flier編集部
本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。
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