トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「「インチ バイ インチ」の上昇。10月2位。日銀介入以来の雲上」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価5位)
予想レンジ トルコリラ/円4.1-4.6

*今月は2位と好調、年間は12通貨中11位、静かに小刻みに上昇
*長期金利(10年国債)は29%台で高止まり。株価は勢いを失う
*政策金利は50%に据え置き。利下げ開始は来年にずれ込む予想
*利下げへの条件は
*中銀総裁は11月8日に会見
*今週・来週の経済指標
*エネルギー転換計画あり
*エルドアン大統領の政敵、イスラム教指導者ギュレン師が死去
*リラ安は例年ほど大幅ではない
*トルコ国民は外貨預金でインフレ自己防衛
*財務大臣は独に投資呼びかけ
*トルコの格付けをBB-に引き上げ
*IMFは成長見通し引き上げ
*フィッチは2024年のトルコの成長率を上方修正
*エルドアン大統領、第三次世界大戦に警鐘を鳴らす
*BRICS加盟示唆など中国との経済関係を強めている

(「インチ バイ インチ」の上昇)
10月はここまで2位と健闘。「インチ バイ インチ」で上昇。日銀介入以来の雲上となった。「インチ バイ インチ」というか「ナノ バイ ナノ」の静かすぎる上昇。長期金利(10年国債)は29%台で高止まり、それを嫌気したか、株価指数(イスタンブール100)は年初来50%高から、現在は15.85%高へ上げ幅を急速に縮小している

(政策金利は50%に据え置き。利下げ開始は来年にずれ込む予想)
トルコ中銀は、政策金利を50%に据え置いた。足元の物価上振れを受け、11月に予想されていた利下げ開始時期が来年にずれ込む可能性を示唆した。
中銀は「9月の基調的な物価上昇率のトレンドはやや上向いた」と指摘。直近データに照らすと物価情勢改善に関する不確実が高まっており、予想物価と価格決定行動はディスインフレの過程にリスクをもたらし続けていると付け加えた。
今回の中銀による慎重なメッセージからは、中銀が来年1月ごろまで利下げを始めるのを待つ思惑がうかがえるとされている。

(利下げへの条件)
トルコ中銀は、トルコが利下げの準備ができているかどうかを検討する際、月間価格上昇の持続的な減速と、特に企業におけるインフレ期待の改善という2つの主な基準に注目している。カラハン総裁は今月初め、9月の月間価格上昇が当局の予想を上回ったことから、両方の基準において「まだ道のりは遠い」と述べた。

(大統領はどう出るか。中銀総裁は11月8日に会見)
エルドアン大統領は昨年、経済政策の見直しを承認したが、いかなる犠牲を払ってでも成長を優先する戦略を好んできた大統領の経歴を考えると、金利をこれほど高い水準に維持する期間をどれだけ長く許容するのか、投資家は懸念を払拭できない。
カラハン中銀総裁は11月8日に今年最後の四半期インフレ報告を発表する予定で、記者や経済学者からの質問にも答える予定だ。

(今週・来週の経済指標)
10月消費者信頼感指数(予想78.5前回78.2)、10月企業信頼感指数(予想99、前回98.8)がある。来週は9月貿易収支、インフレ報告、10月製造業PMIなどがある。

(エネルギー転換目標)
トルコは日本同様にエネルギーの海外依存度が高い。バイラクタル・エネルギー天然資源大臣は「2035年までに風力と太陽光発電の容量を4倍にすることを目標としている」と語った。「我々は、新たな送電網、インフラのアップグレード、およそ1080億ドルの新たな投資、そして新たな改革プロセスとともに、9万MWの新たな再生可能エネルギー容量を立ち上げる予定だ」と述べ、今後11年間のエネルギー転換と再生可能エネルギーに関するトルコのビジョンを概説した。