おすすめの不動産投資15選と自分に合った不動産投資の選び方を解説
(画像=Anastasiia/stock.adobe.com)

ひと口に不動産投資といっても、その種類はさまざまです。

アパートやマンションといった広く知られている不動産投資だけでなく、ホテルやオフィスビル、トランクルームなども不動産投資に含まれます。

初心者がこれから不動産投資を始めようと考えたとき、これだけ多くの種類から最適なものを選ぶのは難しいと感じるかもしれません。

そこで当記事では不動産投資の種類12選と関連商品3選、合計15選を紹介します。

後半では、多くの種類の中から自分に合った種類を選ぶ方法について解説します。

この記事でわかること
  • 主な不動産投資として15種類あり、それぞれ異なる特徴ありターゲットが異なる
  • 不動産投資を選ぶ際は、自分の投資可能な資金規模、個人の属性、投資目的、現在の不動産市場や社会動向を総合的に考慮することが重要
  • 不動産の関連商品は少額投資をしたい人やリスクを抑えたい人におすすめ

目次

  1. おすすめの不動産投資12選
  2. 不動産関連商品3選
  3. 自分に合った不動産投資の選び方
  4. まとめ

おすすめの不動産投資12選

おすすめの不動産投資15選と自分に合った不動産投資の選び方を解説
(画像=tamayura39/stock.adobe.com)

不動産投資は文字どおり、不動産に投資をして利益を狙うビジネスモデルです。

「物件を購入・所有して賃料収入を狙う」というのが一般的なイメージだと思いますが、その中には多くの種類があります。

不動産投資の多様な種類の中から、個人が始めやすいものをピックアップしました。

それでは、これらについて一つずつ概要を解説していきます。

1.区分マンション投資

マンションの中にある物件を1戸単位で所有し、入居者からの家賃収入や売却時に値上がりしていた場合は売却益も狙える投資形態です。

数ある不動産投資の種類の中でも比較的リスクが低く、また1戸単位ということから数千万円規模の初期投資額で始められます。

そのうちの1割から2割程度の資金を用意すれば融資を利用して物件の購入も可能なので、副業として始めるのにも適しています。

・区分マンション投資がおすすめな人

サラリーマンなど本業がある人の副業として、また不動産投資の初心者向きです。

2.一棟マンション投資

先ほどの区分マンションに対して、マンションを一棟丸ごと所有するのが一棟マンション投資です。

資金規模が少なくとも億単位になるためハードルは高いですが、管理コストや空室リスクの分散など経営的なメリットも多いです。

ただし、融資を利用するといっても億単位の投資になるため自己資金も数千万円規模になります。

・一棟マンション投資がおすすめな人

初期投資額が大きくなるため、年収などの属性が高い人や、すでに別の不動産などの資産がある人向きです。

3.一棟アパート投資

マンションと違ってアパートは一棟単位で取引されるため、必然的にアパート投資は一棟投資になります。

マンションと比べると物件が安価で購入しやすく、一棟であっても数千万円で購入できる物件も多数あります。

経営効率やリスク分散など一棟投資のメリットを得られる一方で、マンションよりも安価というのがアパート投資の魅力です。

・一棟アパート投資がおすすめな人

専業で不動産投資に取り組む人、もしくは専業を意識して不動産投資を始めたい人であれば自主管理で管理コストを軽減し、同時に管理ノウハウも蓄積できます。

その意味で専業不動産投資家を目指したい人に向いています。

関連記事
定年後にアパート投資を始めるメリット5選!ローン攻略法と不動産投資の戦略を解説

4.戸建て投資

戸建て住宅を所有し、賃貸経営をするのが戸建て投資です。

集合住宅ではないのでマンションやアパートなどと比べると安価な物件が多く、少額からでも始めやすいメリットがあります。

また、ファミリー層が主な顧客になるため入居期間が長くなるケースが多く、賃貸経営が安定しやすいのも魅力といえます。

戸建て住宅なので「ペット可」にしやすく、ペットと暮らしたい人から支持されやすいでしょう。

・戸建て投資がおすすめな人

相続などで取得した土地がすでにある人、もしくは少額から不動産投資を始めたい人向きです。

5.オフィスビル投資

大都市圏の都心などにオフィスビルを所有し、テナント(入居者)からの賃料を得るのがオフィスビル投資です。

都心など立地条件の良好な物件を所有するため資産価値が高く、利回りも総じて高めです。

その一方で企業などが顧客になるため景気変動の影響を受けやすく、建物が老朽化すると空室が発生しやすいなどのリスクがあります。

・オフィスビル投資がおすすめな人

マンションやアパートといった住居物件と比べると物件選びや管理などの難易度が高いため、すでに経験のある中上級者、そして十分な資金や資金調達力がある人向けです。

関連記事
オフィスビル投資のすすめ!メリット・デメリットと少額で始める方法とは

6.ホテル投資

ホテルを所有して運営するのがホテル投資です。

都市部のビジネスホテルだけでなくリゾートホテルなど、ホテルの用途や立地によってはさまざまな種類があります。

インバウンド需要の高まりを受けて成功例が増えており、今後の不動産投資における重要な一角を占める可能性があります。

ホテルの運営には専門的なノウハウや人材が必要になります。

そのため、所有者自身が直営する方式だけでなく、所有者がホテル運営会社に物件を貸し出すリース方式、またホテルの運営を外部委託するマネジメント・コンストラクション方式などがあります。

・ホテル投資がおすすめな人

投資額が大きくなることから資産家や属性の高い人向けです。

景気変動やコロナ禍のような突発事態による影響を受ける可能性もあるため、他にも多くの投資や事業に取り組んでいる人にとって多角化の一環とするのが適切でしょう。

7.民泊・シェアハウス投資

戸建て住宅や小規模ビルなどを所有し、民泊やシェアハウスとして運営するビジネスモデルです。

物件所有者が直営するよりも専門の運営会社に委託するのが一般的で、インバウンド需要の高まりを受けて都市部では高い利回りが期待できます。

ホテル不足による宿泊料金の高騰が起きている地域では、より高い収益性が期待できます。

・民泊・シェアハウス投資がおすすめな人

所有している物件があるものの住居として賃貸経営するよりも高い利回りを求めている人向けです。

また、相続などによって所有している物件の活用法を探している人にも適しています。

8.トランクルーム投資

空き地にコンテナや建物を設置し、物置スペースとして貸し出すのがトランクルーム投資です。

都市部やその周辺では標準的な住居がそれほど大きくはなく、物置場所に困った人からの需要が見込まれます。

初期費用や維持費がそれほど高くないため、少額からでも始めやすいのが魅力です。

・トランクルーム投資がおすすめな人

相続などで取得した土地があって活用法を探している人向きです。

また、少額から始めやすいため、既存の不動産がなくても少額から始めたい人にも向いています。

9.倉庫投資

倉庫として使用できる建物を企業などに貸し出すのが倉庫投資です。

建物の設置費用や維持費が安いため利回りを高くしやすく、また入居者が長期間にわたって使用してくれる可能性が高いため、数ある不動産投資の種類の中でもメリットが多いといえます。

その一方で融資を受けにくいことや固定資産税が高い(敷地が広く、住居向け不動産に適用される軽減措置がないため)ことなど、不動産投資の上級者向けの一面もあります。

・倉庫投資がおすすめな人

不動産投資の上級者で、なおかつ立地条件などの目利きに自信がある人向けです。

10.駐車場投資

空き地を駐車スペースとして整備し、駐車料金を収入源にするのが駐車場投資です。

月極駐車場として毎月の使用料を得る方法と、コインパーキングとして運営する方法に大きく分かれます。

コインパーキングの場合は専門の会社に運営を委託するのが一般的です。

建物がないため災害リスクが少なく、管理をしやすいなどのメリットがありますが、その一方で収益性は低めです。

・駐車場投資がおすすめな人

収益性がそれほど高くないため、相続などで取得した土地の活用をしたい人向けです。

11.太陽光発電投資

遊休地に太陽光パネルを設置し、発電所を運営するのが太陽光発電投資です。

売電といって生み出された電力を売ることによって収入が得られます。

他の種類と大きく異なるのは、入居者やテナントが不要であることです。

電力の需要がなくなることは考えにくいので、収益が安定しやすいのは大きなメリットです。

FIT(固定価格買取制度)があるためFITの期間内は収益性が高くなりますが、FIT期間を終了すると電力の買取価格が低くなります。

そのため、「太陽光発電所を売却する」「非FIT電源として売電を続ける」などの出口戦略が必要になります。

・太陽光発電投資がおすすめな人

相続などで取得したものの入居者が見込めない立地条件であるなど、他の活用法が見出せないような土地の所有者向けです。

12.サービス付き高齢者向け住宅投資

高齢者向けに最適化され、生活支援サービスがついている賃貸住宅のことを、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)といいます。

高齢化が進んでいる地域であれば需要が見込まれるため、一般的な賃貸住宅よりも優位性があるかもしれません。

一般の賃貸住宅よりも高い性能が求められるため初期投資額が大きくなります。

ただし、新築であれば工事費の10分の1、リフォームであっても3分の1を上限に国の補助金を利用できるます。

こうした制度をうまく利用するとスムーズにサービス付き高齢者向け住宅投資を始めることができます。

・サービス付き高齢者向け住宅投資がおすすめな人

高齢者が多い地域での不動産投資を考えている人に向いています。

不動産関連商品3選

おすすめの不動産投資15選と自分に合った不動産投資の選び方を解説
(画像=Maks_Lab/stock.adobe.com)

続いては不動産に関連する投資商品を紹介します。

1.REIT

関連商品の1つ目は、REIT(不動産投資信託)です。

REITの中には東京証券取引所に上場している銘柄群があり、それはJ-REITと呼ばれています。

厳しい上場基準を満たしていることや運用の透明性、配当性向の高さなどの面から、REIT投資をするのであればJ-REITがおすすめです。

J-REITには数万円で買える銘柄もあり、不動産の複数の種類を組み合わせた銘柄などもあるため、少額からであってもリスク分散を図りながらの投資も可能です。

・REITがおすすめな人

少額からの投資が可能で分散性にも優れているため、リスクを抑えながら積立投資をしたい、投資信託を買うなら不動産に投資をしたいという人向けです。

関連記事
不動産投資でREITはおすすめ?他の不動産投資と比較

2.不動産小口化商品

不動産小口化商品とは、個人では買えないような高額優良物件を小口化し、買いやすくした商品です。

東京など大都市圏の都心にあるオフィスビルとなると価格は少なくとも数億円や数十億円といった規模になりますが、小口化商品であれば数百万円程度から投資が可能です。

たとえば、ACNの「Aシェア」であれば1口100万円、5口から投資が可能です。こちらは、「Aシェア」の投資イメージ図です。

1棟所有だと50億円の物件を1フロア単位に小口化、さらに500万円から投資が可能になるように小口化したのが「Aシェア」です。

都心物件は資産価値が低下しにくく、長期投資にも適しています。

・不動産小口化商品がおすすめな人

少額から高額優良物件に投資をして長期的に安定した収益を得たい人に向いています。

関連記事
不動産小口化商品とはどんな投資方法?種類とメリットやリスクを解説

3.不動産クラウドファンディング

ネット上で資金を募るクラウドファンディングの仕組みを不動産投資に応用したのが、不動産クラウドファンディングです。

ネット上で投資家から出資を募り、それを元手に不動産を購入・運用します。

そこから得られた賃料収入や売却益を投資家に分配します。

利回りの高い案件が多く、5%、10%といった案件も珍しくありません

それゆえに人気が高く、応募が殺到して投資したくても投資できないといったことも起きています。

・不動産クラウドファンディングがおすすめな人

少額から不動産投資を始めたい人、その中でも高い利回りにこだわりたい人向けです。

関連記事
不動産クラウドファンディングの仕組みを解説!人気の理由や始め方がわかる

自分に合った不動産投資の選び方

おすすめの不動産投資15選と自分に合った不動産投資の選び方を解説
(画像=sirichai/stock.adobe.com)

不動産投資の主な種類として12選と関連商品3選を紹介しました。

これだけ多くの種類があると、どれを選べばいいのか分からなくなる人もいると思います。

そこで、これらの選択肢から自分に合った不動産投資を選ぶのにあたって意識したいポイントを解説します。

1.投資できる資金の規模

投資は余剰資金を用いるのが大原則です

それはもちろん、不動産投資でも同じです。

今の資産状況を考えて、どれだけの資金を不動産に投じることができるのかを考えてみてください。

今だけではなくローンの返済も含めて将来的に投資可能な資金規模を計算したうえで、上記の選択肢から現実味のあるものを選ぶとある程度絞り込むことができると思います。

資金の都合上、数十万円程度から始めたいということであれば、不動産関連商品が最適でしょう。

数百万円クラスの自己資金を用意できるのであれば、アパートやマンション、戸建てといった現物不動産への投資も視野に入ります。

2.自身の属性

ローンを利用して不動産を購入する場合、審査に通りやすいかどうかも検討項目です。

年収が高い(もしくは安定している)、勤続年数が長いといった属性に恵まれている人はローンの審査で有利になります。

そのため、自己資金にローンを加えた資金規模で現物の不動産物件を購入できる可能性が高くなります。

ローンを利用して購入できるのは、現物不動産のみです。関連商品の購入にローンは利用できないので、その意味でもローンの審査に通りやすい属性の人は現物不動産への投資を検討する価値が高いといえます。

3.不動産投資に期待すること、目的

不動産投資に何を期待するのかを、事前に整理しておくことをおすすめします。

不動産投資の主な目的・期待すること別に、おすすめの不動産投資の種類をまとめました。

これのうちどれに最も近いかを検討して、不動産投資の種類を選ぶのもよいと思います。

不動産投資の目的
期待すること
選ぶべき不動産投資の種類
資産形成 ローンを利用して投資効果を高められる現物不動産投資が最適
安定収入 将来的にも需要安定しそうな立地の現物不動産、もしくは物件選びの目利きをプロに任せられる関連商品のいずれかがおすすめ
節税 減価償却費を計上して損益通算による節税を目的とするのであれば付加価値の高い新築マンションなどがおすすめ
相続対策 相続財産としての評価減が期待できる現物不動産が有利。さらに賃貸にすることでさらなる評価減が期待できる
よって、アパートやマンションなどの現物不動産投資がおすすめ

4.不動産市場、社会の動向

不動産市場は常に変化しており、その変化は社会情勢の動向による影響を強く受けます。

2024年時点では都心物件の高止まりとインフレの進行が続いています。

この傾向は2025年以降も続く可能性が高く、東京や大阪、名古屋、仙台、博多といった大都市、その周辺の現物不動産投資の優位性は高いでしょう。

地方では人口の減少による不動産価値の低下が起きている地域が多く、利回りの高い地方物件よりも都心の高付加価値物件のほうが有利といえます。

とはいえ、こうした傾向が永久に続くわけではないので、常に不動産市場や社会情勢の動向を考慮に入れながら投資対象を選ぶ姿勢が重要です。

まとめ

おすすめの不動産投資15選と自分に合った不動産投資の選び方を解説
(画像=Sutthiphong/stock.adobe.com)

ひと口に不動産投資といっても、その種類は実に多くあります。

本記事ではおすすめの不動産投資を紹介しました。

どれもメリットやデメリットが異なり、それぞれの投資に適している人も異なります。

自分に合った不動産投資を見つけ、ぜひ実践してみてください。

関連記事
少額で始める不動産投資4選!メリット・デメリットと始める際の注意点

田中翼
田中タスク(著者)
エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、現在は自動売買を中心に運用中。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力し、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

(提供:ACNコラム