この記事は2025年1月8日に「CAR and DRIVER」で公開された「【最新MINI徹底研究】10年ぶりのフルチェンジ! 王道ハッチバックで魅力を堪能。クーパー魅力紹介」を一部編集し、転載したものです。
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電気とエンジンそれぞれ最適設計。プラットフォームも違うって知ってた!?
MINIといえば、王道はやはりコンパクトなハッチバックボディ。先代の5ドアF55の大ヒットから3ドアと同時に5ドアのイメージも定着してきた。
そんなハッチバックにはボディが2種類あるのとは別にプラットフォームもふたつあるので整理しよう。
それは内燃機関用とBEV用という分け方。前者は3ドア、5ドア両方に採用されるが、後者は3ドアのみとなる。というのもBEV専用モデルのエースマンとシェアするからだ。3ドア用を伸ばして広げたのがそれにあたる。
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なので、3ドアハッチバックでガソリンエンジン車とBEVを比較するとその違いがわかる。外観上ではバッジやホイールデザインなどだが、実はインテリアこそ個性的なのだ。
たとえばダッシュボードの高さや形状がそれ。BEVの方がダッシュボードが低く視界がいい。ボンネット下にエンジンがないことで生まれた空間を賢く利用した結果だ。バッテリーを効率よく積めるようフロア回りを設計しただけでなく、各所に工夫が施されている。ちょっとした間違い探しゲームみたいなので、ディーラーに2台並んでいたら確認すると楽しいだろう。
3ドアのBEVはクーパーEとクーパーSEというグレードで構成される。「E」はエレクトリックを指し、「SE」はそのハイパワーバージョンを意味する。最高出力でいえば184ps(135kW)と218ps(160kW)の違いだ。最大トルクは290Nmと330Nm。このサイズにして十分すぎるパワーである。
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では実際に走らせた印象だが、試乗したクーパーSEはとにかく速かった。とくにBEVの得意領域であるスタートダッシュはそうで、調子に乗ってアクセルを踏み込むと体がシートに押し付けられるほどの加速を見せる。前輪の路面を駆るチカラはハンパない。
よってしっかりステアリングを握ることをお勧めするが、そもそも操作系はクイックレスポンスにできている。伝統のゴーカートフィーリングを演出するためだ。その意味でMINIらしさは満喫できる。
さらにいえば、その加速はアクセル操作で細かく調整可能。内燃機関のようにアクセルを踏む角度は何段階もあって、それに応じてリニアな加速を楽しめる。そのときのフィーリングが自然なのもグッド。このあたりの味付けはさすが。きっと開発陣はBEVでどうMINIらしさを表現するか研究し尽くしたのだろう。そしてその成果はしっかり備わっている。
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【3DOOR】
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MINIらしさが最も堪能できるコンパクトな3DOORハッチバックはBEV(電気自動車)とICE(エンジン車)が選択可能。写真は2リッターエンジン搭載のMINI クーパー 3DOOR S。価格:7DCT465万円。全長×全幅×全高3875×1745×1455mm。ホイールベース2495mm。車重1320㎏。ラゲッジ容量は210〜725リッター
【5DOOR】
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5DOORは3DOOR比で全長を160mm、ホイールベースを70mm延長。ファミリーユーザーに最適な5DOORハッチバックは2種類のエンジンをラインナップ。写真はMINI クーパー 5DOOR S。価格:7DCT477万円。全長×全幅×全高4035×1745×1470mm。ホイールベース2565mm。車重1380㎏。ラゲッジ容量は275〜925リッター
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(提供:CAR and DRIVER)