ミネベアミツミの狙いは?

では、ホワイトナイトに名乗り出たミネベアミツミの狙いは何か。10日の記者会見で同社の貝沼由久会長・CEO(最高経営責任者)は「高度な技術力や事業基盤の国外流出を防ぐ」としたうえで、買収によって事業を拡大する姿勢を示した。

ミネベアとミツミ電機の経営統合でミネベアミツミが誕生したのは2017年。とくに旧ミネベアは積極的なM&Aで知られ、その数は貝沼氏が社長に就任した2009年以降だけで30件近い。

ミネベアミツミの2024年3月期売上高は1兆4021億円。機械や電子・電気機器に使われる多様な精密部品の製造を手がけ、具体的にはベアリング、アナログ半導体、モーター、センサー、電源など8分野を事業の柱とする。今回買収する芝浦電子には、センサー事業の拡大に向けた中核的な役割を期待している。

一方、芝浦電子はサーミスタと呼ばれる素子を使った温度センサーを主力とし、自動車、空調機器をはじめ幅広い分野に製品を供給する。2024年3月期売上高は324億円。TOBが成立すれば、同社の東証スタンダード市場への上場は廃止となる。

ミネベアミツミによるTOB開始は4月23日に控える。これを前に、YAGEOがどういう動きに出るのか、要ウオッチだ。

文:M&A Online