
総括
FX「4月は最弱も5月はトップ発進。内憂外患緩和、株も上昇」南アランド見通し
「通貨7位、株価6位」
「予想レンジ 南アランド円7.7-8.2」
(ポイント)
*4月は最弱も5月はトップ発進
*内憂外患緩和、株も上昇
*VAT引き上げ停止で、新たな予算の日程が決定、財源を議論
*金価格急騰で南ア株価指数が過去最高値更新
*BNPは成長見通し引き下げ
*トランプ政権、南ア白人の難民受け入れへ
*企業のリーダー達は連立政権の維持を求める
*南ア貿易相手国、一に中国、二に米国
*水問題。停電も再開
*援助打ち切りの米に代わり中国、EUが支援約束
*南アは「投資適格」を目指す
*今年秋にAGOA法(南アから米国への免税輸出)の見直し
(内憂外患が緩和し、ランドと株が上昇)
4月後半大きく戻し、ボリバン2σ上限へ上昇。年初来では米ドルを抜き返し7位へ浮上した。内憂外患で大きく下げた後回復している。年初来で対円4.2%安。
南ア株価指数も大きく回復し年初来9.23%高、10年国債利回りは10.51%
(内憂外患の緩和とは)
内憂は土地収用法や、VAT引き上げ問題であるが、連立の一角であるDA(民主同盟)は意見が異なっても連立離脱を示唆しなかった。またDAが反対していたVAT引き上げも取り消された。ただVAT引き上げに代わる財源問題が今後の焦点となる。
外患は対米関係の悪化だ。白人を差別すると取られた土地収用法、米国が支援するイスラエルをガザで虐殺を行ったと国際司法裁判所の提訴したこと、南アの駐米大使を米国が国外追放したこと、米国が南アへの経済援助を打ち切るとしたことなどであった。関係は改善していないが、米国の関税適用に時間がかかってきたために、関係悪化もさらなる悪化には繋がっていないことがあげられる
(先週の指標、今後の指標)
3月貿易収支は247.7億ランドの黒字、前月も199.5億ランドの黒字であった。米国関税適用前の駆け込み需要増と鉱産物価格上昇が影響した。また原油価格下落は南アは産油国ではないので輸入減少に繋がる。
4月アブサ製造業PMIは44.7で前月の48.7から悪化した。4月S&PのPMIは50.0で前月の48.3から改善した。今週は1Qの雇用統計の発表がある。失業率予想は32.4%、前期は31.9%。
(予算の日程が決定、新たな財源を議論)
ゴドンワナ財務大臣は5月21日に議会に戻り、今年3度目の予算成立に向けた取り組みを発表する予定。増税案をめぐる与党連合内での論争により計画を撤回せざるを得なくなったことを受け、支出計画を修正している。その結果、国庫は今後3年間で750億ランドの不足分を補うことになった。「予算成立の延期は理想的ではないが、今回の決定に至った状況は財政問題への意味ある関与の重要性を浮き彫りにした」と述べた。増税は「貧困層へのゼロ税率の食品の拡大」を意図していた。
ゴドンワナ氏の過去2回の予算案をめぐる行き詰まりは、連立政権で2番目に大きなグループであるDA(民主同盟)が付加価値税率の引き上げ計画に反対したことがきっかけだった。
これにより、企業寄りの政党が連立を離脱し、経済自由闘士などの左派グループが政府に加わり経済改革を危うくする入り口となるのではないかという投資家の懸念が高まった。
ゴドンワナは4月24日に増税案を撤回し、同盟関係はそのまま維持した。