この記事は2025年5月21日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=kesuku/stock.adobe.com)

2025年5月21日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

このところ米金利とドルの相関性が崩れてきている。

添付したのが、米ドル/円と米10年債利回りの日足チャート。

<米ドル/円と米10年債利回りの日足チャート>(出所:ブルームバーグ)

米ドル/円と米10年債利回りの日足チャート
(画像=羊飼いのFXブログ)

基本、米10年債利回りが上昇している局面では、総じて米ドル/円も上昇している。ところが4月2日の「開放の日」以降ドル金利が急騰すると、米ドル/円が反落する傾向が高くなっている。これがトリプル安(米債下落[利回りは上昇]、株下落、ドル下落)を引き起こす要因。

そして今回のムーディーズの米国格付け引き下げは、悪化する米国財政と債務動向を通じて構造的なドル安の流れになる懸念を拡大させている。つまりドル金利の上昇は、ドルを反落させる要因にもなるということ。

加えて、昨日20日(火)の東京市場では、20年物国債の入札が不調な結果となり、日本の金利上昇(債券売り)が一段と勢いづいている。これも円高要因。

ただ短期筋の円ロングが依然として多いためなのか、米ドル/円の下落が加速すると利益確定のドル買い戻しが出て、反発。

現在の為替相場の戦略やスタンス

円高が一方的に進むのではなく、利益確定による反発を繰り返しながら少しずつ円高が進行する展開。 よって、戦略的には米ドル/円の戻り売りスタンス継続で臨みたい。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。