
総括
FX「政策金利は、トランプ大統領との会談は、インフレ目標引き下げは」南アランド見通し
「通貨7位、株価6位」
「予想レンジ 南アランド円7.7-8.2」
(ポイント)
*5月は月間首位を維持。株価はまずまず
*政策金利は
*インフレ目標の引き下げは
*ラマポーザ大統領、トランプ米大統領と会談
*トランプ大統領 南アの白人迫害主張も画像に別の国のものを使う
*4月消費者物価は、来週はGDP
*南アがスターリンクに関する姿勢を転換
*EU、南アに51億ドル規模の投資表明
*内憂外患緩和、株も上昇
*VAT引き上げ停止で、新たな予算の日程が決定、財源を議論
*BNPは成長見通し引き下げ
*南ア貿易相手国、一に中国、二に米国
*援助打ち切りの米に代わり中国、EUが支援約束
*今年秋にAGOA法(南アから米国への免税輸出)の見直し
(5月は月間首位を維持。株価はまずまず)
5月は依然、月間首位(対円4.17%高)を維持。2位のメキシコペソ(1.65%高)3位のポンド(1.32%高)を引き離す。年初来で4月は11位まで落ち込んでいたが、現在は7位まで戻す。南ア株価指数も大きく回復し年初来11.22%高、10年国債利回りは10.464%
(政策金利は)
南ア中銀は今週政策金利を決定する。エコノミストの意見は据え置きと引き下げに分かれている。半数のエコノミストは、インフレ目標の引き下げ議論もあり金利を現在の水準に据え置くと予想しているが、全会一致の投票にはならないだろうという点でも一致している。
他の半数は、特に最新のインフレデータを踏まえると、さらなる利下げの余地があるとし、小幅な0.25%利下げを実施するだろうと予想する向きもいる。
(インフレ目標の引き下げは)
クガニャゴ総裁は、インフレ目標を3%程度(現在は3-6%)に引き下げるよう求めてきた。これにより南アは世界の他の多くの国と同等の立場に立つことになる。
目標を引き下げれば経済全体にはプラスになる可能性が高いが、物価の低下に加えて給与の伸びも低下し、伸びも鈍化するだろうという。
より厳しい目標はインフレを低く抑えるために金融政策を引き締めることを意味するかもしれないが、現在の分析は必ずしも積極的に金利を引き上げない可能性があることを示唆している。
(ラマポーザ大統領、トランプ米大統領と会談)
ラマポーザ大統領は5月21日、トランプ米大統領と、貿易・投資や外交関係強化のための2国間会談を行った。南アからの訪問団は、米国との関係を再構築するという大きなミッションを背負っていたが、ラマポーザ大統領自身は「2国間対話を通して懸念を明確にし、誤解に対処する機会だった」と語った。
両国の外交関係は緊張が続いており、トランプ政権は対南ア関税を30%に引き上げると発表し、アフリカ成長機会法(AGOA)の恩恵が実質的に無効になる恐れがある。しかし、今回の訪米期間中、ラマポーザ大統領は貿易や投資に関しても議論し、「経済協力などについても深く前向きな交流ができた」と総括した。AGOAを含めた米国市場へのアクセスについて、協議が継続される予定だ。
(トランプ大統領 南アの白人迫害主張も画像に別の国のものを使う)
トランプ大統領が南アのラマポーザ大統領との首脳会談で、南アで少数派の白人が迫害を受け殺害されていると主張し、報道陣らに見せた画像の中にアフリカの別の国で撮影されたものが含まれていたとロイター通信が報じた。
トランプ大統領が「埋葬されている白人農家の人たちだ」と紹介した画像について、ロイターは自社がコンゴ民主共和国で撮影し、ことし2月に配信した映像から切り出されたものだと確認されたと伝えた。今回のロイター通信の報道についてホワイトハウスはこれまでのところコメントしていない。
(4月消費者物価は、来週はGDP)
4月消費者物価は前年比2.8%の上昇、前月の2.7%を上回ったが予想の2.9%を下回った。
来週は1Q・GDPの発表がある。予想は前年比で0.3%増。前期は0.9%増。