高金利通貨の状況を動画で解説

動画配信期間:公開日から2週間

高金利通貨「メキシコペソ・南アフリカランド・トルコリラ」の状況をギュッと要約

5月の通貨パフォーマンス

南アフリカランド: 最強通貨として好調
メキシコペソ: ランドに次いで好調
トルコリラ: トリプル安で世界最弱通貨、年率スワップ3.7%でカバーできるか疑問

パフォーマンス要因

好調要因(ランド・ペソ)

米中関税交渉の緩和期待によるリスク選好
EU関税問題(5.0%→すぐには実施せず)での安心感
メキシコ:USMCA恩恵で関税率15%に低下、米国工場移転の受け皿期待

メキシコの懸念材料

郷里送金(海外送金)税: アメリカが5%→3.5%に譲歩もメキシコは撤廃要求
USMCA再交渉: 来年予定が9月下旬に前倒しの可能性
6月1日裁判官選挙: 司法制度への懸念

南アフリカランドの状況

先月は最弱だったが今月で挽回、年初来3%安程度
今週政策金利決定、利下げ観測もインフレターゲット引き下げ検討で据え置きの可能性
アメリカとの貿易交渉でトランプ大統領の誤った主張が解消し関係改善へ

トルコリラの問題

為替史上最安値圏(1ドル=42リラ近く。かつては1ドル=3リラ)
株価も年内最安値圏
政策金利30%台と突出して高い
シムシェキ財務大臣への批判が政府系新聞からも出現
外貨準備高、回復の兆し(3週連続増加)も市場は無視

投資戦略

長期保有: 10年単位では為替変動よりスワップ収益が勝る傾向
リスク管理: 高金利には相応のリスクがあり、二兎を追わず金利収益に集中すべき
以前、24円でランド購入した。その後、8%程度の利回りを実現

地政学リスク

モスクワ・ワシントン間の緊張高まり
ガザ、ウクライナ、イラン問題未解決

結論

南アフリカランドとメキシコペソは当面有望だが、メキシコは6月1日の裁判官選挙と送金税問題に注意が必要。トルコリラは、もはや根本的改革(EU加盟等)なしには回復困難では。高金利通貨投資では為替差益よりスワップによる長期的収益を重視すべきだろう。

マーケットビュー
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

野村雅道
野村雅道氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。

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