この記事は2025年6月5日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Kurt Kleemann/stock.adobe.com)

2025年6月5日(木)の午前10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

昨日4日(水)の米ドル/円は144円台から142円台へと反落。米5月ADP雇用報告と同ISM非製造業景況指数がいずれも低調だったためドル売りが活発化した。

ADP雇用報告は民間雇用者の伸びが過去2年で最低の3.7万人にとどまった。ISM非製造業景況指数は昨年6月以来の49.9に落ち込み、活動拡大と縮小の分岐点である50.0を割り込んだ。構成指数では仕入価格が急上昇した一方で新規受注が急低下しており、トランプ関税の悪影響が強く滲む結果となった。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は本日5日(木)もトランプ関税を巡る不透明感を背景に上値の重い展開が続きそうだ。もっとも、昨日4日(水)の指標悪化を受けた米長期金利の低下はやや行き過ぎで、金利とドルには若干の戻り余地があると考えている。

米5月ISM非製造業の仕入価格指数が示すようにトランプ関税は短期的に米国のインフレを押し上げる公算が大きいことから、労働市場が目に見えて軟化しない限りFRBの利下げ判断を遅らせる要因になるだろう。いずれにしても、FRBの利下げを巡る市場の見方は明日6日(金)の米雇用統計がカギとなる。

本日5日(木)の米ドル/円は下押ししても142円台前半まで、反発しても143円台半ばまでと見ている。

なお、本日5日(木)の注目イベントとしては、12時35分に結果が判明する本邦30年債入札、ECBの金融政策発表(21時15分)、米新規失業保険申請件数(21時30分)などが予定されている。

▽米ドル/円 4時間足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。