
総括
FX「政策金利引き下げもインフレ予測を上方修正。年間3位」メキシコペソ見通し
予想レンジ 7.4-7.9
(通貨3位、株価4位)
(ポイント)
*政策金利は4対1で0.5%利下げもインフレ予測を上方修正
*6月はここまで首位、年間では3位
*最新のインフレ状況、目標上限を越えている
*米国とメキシコ、鉄鋼協定をめぐる貿易交渉で輸入割当を検討
*フィッチ、メキシコ経済の縮小を「軽度」の景気後退に修正
*冷静な墨大統領が米の金融制裁に怒り
*5月に僅かに成長、INEGIリポート
*メキシコはあくまで正攻法で迎え撃つ
*裁判官選挙、最高裁は与党関係者が支配へ
*USMCAの見直しは秋か
*米との論点=関税、麻薬、移民、LA騒乱、送金課税、USMCA、司法等々
(6月は3位、年間でも3位)
6月はここまで首位で対円では3.1%高。年初来では1.33%高で3位。
対ドルでは1ドル19ペソ割れとなったが、現在は18.8980。
ボルサ株価指数は年初来16.08%高と強い。10年国債利回りは9.26%で前週よりは低下。
(政策金利は4対1で0.5%利下げもインフレ予測を上方修正)
メキシコ中銀は、現在のインフレ見通しと金融引き締めの水準を考慮し、政策金利を0.5%引き下げて8.0%とすることを4対1の多数決で決定した。
反対したのは、これまでも取り上げてきたタカ派のヒース副総裁。
中銀は声明で、2025年末までのヘッドラインインフレ率の期待値は上方修正されたが、より長期的な期待値は目標を上回る水準で比較的安定している。ヘッドラインインフレ率は2026年第3四半期に依然として目標に収束すると予想されているとした。
金融政策スタンスの調整を継続することが適切であると判断した。この決定は、為替レートの動き、経済活動の弱さ、世界的な貿易政策の変更による影響の可能性を考慮して行われた。
現在のインフレ見通しと金融引き締めの水準を考慮し、理事会は全理事の出席のもと、翌日物銀行間金利の目標を0.50ポイント引き下げて8.00%とすることを多数決で決定した。
(中銀付言)
中銀は参照金利の更なる調整を検討する。その際には、インフレのあらゆる決定要因の影響を考慮する。予測期間中に総合インフレ率が3%の目標値に秩序ある持続的な収束を可能にするために必要な軌道と、基準金利が常に整合するように実施される。中銀は、その主要な使命へのコミットメントと、低水準で安定したインフレ環境の確立に向けた努力を継続する必要性を再確認する。
(最新のインフレ状況、上限を越えている)
6月前半インフレは前年比で4.2%(前回3.97%) コアは4.51%(同4.22%)
中銀のインフレ目標の3%±1%の上限を越え始めているが、それを短期的なものと見るか長期的なものとするかが今後の焦点。
(米国とメキシコ、鉄鋼協定をめぐる貿易交渉で輸入割当を検討)
米国とメキシコは、一定量の鉄鋼輸入に対する関税を引き下げる割当制度について交渉しており、これが実現すれば、米国の自動車メーカーなどにとって不可欠なメキシコ産鉄鋼の一部輸入に対する関税が軽減されることになる。
提案されている割当量は、おそらく2015年から2017年に米国に輸出された平均量に基づいて、一定の輸入量に制限され、その量については50%の関税が免除されるが、依然として10%の基本料金が課せられることになる(ブルームバーグ)。
(フィッチ、メキシコ経済の縮小を「軽度」の景気後退に修正)
フィッチは、メキシコ経済は今年「軽度」の景気後退に陥る可能性があるものの、規模は従来の予測よりも小さく、米国の予想を上回る見通しが景気後退の影響を部分的に相殺すると述べた。