南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「GNU=連立内閣で再び亀裂」南アランド見通し

「通貨7位、株価7位」
「予想レンジ 南アランド円7.5-8.3」                                          

(ポイント)
*大臣解任問題でGNUで週末再び亀裂が走った
*GNUは第一党のANCと第二党のDAで85%を占める
*ANCはGNUの55%を占める
*4月最弱、5月最強、6月残り1日で不穏な雰囲気
*S&P、南アの2025年の成長予測を下方修正
*5月消費者物価とインフレターゲット引き下げ問題
*5月小売売上は大幅増
*次回政策金利は7月31日
*イスラエル問題で米国と対立
*南ア産出の鉱産物価格は今年上昇
*1Q・GDPは前年同期比0.8%増
*EU、南アに51億ドル規模の投資表明
*南ア貿易相手国、一に中国、二に米国
*今年秋にAGOA法(南アから米国への免税輸出)の見直し

(4月最弱、5月最強、6月残り1日で不穏な雰囲気)
4月は月間最弱、5月は月間最強。6月はここまで4位。南アランドはボラタイル。
 ただ先週末に衝撃が走った。ここ1年南を支えてきたGNU瓦解の可能性が出てきたのだ。
年初来では7位で対円2.52%安。南ア株価指数は年初来13.99%高、10年国債利回りは9.96%。 

(連立内閣で亀裂。DAが国民対話から即時撤退を宣言)
南ア民主同盟(DA)党首スティーンホイゼン氏は、DAは第一政党ANCとの8月に予定されている国民対話から撤退すると述べた。先週初め、ラマポーザ大統領は、無断で米国への渡航したDAのホイットフィールド貿易産業副大臣を解任した。
 貿易産業大臣は、経済にとっての重要性から、DA が GNU に参加する際に要求した主要なポストの 1 つであった。
 逆にDAは大統領に対し、汚職疑惑のあるシメラネ大臣、ンカバネ大臣、マロボ副大臣、その他汚職容疑のある閣僚を48時間以内に解任するよう最後通牒を出した。

(既にいくつかの問題で対立していたANCとDA)
DAとANC両党はすでに国民健康保険法、収用法、基礎教育法改正(BELA)法などいくつかの法案をめぐって対立している。

DAのGNUにおける立場は、VATの引き上げを含む2025年度予算の第1回および第2回の提案を支持しなかったため、厳しい監視を受けることになった。

DAが第2次予算の阻止を求めて起こした訴訟が成功した後、GNUとDAの2大政党は第3次予算の策定に協力することに合意し、現在議会で審議されている。

DAは、ANCが党内の汚職を阻止することを拒否しているため、同党は今後全国対話イベントには出席しないと述べた。DAは、汚職疑惑のある大臣が率いる省庁の予算にも反対票を投じる予定だ。

(DAの即時連立離脱はない)
DAはラマポーザ大統領に対する不信任決議案を提出する予定はないが、大統領に対し、国を率いる能力に対する信頼を失いつつあり、その要求が満たされなければ同大統領の職務はより困難になるだけだと警告した。

(今週は)
今週はGNU内でのANCとDAの亀裂をどう修復するかが重要ポイントだ
その他5月貿易収支、6月アブサ製造業PMI、2Qインフレ期待、6月S&P・PMIの発表がある。