高金利通貨の状況を動画で解説
動画配信期間:公開日から2週間
高金利通貨「メキシコペソ・南アフリカランド・トルコリラ」の状況をギュッと要約
高金利通貨の全体状況
7月の動向
• メキシコペソ、南アフリカランド、トルコリラいずれも陽線で円より強い展開
• 各国通貨は対ドルでは弱いが、円がさらに弱いため相対的に上昇
• 他力本願の「他力円安」により高金利通貨が安定
メキシコペソ
金融政策
• 政策金利:10.5%(世界水準から見て高金利)
• 消費者物価:ヘッドライン4.32%、コア4.24%
• ヘッドラインは前月から鈍化、コアは加速
• 4対1で利下げ決定、年内あと2回程度の利下げ予想
• 利下げ幅は従来の0.5%から0.25%に縮小見込み
トランプ関税の影響
• 8月1日から30%関税適用予定
• USMCA貿易協定との調整で作業部会設置(7月11日)
• 中国からの迂回貿易で50%関税に引き上げ
• 銅の対米輸出で世界5位の立場にある中、50%の関税は事実上の輸出停止要求
現状
• 年初来高値更新中
• 7週連続陽線、今週が8週目
• 株価は若干弱含み
南アフリカランド
政治情勢
• 連立内閣で第1党と第2党が対立
• ラマポーザ大統領が第1副首相の更迭を検討
• 汚職疑惑のある大臣問題で政党間の反発
• 警察大臣の更迭で妥協の兆し
トランプ政策の影響
• 30%関税通知を受領
• ダブルポーズ大統領は互恵的貿易関係での交渉継続を表明
• BRICS反米政策同調国には10%追加関税の脅し
• ベッセント財務長官は3回連続で南アフリカ関連会議を欠席
トルコリラ
経済状況
• 大統領・財務官は楽観的発言を継続
• IMFは経済成長率を上方修正
• インフレ率は低下傾向だが依然30%台の異常水準
• リラ安が継続中
政治・社会情勢
• 2016年クーデタ未遂から9年経過(7月15日)
• 当時1ユーロ=3.6リラ→現在3.60リラ台で大幅下落
• エルドアン大統領による反対派弾圧継続
• 3月にイスタンブール市長逮捕
• 野党関係者の拘束・逮捕が続く
投資上の注意点
リスク要因
• 高金利通貨の強さは主に円安によるもの
• 日本の介入リスクが存在
• 介入前には日本要人の発言があるため準備は可能
今後の見通し
• 円安継続により高金利通貨優位は継続見込み
• トランプ関税政策の本格化が各国経済に影響
• 貴金属価格上昇も高金利通貨国には追い風
結論
高金利通貨は他力本願の円安により相対的に強い状況が続いている。メキシコペソが最も安定的で年初来高値更新中だが、トランプ関税の本格化が大きなリスク要因。南アフリカランドは政治不安、トルコリラは構造的なインフレ問題を抱える。これらの通貨の強さは円安に依存しているため、日本の介入リスクには十分注意が必要。各国とも貿易政策の変化に対応を迫られており、中長期的には個別国の経済ファンダメンタルズがより重要になると予想される。

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

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