この記事は2025年8月20日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=mittpro/stock.adobe.com)

2025年8月20日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

先週末、トランプ米大統領とプーチン露大統領の会談、いわゆるアラスカサミットが開催されて以降、ウクライナ戦争の終結といった意見もみられるようになってきた。当初アラスカサミットは多くの西側メディアで批判が殺到した。

例えば、「トランプ米大統領は、ウクライナでの戦争の停戦についてロシアのプーチン大統領から何の言質も得ることができなかった」、または「華々しく幕を開けた会談は拍子抜けの結果に終わった」といった意見があった。加えて、「これで西側諸国が続けてきたロシアの孤立化政策は終わりを迎えた」など、散々な内容となった。

しかし、今週に入ってトランプ米大統領は、ゼレンスキー宇大統領との首脳会談の冒頭で、戦争終結に向けてロシアのプーチン大統領も交えた3者会談の実現を目指すとしている。

一連の会談終了後にプーチン氏と電話協議する意向も明らかにし、「19日(火)の会談が全てがうまくいけば3者会談が開催されるだろう。そうなれば、戦争を終わらせる合理的な可能性が出てくる」と、記者団にコメント。

トランプ氏は、ウクライナへの「安全の保証」を巡っては「われわれが関与するものになる」とし、欧州諸国が「防衛の最前線」に立ち、米国はウクライナ防衛で「彼らを助ける」というスタンスを明確にした。

激しい口論に発展した前回2月の首脳会談から比べると、雰囲気は大きく改善。テーマは「領土」と「安全保障の保証」のトレードオフ。

ウクライナの立場だが、ゼレンスキー氏は、領土喪失の受け入れは「ほぼ不可能」としながらも、強固で信頼できる安全保障の保証があれば交渉の余地があると示唆。

欧州首脳もトランプ氏に対し、領土割譲要求の中で安全保障の保証について具体的内容を明確にするよう求めているようだ。

こうした流れから、ウクライナ戦争は終結するかも知れない。欧州の報道では、戦争終結の可能性は極めて低いというものばかりだが。。。

現在の為替相場の戦略やスタンス

戦争が仮に終結すれば、欧州情勢の改善、加えてリスクオンとなり、ユーロ/米ドルの上値余地は大きく拡大する。

戦略としては、ウクライナ情勢の行方を横目にみながら、ユーロ/米ドル、ユーロ/円を押し目買いで臨みたい。

▽ユーロ/米ドル 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。