本記事は、赤羽 雄二氏の著書『7日でマスター 瞬時(すぐ)に動く技術』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

踏み出せない、という思い込み
私のオンラインサロンやブレークスルー講座の参加者の中では、この方法ですぐに動けるようになった方が多数おられます。数週間で変わられたりします。
ただ、「一歩踏み出せない」という思い込みが強い場合は、それを解除するのに、かなりの時間がかかっています。
幼少期に親が抑圧的だったり、感情の起伏が激しくて子どもが親の顔色をいつもうかがったりすると、自主性のない子ども、一歩踏み出すのが苦手な子どもになります。
そういう子どもは大人になっても「一歩踏み出せない、という思い込み」が強く、結構大変です。言い換えると、変わることが苦手です。「すぐに動く」こと自体、否定的だったり、金縛りにあったような状況になったりします。
一歩でも踏み出せると、楽になる
すぐに動けない人は、「さっと動く」ということに抵抗があるのかもしれません。
どういう抵抗があるのでしょうか。
すぐに動くと事故が起きそうだから、でしょうか。もちろん危険があるときは一歩踏み出すだけでも細心の注意が必要です。ただ、ほとんどの場合は危険があるから慎重だ、ということではないように思います。
単に、すぐに動くのが面倒だとか、すぐに動くと後が大変だとか、あるいは、すぐに動くのは安っぽく見えて嫌だとかそのような理由にも見えます。
ほとんど、理由という理由にはなっていません。
多分、本人が一番わかっていると思いますが、理由はないのです。動かない理由として言っているだけです。自意識過剰とも言えます。
一歩でも踏み出せば、すぐに動くことに実は大した壁はないとわかります。楽になります。
例えばこんなことを考えてみたらいかがでしょうか。
- すぐに動いても、何か問題が起きるわけではない
- すぐに動いても、後で大変なことが起きるわけではない
- すぐに動いても、軽率なやつだと思われることはない
- すぐに動いても、続けられなくて無責任と思われることはない
- すぐに動いても、地雷を踏んで爆発するわけではない
- すぐに動いても、準備不足で失敗するわけではない
- すぐに動いても、だめだったらやめればいい
- すぐに動いたら、その後が楽になる
- すぐに動いたら、勢いがついて進みやすい
・・・
いくらでも続けられます。ともかく、躊躇する理由はないので、一歩踏み出してみるとよいと思います。
上司に次の会議のための資料作成を指示されたとき、嫌だなと思って数日ぐずぐず引き延ばしたことはないでしょうか。
区役所に行って書類をもらってこないといけないのに、面倒で1週間も2週間も放置したことはないでしょうか。
どちらもすぐに動けば動くほど、楽に前に進みます。
上司の指示であれば、すぐに動くことで上司に追加で何を確認すべきかわかり、スムーズに進めることができます。何日か放置した後に始めようとしても、今さら上司に聞けない、ということで聞かずに進めて問題を起こしたり、スムーズに進められなかったりします。
それ以外でも、すぐに動くことで申込み期間が終わってしまったとか、希望者が殺到してもう席がないといったことがなくなります。
一歩踏み出すこと、すぐに動くことが実は難しいことでもなんでもなく、またそうしたらまずいという理由もほぼない、ということに慣れていただくのがよいと思います。
周囲は期待している
すぐに動く、ということに関して、周囲は期待しています。「やればいいのに」「迷うことないのに」「どうしてただやればいいのに動かないのかしら」とあきれながら、でも期待している、というところでしょうか。
別に皮肉に思ったり、攻撃したりしているわけではないです。単純にもったいないと思っていることがほとんどです。
「すぐに動かない理由が何もないのに、危険は何もないのに、ただぐずぐずしているだけ、いったいこの人は何を考えているのだろうか」という感じです。
慎重にしているだけかもしれません。ただ、資料作成に着手するとか、イベント開催準備のために他部署や会場候補に電話するとか、慎重にする理由がない場合でもゆっくり進めることが習い性になっているのはもったいない、と周囲は思います。
難しく考えすぎず、周囲の期待に応えてしまったらどうでしょうか。
人によっては「言われたからやらない」「言われてからやるのは虫が好かない」という人もいるとは思います。ただ、たまにはそういう我を張らず、「皆がそう言うならやってみようか」と乗り出してみるのです。
きっといいことが起きるでしょう。

経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入支援、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。マッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国LGグループの世界的躍進を支えた。
マッキンゼーで14年勤務した後、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命として、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。ベンチャー経営支援、中堅・大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出に取り組んでいる。コロナ前はインド、ベトナムにも3年間毎月訪問し、現地企業・ベンチャーの経営支援に取り組んだ。
東京大学、電気通信大学、早稲田大学、東京電機大学、北陸先端科学技術大学院大学講師としても活躍。下関私立大学客員教授。
著書は、44万部突破の『ゼロ秒思考』を始めとして、国内27冊、海外30冊、計138万部。
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