本記事は、赤羽 雄二氏の著書『7日でマスター 瞬時(すぐ)に動く技術』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

7日でマスター 瞬時(すぐ)に動く技術
(画像=78art/stock.adobe.com)

よいと思ったらすぐに動く

「すぐに動ける人」は、よいと思ったらすぐ動きます。壁のスイッチを入れたら照明がつくように、ドライヤーをONにしたらすぐ動くように、打てば響くようにさっさと動きます。
これは大したことがないように見えますが、実は大きな差になります。
私たちの仕事も、仕事以外も、何かがよいと思ったときにすぐ動けるかどうかで、途中も結果も大きく変わるからです。

  • よいと思ったらすぐに出かける
  • すぐに本を読む
  • 面倒な仕事にすぐ着手する
  • 話しにくい人にもすぐに話しかける

そういったことができるとストレスなく物事が進みます。
私自身、大半のことはすぐに動けるのですが、ごく一部、全く動けないことがありました。
嫌な内容だとわかっているメールを開くことができません。2・3日どころか2週間くらい毎日悩みながら開かないことがあります。もちろん放置していていいことは何もなく、日に日に嫌な予感が強くなっていきます。
時には、そのまま放置して、なかったことにすることすらあります。
何とか我慢して開いてみると、全く問題のないスケジュール調整だったり、メール受信の挨拶だったりして拍子抜けすることもあります。もちろん、苦情メールに返事をしなかったので、にっちもさっちもいかなくなったこともありました。
そういう自分自身への戒めでもあります。

迷わない、悩まない

「すぐに動ける人」は、迷いません。悩むこともありません。
これまで多くの人と接してきましたが、その中で結果を出し続けているのは、迷わない、悩まない「すぐに動ける人」です。
他の人なら迷い、悩んでいるとき、彼らは「やってみないとわからないじゃないか」「すぐできるんだからやってみよう」とすぐに動きます。
私がアドバイスしても、あれこれ言わずにすぐに動いてくれるので結果が出ます。成功体験を得やすく、どんどん成長します。

迷わない、悩まないと言うと、「能天気でいいなあ」「単純だなあ」とやっかみが入ります。部下が迷わない、悩まないと言うと、上司の多くは「ちゃんと検討してくれよ」「手を抜くなよ」「そんなに甘くないぞ」と、部下の一挙手一投足を見張り始めたりもします。
なので、結構、逆風が吹くのですが、迷わない、悩まない人はそういうことも気にせず突き進んでいくことができます。

躊躇なく動く

「すぐに動ける人」は、躊躇することがありません。
ためらわずに動くので、あれよあれよという間に物事が片づいていきます。動作が速くなります。勢いがつき、ますます動きやすくなります。

電光石火で物事が進んでいきます。横で見ていても気持ちがいいほどです。
動作もスムーズなので、結果もどんどん出ます。躊躇なく動くと、行動に迫力がありますので、周囲の人も釣られて動きます。

「躊躇する」とはどういうことか、考えてみましょう。
「やらなければいけない、あるいはやったほうがいい」ということはわかっていても、足が前に出ない、という状況でしょうか。
考えずに踏み出すと足を滑らせる、落とし穴がある、あるいはひどいときは地雷が爆発する、というのならわかりますが、そういった心配がないときでも足が出ない、ということですよね。
あるいは、行動したら失敗した、逆効果だった、怒られた、笑われた、やるべきじゃなかったと言われたなどで、「すぐに動く」ことが嫌になった人もいるでしょう。

たぶん、何が起きるかわからないから慎重に、ということだと思いますが、実際、その必要はありません。躊躇なく動いたほうがむしろ対処しやすくなります。

躊躇なく動くことで人生が変わると言っても過言ではありません。

くよくよしない

「すぐに動ける人」は、くよくよしません。
「くよくよする」とは、何かを決めて動き始めた後、「これでよかったのだろうか」「もっと他のやり方があったのではないだろうか」「何もしないほうがよかったのではないだろうか」「こんなことをして人がどう思っているのだろうか」と考え続け、行動もふらついていくことです。

言い換えれば、決めた後も、動き始めた後も、目の前のことに集中できずに頭や心がふらついていることです。
これは周囲の人には丸見えなのでやる気を削ぎますし、自分一人でやっていることにも力が入りません。

いっぽう、くよくよしない人は、このように悩むことがありません。
決めた後は突っ走るので結果も出やすくなります。周りの人も協力してくれやすくなります。好循環が始まります。
いいことだらけですね。

走りながら考える

「すぐに動ける人」は、検討が必要な場合も走りながら考えることができます。立ち止まることがありません。

人を巻き込むプロジェクトでも、1人で進めている資料作成でも、始めてから何か追加で検討しなければいけないことはいくらでもあります。その都度立ち止まると、勢いがつきませんし、再起動するときにかなりのエネルギーが必要です。

かなりのエネルギーが必要なのも問題ですが、どれほどエネルギーを投入しても2度と動かないということも起きます。動いても、前の熱意は消えてしまっていることが普通です。

「すぐに動ける人」は走りながら考えるので、そういうことがありません。走りながらでも余裕で状況把握をし、判断をし、対応できるので、問題を未然防止したり、うまく迂回したり、被害を最小限に留めたり、素早く片付けたりできます。

走りながら考えるのは、実はそれなりのスキルと姿勢が必要です。視野が広くないといけません。視点が高くないと、また十分に自然体でないとできません。
なので、それだけで人より断然仕事ができるようになります。

普段から準備をしている

「すぐに動ける人」は、普段から準備をしているので、あわてることがありません。
何が起きるのか、何を準備しておいたほうがいいのか、わからなくてもわからないなりに、できる範囲の準備をいつもしています。何があっても生き残るタイプですね。

例えば、AI専門家を多数呼び、1,000名参加のイベントを年4回開催しなくてはいけない部署だとします。
内外のAIベンチャーの社長、AI研究者、AIの業界専門家との接点を普段から作っておけば、登壇を依頼する際もあまり困らずに済みます。そのために普段から国内、シンガポール、サンフランシスコなどで開催されるAI関連イベントには参加して、顔見知りになっておきます。

あるいは、新事業部門にいる場合、マーケティング部門のキーパーソン、営業部門のキーパーソンと普段からつながっておけば、新事業の企画も実際の立ち上げも比較的スムーズにいきます。
「聞いてない」とか、「今進行中のプロジェクトとどっちが重要なんだ」とかの茶々が入りにくくなります。

いっぽう、何かをあわてて準備したり、間に合わなくて準備不足になったり、何かを忘れたり、仕込みが不足したり、根回しが不足したりすると、もちろん、ろくなことが起こりません。
一度しくじると、士気も下がりますし、挽回が大変です。挽回そのものが難しくなることもよくあります。

「すぐに動ける人」は、プロジェクトや自身の取り組みで今後何が起きるかいつも想定し、十分な準備をしているので、「さあきた」「ほいきた」と動けます。
これは圧倒的な強みです。

「すぐ動く人」が結果をつかむ、躊躇は最大の敵
赤羽 雄二(あかば・ゆうじ)
東京大学工学部を卒業後、コマツにて、超大型ダンプトラックの設計・開発に携わる。スタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了後、マッキンゼーに入社。
経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入支援、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。マッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国LGグループの世界的躍進を支えた。
マッキンゼーで14年勤務した後、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命として、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。ベンチャー経営支援、中堅・大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出に取り組んでいる。コロナ前はインド、ベトナムにも3年間毎月訪問し、現地企業・ベンチャーの経営支援に取り組んだ。
東京大学、電気通信大学、早稲田大学、東京電機大学、北陸先端科学技術大学院大学講師としても活躍。下関私立大学客員教授。
著書は、44万部突破の『ゼロ秒思考』を始めとして、国内27冊、海外30冊、計138万部。

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