NISAの投資枠拡大へ
NISA(少額投資非課税制度) が導入され1年が経とうとしている。自民・公明与党の大勝利で終わった14日の衆院選後、最終調整し年末にも発表される2015年度の税制改正大綱に盛り込まれるNISAの改正。
政府はこの可能枠を2016年に年間100万円から120万円へと拡充すると夏に発表した。さらにはジュニアNISAも創設。未成年を対象として年間投資枠80万円が予定されている。金融ビッグバンから20年を数える2016年にむけ、一般家庭における貯蓄から投資への流れは着々と進んでいる。
この年間100万円という金額。キリがいいようで実はキリが悪い。投資信託など毎月定額で運用しようとすると12で割ることになるからだ。今回の改正で2016年から年120万円に増やす方向が固まったためキリよく毎月10万円ずつ定額で積み立てて限度額いっぱいで投資することが可能となる。
ジュニアNISAの狙い…
ジュニアNISAの狙いは、親・祖父母の世代から子・孫の世代に資産を動かすことにある。12月9日の日本経済新聞朝刊によると「制度開始から半年たった6月末時点のNISAの利用額は1兆5600億円。このうち、50代以上の利用額が8割を占め、20~30代の利用は1割に満たない。ジュニアの対象となる未成年者の数は2200万人にのぼる」とある。実際に60歳以上がおよそ1600兆円にも及ぶ個人金融資産の過半を持っているため、金融業界をはじめたとした各界から投資枠の拡充を求める声があがっていた。これに政府が応え調整が進むかたちとなった。
ジュニアNISAのメリットと注意点は?
2014の今年、もうすでにNISAを始めていた場合、来年2015年の枠はまだ100万円、その後の2016から2018年の3年間は最大120万円投資できるので、5年間で最大560万円になる。またジュニアNISAでは年間80万円までが非課税であるため、例えば親・祖父母の世代2人、子・孫の世代2人がNISAを利用すると投資枠が現行年間200万円から400万円に倍増することとなる。2016年から5年間でなんと最大2000万円をも非課税で運用ができるという訳だ。ただし、ジュニアNISAにおいて注意点としては引き出しに制限がかかる点だ。もし途中で引き出す場合はその利益に対し課税する予定となっている。
今後様々な改革が見込まれるNISAに注目
日本のNISAのモデルとなっている英国ISAは2011年からすでにジュニアISAが始まっており、さらに通常の英国ISAも期間限定から恒久化している。日本のNISAも今年1月に始まったばかりだが、すでにさまざまな改革が行われようとしている。金融機関を毎年選べるようにしたり、口座廃止後の翌年以降に口座を再度開くことが可能となる見込みだ。今後の展望として英国ISAを見習うならば制度の恒久化が目標となる。(ZUU online編集部)