この記事は2025年10月1日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

2025年10月1日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
過去3ヶ月の米ドル/円の動きを振り返ると、145~150円(±1円)程度のレンジにとどまっている。
この間、さまざまな地政学的リスクや米国の相互関税といった材料で乱高下したが、主に注目されたのは「日米金利差縮小」からの円高予測だった。しかし、「日米金利差縮小」のニュースは頻繁に見られるものの、いまだに円高相場は訪れていない。
本日1日(水)午前10時半頃の金利先物市場では、1年先を見据えると日銀の「2回の追加利上げを」織り込む一方、FRBについては「1年先までに4回程度の利下げ」を織り込む見方もある。こうした金利先物市場の見通しだけを踏まえれば、円高が進んでもおかしくないはずだ。実際、多くの米系金融機関の米ドル/円見通しでも円高予測が目立つ。
それにもかかわらず、本日1日(水)午前10時半頃の米ドル/円は148円台前半で推移している。
現在の為替相場の戦略やスタンス
前述のとおり、マーケットは日米金利差縮小を背景に円高相場を期待している。このため、ドルを調達する必要がある日本企業は、今後の円高局面を待ってドル買いを行おうと考えがち。しかし、今年も残すところ3ヶ月。待っていても円高局面がなかなか訪れない。
これらの企業は投機目的でなく、実需としてドルを購入する必要があるため、いつまでも円高を待つわけにはいかず、支払い期日が来れば、どこかでドルを調達しなければならない。
マーケット関係者によれば、米ドル/円の144~146円台には、彼らからの断続的なドル買い注文が並んでいるといわれている。
日米金利差の縮小は、先物市場が示すとおり「すでに織り込み済み」の側面が強い。一方、本邦事業法人のドル調達は出遅れがちになっている。したがって、高値追いは避けつつ、米ドル/円の押し目買いスタンス継続で臨みたい
▽米ドル/円 日足チャート

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。