この記事は2025年10月2日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

2025年10月2日(木)の午前10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日1日(水)の米ドル/円は2週間ぶりに146.58円前後まで下落。
米議会がつなぎ予算案を否決したことで日本時間午後に政府機関の一部が閉鎖された。
トランプ米大統領がこれを機に連邦政府職員を大量に解雇する計画を示す中で、NYタイムには9月ADP民間雇用者数が3.2万人減と予想外に減少。米労働市場の悪化が意識され、米長期金利の低下とともにドル売りが強まった。
なお、本日2日(木)発表予定であった米新規失業保険申請件数と明日3日(金)に予定されていた米9月雇用統計は政府閉鎖の影響で公表されない見通しだ。
したがって、9月ADP全国雇用者数の減少による米労働市場の悪化懸念は本日2日(木)も市場にくすぶり続けると見られ、ドルの上値が重い展開も継続しそうだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
円については本日2日(木)午後に行われる内田日銀副総裁の講演に注目したい。
内田副総裁は昨年8月、「金融市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と明言して当時の株安と円高の動きを落ち着かせた。今回、もし日銀が市場との対話を試みるとすれば内田副総裁がメッセンジャーとして適任者だろう。
金利市場が織り込む日銀の10月利上げの確率は現在6割前後で、いわば「半信半疑」に近い状態だ。内田副総裁の発言次第で市場の利上げ織り込みは上下どちらにも変化する可能性がある。
本日2日(木)の予想レンジは146.00円から147.90円とやや広めにとっておきたい。ただし、ドルの上値が重い展開が想定される中で、より警戒すべきは日銀の利上げ期待が高まり米ドル/円の下値が深くなるリスクだろう。
▽米ドル/円 4時間足チャート

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。