本記事は、川尻 征司氏の著書『GLOBAL CITIZEN グローバル・シチズン 世界標準の自分らしく夢を叶える7ルール』(扶桑社)の中から一部を抜粋・編集しています。
人生をお金儲けだけに費やしてはならない
世界累計発行部数800万部の作家、本田健氏のベストセラー『幸せな小金持ちへの8つのステップ』(サンマーク出版)には、「幸せな小金持ち」の定義が述べられています。それは、「資産規模で1億円を持ち、何もしないで年に3,000万円の収入がある人」のことです。
手が届かなそうな数字に思われるかもしれませんが、貯金が3,000万円ある人は、次は5,000万円、その次は1億円と、もっと増やすためのビジネスや資産運用に頭を悩ませているのです。
また、お金を増やすことに時間を使うため、いつまで経っても忙しいままで、扱う金額が大きくなると、ストレスも正比例して増えていきます。
十分にお金があるなら、それを使って人生を楽しめばいいのに、「もったいない」と言って使わず、「もっと増やさなければ」と思って、さらにお金儲けにのめり込んでしまいます。
「お金を増やす目的は人生を豊かにするため」だったはずなのに、お金が目的になってしまったら、本末転倒です。お金はあなたを助ける道具です。
それを忘れてしまうと、「お金の奴隷」になってしまい、資産を増やすために、延々と時間と労力を費やすことになってしまいます。
お金を稼ぐために、人生の貴重な時間を使いすぎないように気を付けましょう。
会社の最優先課題は、「資産の最大化」を目指すことです。
しかし、それは株主が会社に求めているに過ぎません。
会社としては、生産性の向上を目指していますが、そのためにあなたの最も貴重な財産である「時間」を犠牲にする必要はないのです。
- 人生を楽しむことに時間を費やす。
- 「お金の奴隷」にならない。「お金の主人」になる。
「老後の不安」より「人生の幸せ」について考えてみよう
日本に帰ってきてテレビを見ていると、「老後に備えて投資しよう!」というCMが増えていることに驚きました。
「NISAを始めましょう!」「貯金よりも投資です!」
「投資用口座を開くだけで2,500円プレゼント!」
これほどメディアや広告が投資を煽っているということは、その裏に何か魂胆があるのではないかと、私は直感的に警戒してしまいます。
株式会社ロイヤリティマーケティングが2022年に行った「老後に関する調査」によると、全世代の男女で「老後に不安を感じている人」の割合はおよそ78%、20代の女性に至っては82%が不安を感じています。
老後の不安は何が起因しているのかを分析し、それを解決する方法を提案します。
1.本格的な高齢化社会が到来する
現代の先進国では高齢化が進み、人々の平均寿命が延び、健康寿命も延びています。そのため、これまでのように会社を退職した後の数十年は「老後」ではなく、「人生を謳歌する時間」と考えられるようになりました。
つまり、高齢者になっても働くこと、遊ぶことは当たり前に続くのです。
このように考えると、老後を心配して貯金に固執するのではなく、人生の幸せを優先することが私たちにとっては重要なのです。
2.安定した雇用が激減する
現代では正社員の雇用が減少し、非正規雇用が増加していることから、現役時代の収入だけで老後資金を確保することは難しくなっています。むしろ、歳を取っても収入を得ることができるスキルやノウハウを身につける方が大切でしょう。
つまり、老後の資金を貯めることよりも、「自分の人生を豊かにするために何をするか」「どのような働き方や生活スタイルを選ぶか」のほうが重要なのです。
3.経済の動向が予測不能なほど変化している
近年は経済の変化が激しく、将来を見通すことが難しい状況になっています。
どんなビジネスが生まれ、どのようなビジネスが廃れていくか、専門家でも予想するのは難しいでしょう。将来の不確実性を怖れるよりも、自分とその周囲の人の幸せを確保しながら、柔軟な対応力を持つことが求められます。
マスコミの不安を煽る論調に流されて、老後のことばかり心配するのはおすすめしません。平成時代は「ライフワークバランス」を重視していましたが、令和時代は老後を心配するより、「人生の幸せ」について熟考する時代なのです。
まずは、「自分は何をやっているときが一番幸せか?」「その幸せを継続させるためには何を準備したらよいのか?」をじっくりと考えてみてください。
貯金や投資も大切ですが、あなたが幸せであってこそ、お金は価値を持ちます。
- 漠然とした将来を心配するより、自分はどう生きたいのかを考える。
- 働き方や生活スタイルを整理・整頓してみる。
1982年、兵庫県芦屋市生まれ。
2022年3月に設立した公益財団法人KAWAJIRI FOUNDATIONでは、学業優秀でありながら経済的な理由により学費の支弁が困難な大学生に川尻育英奨学金を給付し、支援している。
また、世界をつなぐアートプロジェクト「DANDELION PROJECT」のサポートや「tHE GALLERY HARAJUKU」の設立など、アート&カルチャーの新潮流を作るアーティストの支援を行う新世代ギャラリストとしても活動している。
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