本記事は、堀田 孝治氏の著書『新版 入社3年目の心得』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

新版 入社3年目の心得
(画像=potico/stock.adobe.com)

PDCAを「7つの行動原則」で磨く

「独り立ち」「一人前」=「PDCAサイクル」

「入社3年目の社員に、一言で言えば、何を期待しますか?」
研修でお世話になっている企業様の人事担当者にそうお聞きすると、「『一人前』です」「『独り立ち』です」
といった言葉が返ってきます。
では、一人前、独り立ち、とは具体的にはどういう状態を指すのでしょうか?
私は、
「自分で考え、自分で行動している状態」
つまり、
PDCAサイクルを自律的に回せている状態
だと理解しています。

PDCAサイクルとは、「計画(Plan)」「実行(Do)」「検証(Check)」「改善(Act)」のサイクルです。これは、第二次世界大戦後のアメリカで品質管理手法として構築されましたが、日本でもデミング氏らに伝承されて以降、主に生産現場で活用され、進化し(まさに【守破離】ですね)、今では新人研修でも教えられる、もっともポピュラーな「仕事の進め方」の守るべき型の一つです(図表11)

入社3年目の心得
(画像=新版 入社3年目の心得)

「PDCAサイクル」をきちんと回さないと何が起きるか

そんなビジネスパーソンなら誰もが知っていると言っても過言ではない「PDCA」ですが、実際に、これを自律的に回せているでしょうか?
多くの若手社員と関わってきましたが、かつての私のように、現場できちんと活用できていない人も多いのが実態ではないでしょうか。

現実の現場の若手に多く見受けられるのは、次の3タイプです。

① 「PPPPサイクル」(考えてばかりで、行動に移せない)
② 「DDDDサイクル」(言われたことだけをただやっている)
③ 「PDPDサイクル」(自分で考えて行動するが、振り返りをしない)

①の「PPPPサイクル」は、勉強なら褒められるかもしれませんが、実技である仕事では、一番危険な状態です。行動しない限り、いくら考えていても何も成果は生まれません。
②の「DDDDサイクル」は、一見忙しそうに仕事をしているようですが、その中身は、実は「仕事」ではなく「作業」であることが多いです。自分で何をするかをPlanしないということは、他者に言われたこと、目に見える決まったことを処理しているだけなのですから。
③の「PDPD」は、一見、仕事をきちんとしているように、つまり「自分で考え、自分で行動しているように見えます。しかし、振り返りと改善をしていないと、後々いろいろな問題が噴出します。

3つのサイクルに共通しているのは、「CAをしない」ことです。
実は、これが、最も大きな問題なのです。なぜなのか、私の実体験でご説明します。
私は30歳の時に休職をしました。が、実はその数週間前まで、自分自身は、「自分は仕事ができる方なのだ!」と思っていたのです。なぜかというと…… そうです、振り返り(Check)をしていないからです。ですから、うまくいっていないことにすら休職する直前まで気づけなかったのです。
その後、私はそれまでの人生を仕事を中心に大学ノートで1冊分“振り返り”を行いました。やってみて、22歳の入社時から失敗を繰り返している自分に初めて気づき、驚くことになるのです。
「CAをしない」とどうなるのかというと、「失敗を繰り返す」ことになるのです。もっと言うと、失敗していることにすら気づけません。一度の失敗はいいですが、「同じ失敗を延々と繰り返す」という失敗のダメージはかなりのものです。
そして逆に言うと、成功が繰り返せません。「DDDD」や「PDPD」で場数を重ねれば、たしかにある程度上手になります。「会心の商談」をできる日がくるかもしれません。
しかしCAをしないと、「なぜうまくなったか」がわからないので、「もう一度やろう」としても、再現できないのです。
「CA」をすることが「学習」であり、「CA」が重要な【てこ入れ】になります。

では「CA」をなぜしないのか、多くの若手と向き合ってきて、大きく二つの原因があることが見えてきました。
一つは、「忙しいから」です。そうです、現場は常に忙しいのです。かといってDoをしないわけにはいかない、Planがなければ上司も納得しない、では、CAを抜こう、と無意識になるのです。しかし、この発想は本末転倒です。「忙しいからCAをしない」のではなく、「CAをしないから、失敗を繰り返し、成功を再現できず、よりよいものが見つからず、ますます忙しくなる」のですから。
もう一つは、「Checkしたくても、Checkリストがない」ことです。当たり前ですが、優れた効果的なCheckには「優れたCheckリスト」が事前にあることが前提になります。新入社員が途方に暮れるのはココです。先輩に「振り返りをしなさい」と言われても、何をどう振り返っていいかわからないのです。商談を始めたばかりの人に、「良い商談のためのチェックリスト」など、あるわけがないのです。

新版 入社3年目の心得
堀田 孝治(ほった・こうじ)
クリエイトJ株式会社代表取締役
1989年味の素株式会社に入社。営業としてキャリアをスタートし、3年目には大きな成果を挙げ、仕事ができる“つもり”になって本社のマーケティング部門に異動するも挫折し、心身の調子を崩し、30歳で9カ月の休職となる。
復職後、その挫折と失敗をはじめて振り返り、失敗の本質を発見。自己変革に着手する。人事部に異動後は、持論をより専門的に磨きながら、他者にも役立てるべく、教育体系を再構築し自らも講師として研修に立つ。その後、広告部マネージャーを経て、2007年にプロの企業研修講師として独立する。
「20代の自分が受けるべきだった研修」をコンセプトに「7つの行動原則」研修プログラムを開発。するとたちまち大手企業を中心に、さまざまな業種、職種の企業で主に「3年目研修」として導入・定着し、現在では幅広い年齢層にも拡大し、のべ1万5千人以上のビジネスパーソンが「7つの行動原則」研修を受講している。また八ヶ岳は原村にも拠点を設け、都会と田舎との2拠点「両立」生活を開始。そして55歳で極真空手に入門し、自らも「7つの行動原則」を軸にした自己変革・成長の取り組みとワクワクするビジネス&ライフを実践中。
著書に『しなくていい努力』(集英社)、『「会社は無理ゲー」な人がノビノビ稼ぐ方法』(技術評論社)などがある。

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