本記事は、桑原晃弥氏の著書『資産24兆円の世界一の投資家 ウォーレン・バフェットの名言』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
台所に一匹ゴキブリがいれば、それは他にもたくさんいる証拠なのです
―― 『バフェットからの手紙』第5版
労働災害の世界で知られているのが「ハインリッヒの法則」です。
アメリカの損害保険会社で技術・調査部の副部長を務めていたハーバード・ウィリアム・ハインリッヒが発表した論文に由来します。
1件の重大な事故や災害の裏には、29の軽微な事故や災害があり、実に300ものヒヤリハット(事故にはならなかったものの、危ないなとヒヤリとしたり、ハッとしたケース)があるというものです。
実際、工場などの事故を調べれば、大きな事故以前に小さな事故はたくさん起きていますし、物にぶつかりそうになったとか、転びかけた、ケガをしそうになったといったケースは山のようにあります。
本来ならこの段階で対策すれば大きな事故は防げるのですが、それを「このくらいは」と放っておく企業がやがて大きな事故を起こすことになります。
労働災害でなくとも、問題を抱える企業というのはこれとよく似ています。
ウォーレン・バフェットはこれまでたくさんの企業に投資していますが、なかには買ってすぐに厄介ごとに巻き込まれたことも少なくありません。
1977年に3,250万ドルでバッファロー・イブニング・ニューズを買収したバフェットは、日曜版の発行を巡ってライバル紙のクーリエ・エクスプレスから「独占の力を利用している」という理由で訴訟を起こされ、その過程で「有料の橋を所有していて通行料を値上げできる人間」と決めつけられています。
「新聞社を買った時に、訴訟も一緒に買ってしまった」ようなものでした。
13の組合を抱える同紙では労使問題にも巻き込まれています。
新聞の発行を中止し、会社を清算するほかはないというほどの崖っぷちに追い込まれてもいます。困難で骨の折れる仕事を経て、バフェットはこんな教訓を学びます。
「困難なビジネスにおいては、1つの問題の片が付く前に、次の問題が起きるものです。台所に1匹ゴキブリがいれば、それは他にもたくさんいる証拠なのです」
当初の買収条件がどれほど魅力的であっても、問題が次々と起こり、その解決にたくさんの時間やお金を取られれば意味はない。「良いビジネスでは次々に楽な決断をしていけばいいのに、悪いビジネスでは繰り返し困難な決断を迫られる」ことになるのです。
投資するなら「良いビジネス」を選べというのがバフェットの教えです。
- ワンポイント
- いくら魅力的な価格でも問題のある企業には決して手を出さない。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
- ウォーレン・バフェットが教える「ダメな企業」を見抜くゴキブリの法則
- バフェットの警告「100万ドルと内部情報があれば、1年で破産する」
- バフェット流・鉄壁の資産防衛。「手持ちの25%以上」は借りない極意
- バフェットの告白 「お金が欲しい訳ではない」?
- バフェットの教え「1ドルのムダ遣いが、将来の100万ドルを奪う」
