本記事は、菊原 智明氏の著書『マネジャーの心得』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
できるマネジャーは“時間の複利”で時間を生み出している
マネジャーの時間術はどれだけ働いたかではなく「どこに時間を投資しているか」が大きなポイントになります。
プレーヤー時代は、仕事量で勝負できました。長く働き、たくさん動き、たくさんこなせば評価されました。
しかしマネジャーになった瞬間、それは通用しなくなります。一個人のアウトプットより“チーム全体のアウトプット”が成果を決めからです。これができないマネジャーは徐々に失速していきます。
時間管理を学ぼうとすると、多くの人がこう考えます。
「実働時間をもっと増やさなくては」
「1分でも早くこの仕事を片付けるぞ」
「もっと効率化しなくては」
もちろんこういった努力も必要なことです。しかし、マネジャーに本当に必要なのは仕事の量や速さではなく「どこに時間を投資するか」ということです。
自分の作業に時間をつぎ込んでも業績の伸びはたかが知れています。“部下が自ら動き結果を出すための時間”につぎこむことで長期的に業績が伸びるのです。その差は2倍にも3倍にもなるのです。
ここで簡単なワークをやってみましょう。
一日のスケジュールを見返して、次のどちらの比率が高いかチェックしてみてください。
- 目の前の仕事を処理する時間
- チームが将来良くなるための時間
2の時間がほとんどなく1ばかりだった…… という方もいるかもしれません。でも安心してください。これから徐々に比率を変えていけばいいのですから。
マネジャーはチームのための投資をできるかどうかで成果が決まります。そうすることで、未来の時間が永遠と生まれるようになります。
これを“時間の複利”と呼んでいます。
複利とは時間が経てばたつほど、大きくなっていく効果のことを言います。ここを理解しているかで、今後の成果が圧倒的に変わります。
知人のマネジャーはいい人なのですが、いつも時間に追われ、いっぱいいっぱいという感じの人です。彼は頼られたらすぐに動き、問題を自ら解決しようとするタイプです。
そこで私は「何かを頼まれたとき、何か問題が起きたときに“これは自分がやるべき仕事か?”と問うようにしてください」とアドバイスをしました。
そう問うだけで考える間ができます。すると「これは自分じゃなくてもできるな」と気づくのです。
この気づきで知人は自分の時間がもてるようになっていきました。それからはチームのために時間を使えるようになり、一気にうまく回るようになったのです。
できるマネジャーは“チームに時間を投資”して結果を出します。時間の複利を利用して時間を生み出していくのです。これができるようになったマネジャー(あなた)は「あくせく働く人」から“チームをうまく回すマネジャー”へと進化します。
群馬県高崎市生まれ。群馬大学機械科卒業後、トヨタホームに入社。その後7年間、苦しい営業スタッフ時代を過ごすが、お客様へのアプローチを訪問から営業レターに変えたことをきっかけに4年連続トップ営業となる。約600名のなかの営業トップとなり、社のMVPを獲得。2006年に独立し、営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。現在は、経営者や営業向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行い、これまで15,000名以上を指導。2010年より関東学園大学講師も勤めている。
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