本記事は、節約オタクふゆこ氏の著書『お金はこれで増やせます 失敗したくない人のための投資の教科書』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
気づかぬうちに取り残される? 静かに広がる「投資格差社会」
投資の有無で人生に大きな差がつく
「毎日、筋トレをしている人」
「週に2〜3回のランニングを続けている人」
みなさんのまわりにも、そんな人がいるはずです。そうした人たちは地道な努力を積み重ね、引き締まった体や若々しさを手にしています。
でも、運動習慣の有無で「大きな差がついてしまった……」なんて落ち込むことは、あまりないはずです。せいぜい「スタイルがよくていいなぁ」「自分も見習わないとなぁ」と思うくらいでしょう。
しかし――。
株式投資をしているかどうかの差は、かなり深刻です。
「自分と同じような生活をしていると思っていた人」と、10年、20年後に何千万円もの資産格差が生まれている可能性があるからです。
10年で「100万円が300万円」に!
「株式投資の期待リターンは5%」とか、「オルカンの直近20年のリターンは6%」とお伝えしていますが、実はこのリターンはだいぶ控えめな数値です。
オルカンが連動する株価指数「MSCI ACWI」は、過去38年間の日本円ベースのリターンが年率9.41%にもなります。ここまでにお伝えした数値は、過去の「よかった時点」を切り取って計算したのではなく、むしろ厳しめに(リターンを低めに)見積もったものです。
逆に、株式投資の「よかった時点」を切り取ると、直近の10年間はさらにダイナミックなリターンを得られる時代でした。いわば、「米国株の黄金期」だったのです。
GAFAM(現代のテクノロジー業界をリードする大手IT企業であるグーグル(アルファベット)、アップル、フェイスブック(メタ)、アマゾン、マイクロソフトの5社の頭文字を取った略称)を中心に、急成長を遂げたのです。
アップル株は平均して年率24%も上昇し、2015年から2025年のあいだに株価が+714%も上昇。また、アマゾンの株価も+785%という驚異的な成長でした。
その勢いを受けて、米国を代表するインデックス(株価指数)である、「S&P500」も直近10年で+200%を超える成長を遂げました。
つまり、100万円を投資していれば、10年後には300万円以上に増えていた計算です。
S&P500のインデックスファンドは、いわゆるハイリスク・ハイリターンの「攻めた投資商品」ではありません。世界中で多くの人が投資する、スタンダード商品の代表格といえるものです。
「株式投資で成功している人は、しっかり研究して、ものすごい努力をしている」と想像するものですが、S&P500の積み立て投資は、初心者でも「とりあえず無難に」選ぶような選択肢のひとつであり、株式投資の王道なのです。
そんな投資先が10年で3倍成長したのですから、2010年代に軽い気持ちで株式投資をはじめた人たちは、予想以上に大きな資産を手にできたというわけです。
2015年から10年間のS&P500の年平均リターンは、約14.7%です。仮にS&P500に毎月3万円の積み立て投資を行っていたとすると、たった10年で800万円近い資産になります。これが毎月5万円なら1,200万円以上です。
さらに5年続ければ、2,000万円、3,000万円も夢ではありません。
つまり、同じ職場で同じような給料をもらっている同僚が、知らないうちに1,000万円、2,000万円の資産を築いているかもしれない、ということです。
宝くじで高額当選してもまわりには黙っているように、「わたしは株で2,000万円儲けたから」などと大っぴらに自慢する人はほとんどいません。
だからこそ、あなたの身近な人がどれだけ資産を増やしているのか知ることはできず、知らず知らずのうちに「静かな格差」が広がっている可能性があるのです。
「努力」は不要。「やる」か「やらない」かだけ
「勉強して、やりたい研究ができる大学に入る」
「やりがいのある仕事を頑張って、収入を上げる」
「語学を学んで、交流や活躍の場を広げる」
このような、人生をよりよくする行動には、すべて「努力」が必要とされます。
でも、インデックス投資は違います。
とにかく、月2万円から3万円といった金額を、ひたすら積み立てるだけでいいです。節約して月々の投資額を5万円、10万円と引き上げていくためには努力が必要ですが、積み立て自体は自動的で、頑張る必要も知識を詰め込む必要もありません。
ただ、「やるか、やらないか」̶̶。それだけの違いで、数千万円という資産の差が生まれるのです。
もちろん、投資にはリスクがあります。だから「絶対にやるべき」という強制はできません。けれど、もし家族や親友など親密な関係の人に本音でアドバイスするなら、わたしはこう断言するでしょう。
「お金を増やしたかったら、四の五のいわずにインデックス投資をやっときな!」
それくらい、高い可能性で「放っておいても増える仕組み」としての再現性があるのが、インデックス投資なのです。
未来の資産格差を決める分かれ道は、「才能」でも「努力」でもなく「はじめるかどうか」だけなのです。
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