今に始まったことではない「脱中国」の流れ
2017年から直近までの約10年間をみると、日中M&Aは165件(M&A Onlineが集計)。日本企業による買収が39件に対し、中国による買収が126件と3倍に達するが、その8割以上を占めるのが日本企業の現地子会社・事業が対象とする案件だ。
日本企業は2020年からのコロナ禍をきっかけに国内外の事業選別にアクセルを踏み込んだ。とくに海外事業をめぐってはサプライチェーン(供給網)の再構築に向けて移転、縮小・撤退の動きが加速。日本企業の海外M&Aの内容も売却のウエートが高まりを見せた。
ただ、日中M&Aについてはコロナ禍以前から日本企業による売却(中国側にとって買収)が断然優位のまま推移してきたのが実情だ。
中国の経済・政治の不安定要素、いわゆる「チャイナリスク」への警戒感から、海外生産拠点の国内回帰や多様化など「脱中国」の流れが早くからできていたことがM&A動向からもうかがえる。
中国TCL、ソニーGのテレビ事業を事実上傘下に
一方、今年は久々に中国による大型の対日買収もあった。中国家電大手のTCLがソニーグループからテレビ事業を事実上傘下に収める案件がそれ。
ソニーは同社が49%、TCLが51%を出資する合弁会社「BRAVIA(ブラビア)」にテレビ事業を分離・移管するもので、これに伴うTCLの支払対価は出資分などで約754億円(約38億香港ドル)。新会社は2027年4月の事業開始を予定する。
(画像=「M&A Online」より引用)
文:M&A Online