本記事は、石黒 功氏の著書『目立たないのにうまくいっている 謙虚な人の習慣』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

目立たないのにうまくいっている 謙虚な人の習慣
(画像=78art1/stock.adobe.com)

謙虚であると得られる3つの良質な人間関係

ここまで、謙虚体質の土台のつくり方をお伝えしてきました。ここからは、その土台のうえに築かれていく、人間関係についてお話ししていきます。
早速ですが質問です。

あなたには、頼れる師は何人いますか?
心から信頼し合える仲間は何人いますか?
結局のところ、人生は「誰と出会えたか」「誰に支えられたか」で決まっていくのではないか、と私は考えています。
どれほど能力があっても、ひとりでできることには限りがあります。けれど、良き人と出会い、良き関係を結べたら、自分が持っている力の何倍もの力を発揮できます。
「良き人との出会い」を引き寄せる最大の力こそが、謙虚さです。
謙虚であると、人間関係においても大きく3つの恵みがもたらされます。

ひとつ目は、「良き師(メンター)」と出会え、深い関係を結べることです。
30代半ばにさしかかった頃、「どうすれば幸せな人生を送れるのだろうか」と、真剣に考えたことがあります。
生き方の参考になればと、京セラの創業者である稲盛和夫さんのご著書を何冊か読ませていただくうちに、「なんとかこの方の教えを直接受けたい」という思いが、強くなっていきました。
そんなとき、同じ業界の経営者仲間が「稲盛さんが盛和塾という中小企業経営者向けの経営塾を主宰されているよ。石黒さんの価値観に合うと思うから、ぜひ入ったら」と声をかけてくれました。
これが、私と稲盛さんとの出会いの入口になりました。
私が真剣に「学びたい」という意欲を持っていなかったら、同業の経営者は、きっとこのように声をかけてくれなかったことでしょう。
良き師と出会えるかどうかは、運でも偶然でもなく、その人が「学ぼうとしている姿勢」を持っているかどうかで決まります。

2つ目は、「志を同じくする仲間」と出会い、深い関係を結べることです。
良き師と出会えた人は、その師のもとに集う、同じ志を持った仲間たちと出会えることです。
私の場合、稲盛さんとのご縁から、盛和塾というコミュニティに身を置くことになり、そこで生涯の友と呼べる仲間と何人も出会うことができました。
今では、当時の盛和塾仲間のほかにも、中村天風さんの教えを学ぶ天風会の仲間、地元の経営者団体の仲間など、私を支えてくれる輪が何重にも広がっています。
ひとりの師から学べることには、限りがあります。けれど、同じ師の元で学ぶ仲間からは、また別のものが学べます。
同じことを師から学んだはずなのに、「あの人は、こんなふうに受け取ったのか」と、自分の捉え方とはまた違った学びに気づかされたり、自分が悩んでいることをすでに乗り越えた仲間から、知恵をもらえたりします。
良き仲間は、良き師の教えを、何倍にもしてくれるのです。
「自分のほうがすごい」「自分のほうが知っている」という空気を出している人には、誰も心を開いてはくれません。こうした仲間との関係も、謙虚さの土台のうえにしか築けません。

3つ目は、「余計な敵ができない」ことです。
謙虚でいることは、あなたを「思わぬ損失」からも守ってくれる、ということです。
世のなかを見渡してみてください。
能力があり、成果も出しているのに、なぜか途中で失速してしまう人がいます。
一方で、派手さはないのに、長い年月をかけて着実に成長して大きな成果を出していく人もいます。
この二者を分けているものは、「どれだけ敵をつくらずにきたか」の差だと私は考えます。
謙虚な人は、敵ができません。嫉妬しっともされにくい。足を引っ張られることも少ない。
その結果として、損失をこうむらずに済むのです。
一度や二度の成功なら、勢いで押し切れます。けれど、長期的に成果を出し続けるのは、自分ひとりの力では絶対に無理です。どこかで必ず、人に助けてもらわなければいけない局面がやってきます。そのときに、過去に自分が無意識に傷つけた人、見下してしまった人がいると、助けの手は伸びてきません。それどころか、ここぞというときに足を引っ張られることすらあります。

良き師と出会えること。志を同じくする仲間と出会えること。そして、敵ができず、足を引っ張られずに歩んでいけること。
この3つの恵みが、謙虚さの土台のうえには、自然と積み上がっていきます。

目立たないのにうまくいっている 謙虚な人の習慣
石黒 功(いしぐろ・いさお)
イノチオホールディングス株式会社取締役会長
公益財団法人㓛農支援会代表理事
1952年、愛知県生まれ。名古屋市立大学大学院薬学研究科修士課程修了後、薬局チェーン勤務を経て、株式会社石黒製薬所へ入社。39歳でイシグロ農材株式会社の社長を継承し、農業分野に特化した事業展開を推進。
現在、創業117年目を迎え、創業者の唱えた「自分のいのちは、世のため人のため、他に尽くすためにある」との利他の心を受け継ぎ、グループ理念である「イノチオフィロソフィ」を原点に、農業を総合的に支援する企業グループの発展に尽力している。

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