本記事は、石黒 功氏の著書『目立たないのにうまくいっている 謙虚な人の習慣』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

目立たないのにうまくいっている 謙虚な人の習慣
(画像=kapinon/stock.adobe.com)

大きな仕事を成し遂げる人は「満足の罠」を越えている

真剣に働き、できることが増えてくると、多くの人は一人前と呼ばれる段階に立ちます。
ここまでは、誰もが努力で到達してきた場所です。
しかし、この先に別れ道があります。
それが「満足の罠」です。
満足の罠とは、ある程度できるようになったときに、「これで十分だ」と無意識に感じてしまい、それ以上の改善や成長を止めてしまう状態のことです。本当はまだ伸びる余地があるのに、自分でその余地を閉じてしまうのです。
怠けるということではありません。人として自然な反応です。どこかで「もう十分だ」と思ってしまうからです。
ただ、その瞬間に成長は止まります。
一人前で止まる人と、その先へ進む人の違いは、ここにあります。

では、先へ進むことができる人は何が違うのか。
それは、「誰のために働いているか」が変わることです。
最初は自分のためでいいのです。
収入を上げたい。認められたい。できるようになりたい。
その思いが人を前に進めます。
しかし、ある段階から視点が変わります。
「自分がどう見られるか」ではなく、「この仕事は誰のためにあるのか」を考えるようになります。

お客様のために何ができるか。
仲間のために何ができるか。
社会のために何ができるか。

視点は外へ広がっていきます。
そのとき、人は気づきます。
まだ足りない、と。
知識も、工夫も、視点も足りない。やるべきことはいくらでもある。
そこで、もう一度動き始めます。
満足している場合ではなくなるのです。

人のために働く人のもとには、不思議と仕事が集まってきます。信頼が生まれ、人が集まり、役割が広がっていきます。
仕事はひとりでは完結しません。だからこそ、世のため、人のために動く人のところに、人も仕事も集まっていきます。
その先に、さらなる広がりがあります。
自分のためから始まった仕事は、人のため、社会のためへと広がり、やがて地球やすべての命へと届いていきます。
そのとき、人は大きな仕事を成し始めます。

「自分のいのちは、世のため、人のため、他に尽くすためにある」

弊社の創業の精神にある言葉ですが、そのような境地に近づいていくのです。

目立たないのにうまくいっている 謙虚な人の習慣
石黒 功(いしぐろ・いさお)
イノチオホールディングス株式会社取締役会長
公益財団法人㓛農支援会代表理事
1952年、愛知県生まれ。名古屋市立大学大学院薬学研究科修士課程修了後、薬局チェーン勤務を経て、株式会社石黒製薬所へ入社。39歳でイシグロ農材株式会社の社長を継承し、農業分野に特化した事業展開を推進。
現在、創業117年目を迎え、創業者の唱えた「自分のいのちは、世のため人のため、他に尽くすためにある」との利他の心を受け継ぎ、グループ理念である「イノチオフィロソフィ」を原点に、農業を総合的に支援する企業グループの発展に尽力している。

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