本記事は、ミニマリストTakeru氏の著書『人生は「引き算」で軽くなる:ミニマリスト思考で人生を豊かに変える』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
人と比べてしまう場所から離れる
今、多くの人がSNSを使って情報収集をしている。世界中の出来事や誰かの暮らしが、指先一つで見られる時代になった。それは確かに便利だ。しかし同時に、僕たちは気づかないうちに大きな負担も背負うようになっている。
SNSには、時間を浪費しやすい、物欲が刺激されやすい、人との競争が激しくなる、といった側面がある。さらに厄介なのは、他人と自分を比べてしまうことだ。誰かの成功や充実した日常が目に入るたびに、「自分はまだ足りない」と感じてしまう。そしていつの間にか、「キラキラした生活= 成功」という価値観に飲み込まれ、自分らしい目標や生き方を見失ってしまう。
本来、人生に正解はないはずだ。人それぞれ違って当たり前なのに、SNSの中ではあたかも“正解のような生き方”が無数に提示される。その結果、比較することが当たり前になり、焦りや不安が日常に入り込んでくる。こうして「人と比べてしまう場所」が、知らないうちに自分を苦しめる重荷になっていく。
一番の問題は、比較すること自体ではなく、「比較しないと満たされなくなること」だ。
誰かより上に立てば安心し、下だと感じれば落ち込む。しかし、どれだけ上を見ても、さらに上は存在する。そんな終わりのない競争の中で幸せを求めても、それは一瞬で消えてしまう儚いものだ。
だからこそ、一度その場所から離れてみることが大切だ。距離を取ってみると、人と違うことはごく自然で、むしろ健全なことだと気づけるようになる。
僕自身、2017年にYouTubeを始めた頃は、誰かと比べることはほとんどなかった。
自分のペースで、自分のやりたいことに向き合っていた。しかしSNSが当たり前の時代になるにつれて、状況は大きく変わった。SNSを開けば、嫌でも誰かの生活が目に入る。
「これが正解」「これが幸せ」といった情報に触れるたびに、自分の価値観が少しずつ上書きされていった。
あれ? なんか違う。
誰かと比べたり、SNSの情報を鵜呑みにして生活してみると、違和感を感じることが増えていった。
だから僕は、SNSから離れることにした。YouTube以外のSNSアカウントはすべて削除。YouTubeは仕事用として残してあるけど、ほとんど見ることはなくなった。
その代わりに、本を読んだり、映画やドラマを楽しんだり、「誰かと比べる必要のない世界」に時間を使うようにした。
自分の世界にこもる。
一見すると閉じこもっているように思えるかもしれないが、実際はその逆だ。他人の基準ではなく、「自分のペース」と「自分の気持ち」を大切にできるようになる。これはとても心地よく、穏やかな感覚だ。
そう、大事だったのは情報を集めることでも、他人の生活に触れることでもなく、自分と向き合うことだった。
もちろん、すぐに環境を変えられない人もいるだろう。学校や職場など、どうしても人と比べられてしまう場所にいなければならないこともある。その場合は、「一生ここにいる」と考えるのではなく、「期間を決めて距離を取る」ことや、「少しずつ離れる準備をする」ことを意識してみてほしい。
たとえば、SNSを見る時間を減らす。通知をオフにする。あるいは、生活費を見直して働き方を軽くするなど、小さな工夫からでいい。そうやって少しずつ距離を取っていけば、過剰な競争や比較から解放されていく。
人と比べなくても、人生はちゃんと成り立つ。むしろ比べないほうが、ずっと軽く、自由に生きられる。
あなたの人生は、誰かと競うためのものではない。あなた自身が納得して生きるためのものだ。だからこそ、自分をすり減らしてしまう場所からは、少しずつ離れていこう。それが心と健康を守るための、最もシンプルで確かな方法だ。
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